SFCの無線LANには、一般的に使われているCNS・CNS2に加え、無認証のものがあることをご存知だろうか? 存在はするものの、WEBサイトやCNSガイドでも解説されていない無線LAN。SFC CLIP編集部はこの謎のネットワークについて湘南藤沢ITCに取材を試みた。


 今回、取材を受けてくださったのは湘南藤沢ITCの寺岡丈博さんと山方崇さん。

—-知り合いから無認証のネットワークが使えるという話を聞いて、実際に使えてしまったのですが、このネットワークはなぜ存在しているのでしょうか?

実はこの無線LANはもともと、SFCで自由に使えるネットワークでした。当時はそのための技術もあまり充実しておらず、利用者も少なかったため、あまりセキュリティの必要性はありませんでした。その当時使っていた自由に利用可能な無線LANが現在まで残っているわけです。

—-そもそもこの無認証のネットワークはどのような存在なのでしょうか?

今ではかなり普及してきたと言えるCNSですが、そもそもできたのは4年前なのです。去年か一昨年までは無認証のネットワークの存在も公式にアナウンスされていたのですが、現在は行なっておりません。現在は利用を推奨していない無線LANですが、今の4年生にとってはオープンな存在だったのです。だから、その存在を知っている4年生は多いでしょうし、それが1年生にも伝わってしまうのはある程度は仕方がないと考えています。

—-無認証のネットワークを使っていて何か支障はあるのでしょうか?

このネットワークの存在を知っていたら誰でも使えてしまいます。ただ、現在は使用する前にネットワーク名を登録しないければならないので、ネットワーク名を知らなければ使えません。さらに、様々な制限がかかっていて、現在ではWEBページ閲覧やメールの送受信程度のことしかできなくなっています。

—-1年生ははじめにガイダンスを受けてCNSネットワークのつなぎ方を学んだのですが実はつなぎ方がわかっていない学生も多いと思います。

CNSのネットワークは証明書を取らなければいけないので、大学生になって初めてPCを使い始めたような学生にとっては敷居が高いと思います。
 ITCでもCNSのネットワークをもっと簡単につなげるようにするための方法を現在模索しています。また、こういった記事でCNSの存在を認知させて、CNSのネットワークに繋げられる人が増えて欲しいと思います。

—-あまり公ではないネットワークなのですが、なぜ現在も使えるのでしょうか?

公式にはCNSとCNS2の二種類のネットワークがあります。しかしこの2つに繋げることが出来ないときのためと、無認証のネットワークを利用してきた人が今後CNSへ移行してゆくときの準備期間のために、この無認証のネットワークが必要だと考えています。

—-このネットワークがなくなる可能性はあるのでしょうか?

まだ廃止するかどうかの詳細については未定ですが、ITCとしては今後縮小していく方向で考えています。名称を変更して存続してゆく可能性もないとは言い切れず、具体的にどのような形で残るかは分かりませんが、縮小していくことは間違いないでしょう。今利用しているユーザーのことを考えると簡単には廃止できないので、CNSに繋げていない学生の数など考慮にいれて今後利用者協議会で検討していきます。

—-無認証のネットワークを利用する上での危険性とはどのようなものでしょうか?

通信が暗号化されていないので、外部から通信を覗かれるおそれがあります。CNSのネットワークなら暗号化されているので、安全性の面で信頼することが出来ます。
 今回、無認証のネットワークは制限が加わっていることに加え、自分の通信が見えてしまう恐れがあることがわかった。無認証のネットワークは、確かにパスワードがかかっていないため簡単に接続が可能で便利だ。しかしこのネットワークはCNSへ移行していくための特別なものなので、これをメインのネットワークとして使用することは好ましくないと言えるだろう。
 現在CNSのネットワークを利用できていない学生はなるべく早く、CNSの認証を通してキャンパスでの快適なネットライフを満喫しよう。