6月29日(火)、θ館にてトークイベント「Creative Life Design Talks」が開催された。今回対談したのは、四角大輔氏と本田直之氏。SFCの学生・教職員なら誰でも自由に参加することができた。


 6月29日(火)、θ館にてトークイベント「Creative Life Design Talks」が開催された。今回対談したのは、ワーナーミュージック時代に歌手の絢香・Superflyなどをプロデュースし、上智大学で非常勤講師を勤める四角大輔氏と、ビジネス書売り上げ150万部達成「レバレッジ」シリーズの著者でレバレッジコンサルティング株式会社代表取締役、本田直之氏。ラインナップは自由なテーマでのゲスト対談、学生を交えたトークセッション、ワークショップなどと盛りだくさんで、参加方法も事前の申し込みは不要。SFCの学生・教職員は誰でも自由に参加出来た。

執筆業について

本田:ツボが分かったら本を書くのは意外と簡単ですね。でもやっぱり自分で本を出すというのは夢のような感じで。やり方としては、他人と話すことで自分が普通だと思っていたことが、人にとっては新鮮だと分かることがあるので、それをまとめると面白い本が書けますよ。
四角:私は人との出会いで、ここまで来ることが出来ました。昔は人から離れるために自然に興味を寄せていたのに、不思議ですね。最近は自分の本を読んで、自分に会いたいと思って来てくれる人が多くなりました。皆さんには、とにかく自分をアウトプットすることをして欲しいです。今はtwitterやブログなどもある時代なので、是非。
本田:ちなみに私は元々、大きい組織を自分で作って、自分だけで出来るビジネスをしたかったんです。お金だとか、人間関係、時間など、とにかく制約というものを受けたくなかったので。そんな時にアメリカのビジネススクールに通っていたこともあり、「個人の影響力や、ブランドが重要なのでは?」という考えに至りました。昔は読書感想文のせいで書くことが嫌いだったのですが、今は本を出したりしています。本を書くのに国語の能力が必ず必要というわけではないんです。最近はみんな時間がないので、私は『立ち読みできるビジネス本』を目指していました。難しい本よりも、さらっと読んで何か一つか二つを得られた方が良いじゃないですか。

学生に

本田:学生の時は、他人の常識や考えに振り回されないで、自分の直感や考えに突き進んで下さい。私は就職活動の時にどうしても大企業を好きになれなかったのですが、流れで自分も受けたんです。でもことごとく落ちた。景気も良くて、「他の人は受かったのに…」と他人と違うことに凄く不安を覚えました。でも今は感謝しています。大学生活はこういうもの、と勝手に思い込んでいることに気付いてほしいです。
四角:学生は、ライフスタイルが最優先。時間の使い方が人生を決めますよ。
本田:何でもかんでも得ようとしては駄目で、捨てなければならないこともあります。
四角:やっぱり自分にとって必要なものと必要でないものをしっかり分けるのが大切ですよね。
本田:線引きは必要だね。私の場合、お金が欲しいわけではなく、地位が欲しいわけでもなく、ライフスタイルを追い求めていました。
四角:余計なものを捨てて、身軽になることで、どこにでも行くことが出来るようになります。
本田:そういった意味でも、自分たちがガラパゴス化しないように外との交流が不可欠で、かつ周りに流され過ぎないべきだと思います。

学生への質問

本田:「今、悩んでいることありますか?」
学生時代は無理に絞る必要はなくて、自分は本当に何がしたいかを見つけるのが学生時代だと思います。例えば海外に出ることのメリットは、いろいろな思考を知る、ということ。どれが良い、悪いではなく、知っておくことが重要。だから学生時代はとりあえず外に出て欲しいと思います。
四角:「何の制約もない時、今一番やりたいことは何ですか?」
学生時代には『やりたいことリスト』を作るべき。先ずはやりたいことを100個挙げてみる。大抵 20、30個はすぐに出てくるのですが、後が続かない。そこを絞り出すことで、小さい時に忘れていたやりたいことが再認識出来るんです。そして作れたら、やりたいことを一個一個潰してほしいです。やりたいことリストの利点は、自分が見えてきたり、自分の方向性が分かってきたりすることです。

学生とのトークセッション

Q.どういう風にして周りの人から協力を得ているのですか?
四角:人間は一人では何もできないんです。これは悪いことではなくて、逆に弱みを見せるようにする。そうすると他人は自然に手を差し伸べてくれます。自分の限界を知って、それを相手に伝えることが肝心ですね。
本田:自分が進みたい方向性を明確に他人に示しています。他人に自分を知ってもらわないことには、向こうも誰を紹介したらいいのかわからないですよね。相手に頼み込むのではなくて自然に相手に紹介してもらえるのが良いですね。
Q. 自分というものが、ぶれてしまった時にどう立ち直ったら良いのでしょうか?
四角:人間である以上誰もが経験することだと思います。テレビで堂々としている人でも、本当に自信がある人はいないんですよ。人間には波がありますからね。
本田:早寝した方が良いですね。人間の脳は、夜遅いほどネガティブになる傾向にあるんです。でも、自信がないことは良いことで、それがこれからの成長の先駆けになるんです。
Q. 今年の目標はなんですか?
四角:ズバリ『シンプル&ミニマム』です。ものを減らしてもっと身軽になろうと思います。
本田:私は『リセット』ですね。もっと身軽になったり、得意ではないことをやってみたり。新しい生き方をしてみよう、と。
Q.どうやって自分の中からネタを出していくのですか?
本田:自分が気づかないところで出していることが多くて、他人と話していく中で見つけてもらうことが多いです。
四角:私は本を出した後に出し切った感がありました。でも、ネタは自然と出てくるものなので、売れるだろうとにらんでいくのではなく、自然なものを待っています。タイミングも大事ですね。
Q.自分にとって一番大切な問いは何ですか?
四角:『わくわくするかどうか』子供の時はそれを追い求めていたのに、大人になるにつれて周りに合わせるようになってしまいました。
本田:『今やろうとしていることが誰かのためになっているのか』ということです。この問いによって他の視点を得られたりするんです。