秋学期からデザイン言語の授業が大幅に改編され、デザイン言語2.0という授業に変更する予定である。今期はデザイン言語関連科目の開講が少なくなり、履修希望者の不安の声が聞こえていたが、これは秋学期のための準備期間であったと説明している。


 変更される理由、内容について脇田玲環境情報学部専任講師にお聞きした。
デザイン言語は何故改変されるのですか?
 デザイン言語とは、感覚と理論を学ぶスタンスであり、SFCの四つの知的技法のうちのひとつである。SFCにおいてどうあるべきか新たな方向性に向かうべきである。時代は変わり、ユビキタスがキーワードとなりインタラクションの時代になってきた。今まではパソコン上のデザインだったが、今後はリアルスペースとのインタラクションが主流になってくる。デザイン言語1でもインタラクションはあるが、デザイン言語2.0はそれに特化する。身体性、空間、メディア、この三つの柱に対して人間が実際にどう感じるかを考えていく必要がある。
 今までのデザイン言語で中心となっていたデザインの思考法を次のステップに進ませたい。デザインは要素とルールから来ていて、無限の表現があり、それをあぶり出すためのもの。思考法は思考法でいいが、モノを作っていくフェイズに進みたいと思う。言語でいうグラマーとプラクティスのようなもの。
 そして一番の特徴は、身体とか認知を捉えなおすということだ。
授業構成はどのようになるのですか?
 デザイン言語総合講座と、それをモノとして表現するワークショップからなる。身体性、空間、メディアを全てからませて学ぶようになる。格好良さだけではなく、体で感じられるようなモノを作れるようにしなければならない。デザイン言語という考え方は非常に面白いもので注目を浴びている。これでSFCから有名な人が出てくれればいいのだが、あと5年くらいは出ないのではないだろうか。
 デザイン言語総合講座では、実際にクリエイターとして第一線で活躍している方々に講演をしに来てもらう。そしてそこで学んだ事を実践するという意味で、ワークショップを開講する。
今後どのようになったらいいと思いますか?
 向こう3年くらいはこれでいけると思う。デザイン言語総合講座に暇な時間ができた4年生などが見に来て、自分の研究や活動に大きなヒントをもたらす事になる。さらに、まずはやってみて、デザイン言語2.0の本を出し、作られた作品を展示していきたい。卒業制作展というものがあるが、授業内で制作された作品を展示する展覧会があると面白い。
 何よりも、色彩とかは理論化されているが、インタラクションはまだされていない。それを学生がやるとインパクトが強くなる。これからのSFCは戦略とデザインがキーになるだろう。総合政策は戦略、環境情報はデザインが今後重要になってくるのではないだろうか?
 今年度の秋学期から始まるデザイン言語2.0。この改革に期待を寄せる学生はとても多いようだ。話を聞いてみて感じた事だが、その期待に十分応えてくれる内容となるだろう。デザイン言語総合講座には、今をときめく深澤直人氏、インタラクティブなFLASHアニメーションで世界的に有名な中村勇吾氏の他に、様々な方が講演に来る予定。特に面白そうだと思ったのは、懐石料理家の柳原一成氏。脇田先生いわく、「奥がとても深く、究極のインタラクションだ」との事。
 ここは一つ学生の立場から、デザイン言語2.0を盛り上げてみよう。

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