先日報じた環境情報学部の英語学部名変更について、SFC CLIPでは新たに冨田勝環境情報学部長への取材を行った。現状を正確に表現した学部名へ、そのような狙いが見えてきた。


 環境情報学部の英語名は、今年4月に従来の「Faculty of Environmental Information」から「Faculty of Environment and Information Studies」へと変更になる。従来の名称に対しては「『環境』が『情報』にかかる形容詞となっているため、情報学部の印象が強く、現在の環境情報学部を正確に反映していない、と多くの人が考えています」と冨田学部長はコメントした。開設当初に比べ「Environmental」なテーマを扱う授業や研究が増えたことが背景にあるそうだ。
 今回の英語学部名変更の議論は、1年程前に冨田学部長自身から始まった。「Science」「Design」「Media」といった日本語名称にない単語を使うのは避けたため、「Environment」という単語の活用などに変更の選択肢は限られ、他の候補には「Faculty of Environmental and Information Studies」があったという。
 一方で読者から、「“私たちが生活をしているときの身の回りにある(=環境)”に関する“情報”を扱うのが『環境情報学』である」という理念が開設当初はあったのではないか、という意見も寄せられた。確かに「Faculty of Environment and Information Studies」は「環境」「情報」という2つの内容に分かれる印象を受ける。
 だが、現在の「Faculty of Environmental Information」もその理念を反映する名前とは言えず、andを間に挟んだことで双方を融合する意味が強くなったという見方もできる。日本語に比べ、活用語尾の変化次第で英語の名称は様々な印象を与えている。
 SFC開設に際して、新学部検討委員会設立準備委員を務めた関口一郎元総合策部教授による『慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス 開設史』の中では、「総合政策、環境情報という入れ物を先に作って、そこに中身を入れたのではなく、中身を体型的に組み立てていった結果、それにつけられた名称が総合政策、環境情報なのである。」とも述べられている。同様に、環境情報学部の中身が変化した結果、新たな名称が必要になったと言えるだろう。だが、現在のSFCを限られた単語だけで正確に表現するのは困難を極めたようだ。