18日(火)14:45より、θ館にて、コピーライター、エッセイスト、ゲーム作家など多才な顔を持つ糸井重里氏によるゲストレクチャーが行われた。聴講者も多数出席し、教室内はほぼ満員。「SFCには用もないのに4回も来ている」と笑う糸井氏と小檜山賢二環境情報学部教授との、ゆるやかなやり取りに熱心に耳を傾けていた。


 ステージ中央に置かれた椅子に座るやいなや、糸井氏は「景気を反映しているのかもしれないですけど、おしゃれじゃなくなってますね(笑)」と学生たちの苦笑を誘った。自身が編集長を務める長寿WEBサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を紹介し、「6年間も続けていると、声を大にして言うようなことがなくなってくる」と弁解したうえで、「相手を出し抜くことのつまらなさ」や、「ナイスな無駄によって生み出されるクリエイティブ」などについてやんわりと語った。
 続いて、授業WEBLOGに寄せられた質問に応えるかたちで、トークが展開された。ここでは、さまざまな活動を継続している糸井氏に対する「複数のことを継続するコツは?」との質問に「でも、やめることも一つのクリエイティブだと思うんです」と応え、観客を沸かせた。また「渾身の口説き文句」というお題には「教えたくない」と渋りつつも「自分より好きだ」という台詞を披露した。
 最後に会場からの質問が受け付けられた。「今の学生の価値観を書いた本」を出版した学生、糸井氏が手掛けたゲーム「MOTHER」の次作がいつ出るのかが気になる学生、「大人って何なんだろう」と素朴な疑問を投げかける学生などが手を挙げた。糸井氏は「映画「アポロ13」。これが、オトナなんだ!SFCで、上映会をしたら?」と最後まで観客を楽しませる提案をし、約1時間半にわたるレクチャーを締めくくった。