K2-新川崎タウンキャンパスについて
前回は高性能電気自動車Eliicaを東京モーターショーに出展することをお伝えしましたが、今回はそのEliicaを開発している電気自動車研究室が活動しているK2(新川崎タウンキャンパス、通称『ケーツー』)についてお伝えします。
あまり知られていませんが、電気自動車研究室は環境情報学部所属の研究室でありながら、普段の活動はSFCだけで行っているわけではありません。SFCでEliicaを見かけない理由もそれで、SFCから遠く離れた川崎市にあるK2で活動を行なっているからです。K2とは、慶應義塾大学(Keio)と川崎市(Kawasaki)が協力し、2乗の効果を生み出そうという思いと、その広場の意味を表現して名前がつけられています。川崎市との連携・協力により先端的な産官学共同研究を担う施設として2000年春に開設されました。慶應大学のキャンパスですが、産官学共同研究施設なので講義は全く行なわれておらず、研究施設だけがそろったキャンパスです。現在13のプロジェクトがK2で行なわれており、SFCからは電気自動車研究室の他に、WIDEプロジェクトが研究施設を構えています。
K2の最寄り駅は、JR横須賀線の新川崎駅で、そこから徒歩10分です。矢上キャンパスからは自転車で10分ほどで来れるため、K2の大半を占める矢上キャンパスの学生にとっては便利な立地です。しかし、SFCの学生にとっては非常に不便な立地です。車なら有料道路経由で1時間(ラッシュ時は1時間半)、電車ならSFCから湘南台までバスで行き、電車を乗り継いで1時間半。大学の最寄りに住もうと思い、湘南台に住んでいる学生にとっては、大学入学時に全く予想していなかった移動を強いられています。なんでこんなSFCから遠いところに・・・と思いながら今日も通っています。では、なぜそんなSFCから離れたところに電気自動車研究室は拠点を置いているのかというと、「車」という大きなものを開発しているため、大きな場所が必要だからです。PCと机さえあれば、というわけにはいきません。
研究棟の1階はガレージとなっており、2階はオフィスになっています。1階のガレージには電池、モータの実験設備のほか、車を整備する設備、金属を溶接したり、穴を空けたり削ったりする機械などが並んでいます。夏休みはこのガレージで学生のものづくり合宿が行なわれています。さらに2階オフィスの特徴として、Eliicaプロジェクトは産学協同プロジェクトのため、協賛企業の方々など、学生以外のスタッフが多くいらっしゃいます。昼間に2階のオフィスにいると、大人たちが10人ほどに働いていて会社のような感じがし、SFCの他の研究室にはない空気が流れています。
モーターショーの準備も、先生との打ち合わせが必要であったり、作業環境が整っているという理由から、主にK2で行なわれています。追い込みの時期に入ってきて、移動時間がもったいないという理由でK2残留をする学生が急増中です。
K2にはこのように残留をする学生や研究者、外来のお客様のための宿泊施設があります。部屋のサイズは色々ありますが、大体の部屋には宿泊するための十分な設備が整っていて、ビジネスホテルと大体同じくらいといったところです。しかもそれでいて料金はビジネスホテルに比べ格安! 学生の財布に大変優しい所でもあるのです。
1階のガレージでEliicaを前にイメージを膨らませたりしながら、モーターショーの準備は着々と進んでいます。