サイラス・ロルビン元訪問講師の大麻所持や、日吉キャンパス内での大麻授受による学生2名の逮捕。こうした事態を受けて27日(木)、「認知科学」(石崎俊環境情報学部教授担当)の中で安西祐一郎塾長が大麻に関する講演を行った。


 義塾では04年以降、5人の学生及び大学院生が逮捕されている。こうした一連の事件の反省を塾生に促し、多種多様な学生の集う義塾において、いかに学生生活を送るかについての講義となった。塾長はまず、大麻所持は違法行為であり、即ち独立自尊の精神に反する行為であることを強調した。
 そして創立150年を受け義塾がオープンかつグローバルな大学を目指していることを述べ、その半面として法や文化が異なる国から大麻のような「悪」が入り込む「隙」が生まれてきていると語った。SFCは「オープンかつグローバル」という理想に最も近いキャンパスであり、悪事に対しては隙を見せず毅然とした立ち振る舞いをして、他キャンパスの模範になってほしいと学生に訴えた。
 これまでも塾内で大麻に関する事件はあったのにも関わらず、このような講演が行われなかった理由は、大学生の自主性を重んじてとのこと。今回の講演の背景には、大麻に接しやすい社会状況を受け、学生との対話の機会を設け、塾内全体の問題として確認する狙いがあったが、時間の制約などで学生からの質問は数件にとどまり、実際には対話の形式にはならなかった。
 残念ながら告知期間が短く、GCによる配信のない一般の授業内だったため、多くの学生にとって触れることも難しい小規模な講演となった。