今年も、1年生必修授業「総合政策学の創造」にて、政策コーカスが行われている。投票日を30日(土)に控えた今、直前インタビューを立候補者4人に行った。今年のテーマは「SFCの英語化」だ。

吉田明史さん(総1)「SFCにはSFCらしい英語化を」

インタビューYOSHIDA

「まず英語化という漠然とした考えを具体化するところから始めた」と吉田さんは語る。英語化した後に、それをどこまで強制すべきか、グループで悩んだ末に、「英語はツールであり、道具なら人それぞれ使い方は違う。よって強制はすべきではない」という見解にたどり着いた。そして多様な人間が溢れるSFCという特殊な場所だからこそ、「SFCに合った、SFCのための、多様なニーズに叶った英語化」を目指すことにした。目指すのは、目的を持って学習する英語だ。何に使いたいのか、何のために修得したいのかを明確にした英語学習を、柔軟にサポートしていける体勢を築いていくのが理想だ。

傍田捷子さん(総1)「全てのSFC生にプラスになる英語化を」

インタビューSOBATA

傍田さんは「限定的な英語化」を進める方針を打ち出した。「中国やインドが台頭する国際社会だが、まだ日本にも活躍する余地はある」というのが傍田グループの見解だ。傍田さんは自身の海外生活の中で「内容のある英語の大切さ」を学んだことと、英語を公用語として採用した國領教授の研究会を取材した経験から、「英語を英語のまま理解できる教育環境」の提供を提案する。具体的には英語ができる生徒が、英語を学びたい生徒を支援するための習システムの導入、そして英語を公用語とした英語寮の設置などがその具体策だ。そういった環境の中で実践的な英語を身につけ、異文化を理解し、広い視野を獲得できるようにする。

李楚蕾さん(総1) 「SFCの名を世界に響かせよう」

インタビューRI

中国人である李さんは「グローバル社会の中で活躍するためには確固たるアイデンティティの確立が必要である」と語る。そして「アイデンティティの確立には海外文化をより深く理解する必要があり、不自由のないコミュニケーションには英語の習得が必要である」と主張。具体的には海外の学生との積極的な交流を推進する。現在SFCにいる留学生は生徒全体の4%だけであり、それをもっと増やせば、実践的な英会話の場が増えるとした。また、世界中にSFCから留学生を送り出すことで世界との交流が増えると考えている。「慶應伝統の半学半教の精神で、独立自尊のできる人間を育てること」が目標だ。

永野誠斗さん(環1)「英語を武器に世界にアクセス」

インタビューNAGANO

「英語の公用語化に伴う英語履修の必修化は絶対に必要」と言い切るのは環境情報学部から参加している永野さんだ。「英語とは、可能性を広げる武器である」とし、自身のインターナショナルスクールの経験から英語履修の必要性を主張。「英語ができれば、自己表現の幅が広がり、自分の世界観を広げ、多くの可能性を生み出すことができる」と永野さんは語る。そのために、聞く、読む、書く、話すの4つの要素を徹底的に鍛え上げるカリキュラムを提案した。中には卒業までにTOEFL-iBT100点を必要とするような厳しい条件もあった。「これがSFC全体のレベルアップに繋がれば」というのが彼の願いだ。

入來智美さん(総1)「英語化の強制はしない」

インタビュー2

「英語化には賛成ですが、押し付けることはしません」と語るのは、講義中の発表でも黄色いシャツと、迫力ある演出で注目を集めた入來さんだ。その考えは「SFCは自由なキャンパスなので、1人1人の気持ちを尊重したい」という思いに立脚している。問題発見、問題解決を軸としたSFCにおいては、押しつけよりも、自主性を尊重した「サポートできる体勢を整えること」の方が効率的だと考えた。具体的にはGIGAプログラムをレベル別に2つに分けたり、GIGAのシラバス表記をよりわかりやすくすることにより、英語に尻込みする学生を後押しする体勢を作っていくとした。また、英語を教えたい生徒と習いたい生徒をマッチングするシステムを構築。加えて春学期に英語を言語単位として履修できない問題の改善も図る。
 各グループの政策は、既に総合政策学部で26日(火)、環境情報学部で28日(木)に行われた政策説明会において発表された。なお、最終投票日は明日30日に予定されているが、1年生以外も参加可能だ。ウェブからも投票可能なので、興味のある政策を立案した候補者がいれば、積極的に投票してほしい。