6日(木)2限、Ω21「予算編成論」(加藤秀樹総合政策学部特別招聘教授担当)にて、参議院議員で元長野県知事の田中康夫氏がゲスト講演を行った。履修者以外の聴講も許されており、会場はほぼ満席となる盛況ぶりだった。


 田中氏は、主に長野県知事時代の改革事例を語り、他にも築地市場移転問題や薬害肝炎問題など様々な問題について語った。国から地方へという垂直思考の構造を問題視し、それぞれが役割を分担しあう水平補完型への転換が求められているという考えを示した。
 また、社会全体を通して従来の発想や仕組みを変える必要があるとした上で、「これからは大きい政府か小さい政府かの議論ではなく、効率的かつ弱肉強食ではない社会をどう創るか議論が必要だ」との考えを示した。さらに、自身の長野県知事時代の政策を紹介し、財政構造の改善と地域雇用の重要性について語った。
【田中康夫氏・略歴】
1956年東京都出身。幼少期から高校卒業までを長野県で過ごす。一橋大学在学中に執筆した『なんとなく、クリスタル』で昭和55年度文藝賞を受賞。 2000年長野県知事に就任、2002年には県議会の不信任決議を受けるも、同年選挙により再任される。2005年「新党日本」を立ち上げ代表となる。 2006年再び知事選挙に立候補するも、落選。2007年参議院議員選挙に新党日本から比例区で立候補し、初当選を果たす。