次期総選挙で神奈川新8区の民主党公認候補であった、元政策・メディア研究科助手・折田明子氏は立候補辞退したことが明らかになった。1月下旬に折田氏本人が民主党神奈川県連に立候補辞退を申し出、18日(火)、同連の常任幹事会はこれを承認した。


 折田氏は SFC CLIP の取材に対し、立候補辞退に至った経緯について、2002年末より療養中であることを明かし、家族との相談の末、まずは博士号取得を目指し公認を辞退したという。続けて、現在の心境について「個人が政治に参加できる環境を作りたいという思い、一つ一つの声をつないでいきたいという志は何も変わっていません」と述べた。
 そして、今後については、「研究の分野に進む(戻る)という方法でアプローチしたい」と意気込みを語り、研究活動に関しては、「広い意味でのIT政策、情報が繋がることによって生まれる『価値』を社会的に定義し、政策として実現させるための方策を考えたい」と述べた。
 [インタビュー全文]—
—立候補辞退の理由について、報道では「体調がすぐれず、学位の取得に専念したい」 となっておりますが、その他のご事情などありましたら、詳しくお聞かせいただけませんでしょうか。
[折田氏] 選挙終了後、自分がもっと成長すべきであることを痛感すると同時に、生活基盤を持ちながら政治活動をすることを考えていました。当初は働きながら、もしくは博士課程に居ながら両立する準備をしていましたが、折悪しく心身の調子を崩し 、年末よりドクターストップをかけられて療養中です。
 療養しながら、二兎を追うべきか、それとも自分の時間や体力には限界があるのではないかということを考え、家族とも話し合った結果、まずは博士号取得を目指し、次回の公認を辞退しよう、ということになりました。
 個人が政治に参加できる環境を作りたいという思い、一つ一つの声をつないで行きたいという志は何も変わっていません。そのやり方の一つとして立候補させていただいたことは貴重な経験でした。しかし、今は研究の分野に進む(戻る)という方法でアプローチしたいと考えています。
—今後の研究活動の予定をお聞かせいただけませんでしょうか。
[折田氏] 療養中のため指導教授とはまだゆっくり話していませんが、広い意味でのIT政策、情報が繋がることによって生まれる「価値」を社会的に定義し、政策として実現させるための方策を考えたいと思います。
 現在博士2年生の1学期目です。
— 今後の機会には、選挙に出馬するご意向はありますでしょうか。
[折田氏] その予定はありません。研究活動に専念する予定です。

【折田明子(おりた・あきこ)氏】
 1975年4月25日生まれ。1994年、総合政策学部に入学。2000年、政策・メディア研究科修士課程修了。SFC研究所訪問研究員を経て政策・メディア研究科特別助手。2000年、政府のIT戦略本部委員を務める村井純・環境情報学部教授の随行員として、e-Japan戦略策定に関わる。
 2002年10月に行なわれた、神奈川8区衆院補欠選挙で民主党候補として出馬したが、落選。