SFC CLIP編集部が、履修者や競技担当の先生と直にふれ合いながら、シラバスだけでは分からない体育2・3のリアルな授業の様子を調査する、CLIP流体育シラバス。第7弾は、金曜4限に開講されている、木塚孝幸総合政策学部非常勤講師(以下、木塚講師)の「バスケットボール」を調査した。

多様な戦術を学ぶ

 調査した29日の授業では、約30名が履修しており、聴講も可能だ。その場合、授業が始まる前に木塚講師へ1度申し出る必要があるとのこと。
 はじめに、2人組に別れストレッチを行う。ストレッチの後は、ドリブルの練習だ。
 体育館の端に横一列に並び、先生の指導のもと、練習が始まる。ドリブルは、バスケットボールにおいて基礎中の基礎の動きだ。初心者でも、SAが最初にお手本を見せてくれるので、わかりやすい。

(無題)お手本をみせるSA


 数種類のドリブル練習が終わったら、お待ちかねのシュート練習だ。はじめは、最も入りやすいゴール下でのシュート練習からはじまる。徐々にゴールから離れていき、なかなかシュートが入りにくくなっていく。

(無題)シュート練習


 フリースローラインからのシュートがもっとも離れた距離からのシュートだ。遠すぎて打てないという初心者は近づいて打つこともできる。さらに練習は発展し、先ほど練習したドリブルを交えたシュート練習も行っていく。最後は、ドリブルにフェイントを交えシュートをしていく高度な練習も行った。

 ドリブルとシュートが終わった後は、チーム練習だ。3人1組に別れてスリーメンとよばれるファーストブレイクの練習を行う。ファーストブレイクとは、相手オフェンスが攻めたあと、相手がディフェンスの体制をしく前に、素早くオフェンスを展開しカウンター攻撃をしかけることだ。

(無題)スリーメンの練習

 スリーメンは、先ほど練習したドリブルとシュートにパスが加わり、複雑な動きが必要となる。初心者も経験者も入り交じって汗を流した。


白熱する試合の開始

(無題)試合の様子


 基礎練習が終わったあとは、チームを組み試合を行った。当日の履修者の人数によってチームの数は変わるが、今回は6チームができた。初心者どうし、経験者どうしで試合を行うわけではなく、両者が混じり合って試合を行っていく。
 どの試合も白熱し、ほとんどの試合が僅差で勝ち負けがついた。経験者からのパスに初心者が反応してシュートを決めたり、巧みな個人技で自ら得点をとりにいく選手もいた。女子も得点を決めるなど、みんながバスケットボールを楽しんでいた。


初心者と経験者どちらも楽しくやる

 授業終了後、木塚講師にお話を伺った。

(無題)指導する木塚講師


 「初心者、経験者、男子、女子を問わず誰でも履修できる授業を心がけています。経験者ばかりで初心者が入りにくい授業や、初心者ばかりで経験者がつまらなくなる授業にはしたくないです。初心者は毎回の授業を一生懸命やっているので嬉しいです」
 「経験者は、『勉強』しつつ行って欲しいです。ここでの『勉強』とは、周りの初心者やメンバーのことを考えながらプレーをするということです。もちろん楽しみながら。履修する人には、どの週もバスケットボールをプレイして楽しいと思えるような選手になってほしいです。毎回出ている初心者はうまくなっていっていますね」

 木塚講師は日吉でもバスケットボールを指導している。バスケットボールを通してみる日吉とSFCの違いを尋ねてみた。

 「SFC生は、とてもフレンドリーですね。グループワークなどがあるせいかもしれません。このフレンドリーさが授業に出て、楽しい雰囲気で授業を行うことができるときもあります」と語った。

(無題)集合写真


 先生が言う通り、初心者や経験者だから、という偏りがない授業だった。バスケットボールは初めてという人や、久しぶりにバスケットボールで汗を流したいという人にもおすすめの授業だ。