SFC生なら、誰もが耳にしたことがある噂と言えば、相鉄いずみ野線延伸計画。「いつの日か、湘南台からバスに乗る必要がなくなる」という話を聞いたことはないだろうか。


 実は、相鉄いずみ野線の延伸計画は既に動き出している。延伸は、終点を平塚駅とするルートと、寒川町とするルートが候補として検討されており、先に計画されたのは平塚方面のルートで、既に00年に第一種鉄道事業許可が下りている。平成12年度の時点では相模鉄道も「寒川町方面への延伸は輸送需要が見込めない」としていたが、最近では寒川町方面への延伸が有力になっている。
 昨年度には、黒川洸東工大名誉教授を委員長とする「いずみ野線延伸研究会」が設立され、国土交通省関東地方整備局や運輸局、藤沢市、茅ヶ崎市、寒川町、神奈川県、相模鉄道の担当者が集まり、ルートや構造の選定を行っている。
 寒川町方面への延伸には、ツインシティと呼ばれる大規模開発事業が密接に関わっている。ツインシティ整備計画とは、寒川町倉見地区と相模川対岸の平塚側地区の都市整備計画で、その最大の目玉は東海道新幹線新駅設置だ。計画では、倉見地区に新駅を設置した後、相模川をはさむ両地区を結ぶ新たな道路橋で結ぶことになっている。これらの環境影響計画(アセス)は今年度から始まっている。
 そして、このツインシティへのアクセスとして想定されているルートの中で、最も採算性が高いとされ計画されているのが、いずみ野線の寒川町方面への延伸なのである。ちなみに、この新幹線の新駅はSFCから西へ3km程の位置になる。
 さて、気になるのはルートや事業形態だが、ルートは検討段階で決まっていない。しかし、湘南台駅から西へ進むルートであることや、用地確保の事情などを考えれば、SFCの北側を通るのはほぼ間違いないだろう。また、構造としては、一般的な鉄道の他に、LRTと呼ばれる次世代路面電車を組み合わせる方法も検討されている。新たな用地確保の必要が少ないLRTは有力な選択肢なのだ。
 現在では、事業整備の目標すら立っていない段階ではあるが、将来的に開通する可能性は高いと見られる。ツインライナーで大きく形を変えた湘南台からSFCへのアクセスだが、いずみ野線の延伸によってさらに便利になるだろう。
 さらに、相鉄には西谷駅付近から短絡線を建設し、JR横須賀線、湘南新宿ラインへの乗り入れを5年後を目途に計画している。近い将来、SFCから新宿まで乗り換えなしで行けたり、新幹線の駅まで数分で行けたり、なんてことになるのかも知れない。