ハモネプ出場! K.O.E. 所属「じゅぴたー。」の6人にインタビュー!
昨年2月にはSFC生によるユニット「ギンモクセイ」も出演したフジテレビ系列番組「全国ハモネプリーグ(以下、ハモネプ)」。5月27日の放送回では、アカペラシンガーズK.O.E.(以下、K.O.E.)から、「ハモネプのために結成された」という「じゅぴたー。」が出場し、「chu!」と可愛らしいフレーズが印象的な「可愛くてごめん/HoneyWorks」を披露した。
今回は「じゅぴたー。」のリードボーカルで国立音楽大学とのダブルスクールもしている吾妻真優さん(環2)、コーラスの井上絵里加さん(政・メ1)、柴田爽水さん(政・メ2)、中村友哉さん(政・メ2)、ベースの木村温斗さん(総4)、ボイスパーカッションの矢吹宙大さん(環2)の6人に喜びの声を聞いた。
ハモネプの反響は幼稚園の先生まで!
—— 「ハモネプ」に出場してみて、いかがでしたか?
ふくさん(中村友哉さん)
緊張しましたが、テレビにも放送されていた、バンドマスターの彼(木村温斗さん)が点数発表後に裏で号泣していたところを見て「ハモネプらしさ」を感じました。いつもテレビの中の「ハモネプ」でよく見るシーンでしたね(笑)。一番の思いを持っている、彼の涙は印象的でした。
—— そんな、今回のチームを結成した木村さんはいかがでしたか?
あつとさん(木村温斗さん)
放送でやっと実感が湧いたくらいで、当日は全然実感がなく、緊張したかもわからないくらい頭が真っ白でした。当日はK.O.E.の仲良い子たちが、ハモネプのステージを実際に観客として見に来てくれたのですが「いつもと違う気持ち悪い笑顔のまま、ステージ上で固まってたよ」と言われたほどです(笑)。「全然動かなかった」とも言われて初めて、緊張していたのかなと感じています。それでも、アカペラを始めてから憧れだった場所に立てたことは、やはり嬉しかったです。
さわさん(柴田爽水さん)
ただ、2曲用意した分、予選敗退となり決勝に向けて練習してきた曲が歌えなかったことは悔しかったです。
ふくさん(中村友哉さん)
用意していたもう1曲である「ラムのラブソング」も、事前番組の方に少し流れたので、よかったです。
—— 出場の反響はありましたか?
あづまゆさん(吾妻真優さん)
本当にみんなが見てくれたり、ストーリーでメンションしてくれたり。「可愛かったよ〜」という言葉は嬉しかったです。
ライトさん(矢吹宙大さん)
僕の幼稚園の先生へ連絡が届いたくらい、ママ友の口コミ効果は凄かったです(笑)。
笑顔を見せるボイスパーカッション担当のライトさん(矢吹宙大さん)
えりかさん(井上絵里加さん)
YouTubeの映像や音源の編集も全員K.O.E.のメンバーが担当してくれました。撮影などはSFC生が利用できる撮影、音響スタジオを使用しています!
さわさん(柴田爽水さん)
YouTubeも全部「K.O.E.産」でできていることは、自慢ですね。
—— そもそもの結成理由は「ハモネプに出たかったから」と話していましたが、きっかけはありますか?
あつとさん(木村温斗さん)
ギンモクセイという昨年K.O.E.から出場した先輩たちを見たことがきっかけです。アカペラを始めてからハモネプは「憧れの場所」と、元々思い入れを持っていたのですが、もっと遠い存在だと勝手に思い込んでいました。去年、実際にK.O.E.から出場していった先輩たちを見て「ハモネプが現実的な選択肢としてあるんだ」と、出場したい思いが強くなりました。
前回も応募しようと思っていたのですが、メンバーを集められませんでした。今回、改めてふくさん(中村友哉さん)と2人で「ハモネプに出たいね」と話し、最終的には院生のおふたりにも頼って、エントリーできました。
—— あつとさん(木村温斗さん)から声をかけられた時は皆さんどう反応されましたか?
ライトさん(矢吹宙大さん)
1年K.O.E.で活動した中で、これからは音響や裏方のライブを作る方にシフトしようと思っていたタイミングで誘われて、「あつとさん(木村温斗さん)だから一緒にやりたい!」と思いました。
あづまゆさん(吾妻真優さん)
私は本当に出場できると思っていなかったので「あ、いいですよ〜」と気軽に参加しました。たまたまスケジュールもあったので「出すだけ出してみよう」というテンションで参加したら、気がついたら大事になってましたね(笑)。
ライトさん(矢吹宙大さん)
「ハモネプ出場決定」を聞いた時には、みんな一瞬固まるくらい、信じられなかったですね。
さわさん(柴田爽水さん)
学部生でK.O.E.を卒業してからはアカペラからも離れていたので、アカペラを久しぶりにやりたかったことやK.O.E.への恩を考えて「やります!」と言ってからも、研究との兼ね合いの不安もありました。でも、今振り返ると「やってよかった」と思います。
ミュージカルと2大学の両立「食べる暇がないくらいの忙しさ」
—— 結成してまだ3ヶ月、とのことでしたが……!
ふくさん(中村友哉さん)
テレビの収録まで結成してから丸3ヶ月でした。最初の応募動画を出すまでが2週間だったので、出演できたことは確かに結構ラッキーかもしれません。でも、3ヶ月のスパンで考えると、人間の筋肉は3ヶ月で生まれ変わるので、筋肉的にはちょうどいい成長期だったかなと思っていますね。
ライトさん(矢吹宙大さん)
本当にこのキャラの良さをもっとテレビに出したかったです(笑)。
ふくさん(中村友哉さん)
この曲にすると決まってすぐに、あづまゆ(吾妻真優さん)がどの声の種類でいくか、と録音を4パターン送ってくれたのも印象的でした。
—— あづまゆさん(吾妻真優さん)はハモネプと同じタイミングに、ミュージカル出演の練習をされていたんですね!?
あづまゆさん(吾妻真優さん)
4月は、本当に食べる暇がないくらい忙しく過ごしていました。1週間で1kgが余裕で落ちていくくらい、すごく痩せてしまうスケジュールでしたね。1番忙しかった日は、朝8時-11時でハモネプの練習をして、12:30-17:30までミュージカルの稽古をして帰って、バイトに行って22:00からミーティングしていた日もありました。
ふくさん(中村友哉さん)
当時ミュージカルで練習していることが曲にも活かされていたので、自分のものにしている感じがあって、結果的にいろんな意味で良くなっていったのは彼女の凄さですね。
—— ハモネプに向けてどれくらい練習されましたか?
ライトさん(矢吹宙大さん)
まず、あづまゆ(吾妻真優さん)の行ける日程を基準に、メンバー全員のスケジュールを調整して組みました。
あづまゆさん(吾妻真優さん)
本当に皆さんに助けられていました……!
ダブルスクールに加え、ミュージカルの練習もあったというあづまゆさん(吾妻真優さん)
さわさん(柴田爽水さん)
でも、「朝8時に新宿でないと練習できない!」と聞いた時には本当にその時間に練習するとは思っていなかったな……。
踊りは主旋律に合わせたからこそ「音と違う動きの難しさ」
—— 番組では土屋礼央さんにも「相当難しいことをやってる」と褒められてましたが、どんなところが難しいところでしたか?
あづまゆさん(吾妻真優さん)
みんな器用にそつなくこなしていましたが「踊りながら歌うこと」は本当に難しかったです。しかも、今回は「フォーメーション移動」もありました。位置を確認するために下を向きやすい移動でも、全員が前を向いたままリズムを狂わせずに歌っていたことはメンバーながら凄かったです。
—— どんな経緯で踊りながら歌うことになったのですか?
あつとさん(木村温斗さん)
ダンス経験者が多いというグループの強みを活かして他のグループと差別化したいと考えました。最初はリードボーカルとコーラスの4人だけに踊ってもらう予定でしたが、あづまゆ(吾妻真優さん)が「みんなでやりましょうよ」と提案してくれて、結果的には僕も踊ることになりました(笑)。
えりかさん(井上絵里加さん)
主旋律のメロディーに合わせた踊りなので、実はコーラスの方が大変で(笑)。自分のハモるパートではメロディーと違うタイミングにも「chu!」という声をハモっているのですが、振り付けはリードのあづまゆ(吾妻真優さん)と合わせて行っています。何回か繰り返して慣れることができましたが、難しい部分だと思います。
あつとさん(木村温斗さん)
実は僕もその部分では片手で「ドゥンドゥン」と違うリズムを言いながら「chu!」とポーズを行っています。さらに、普段は右で持っているマイクを振り付け的に右手でポーズを取るために直前でマイクを持ち替えて、みんなと同じ振り付けをやっていました。
「今回だからこそ歳の離れた後輩と一緒にできた」後輩に向けて
—— これから挑戦していきたいことはありますか?
ライトさん(矢吹宙大さん)
今年は皆さんに直接お会いできるライブを開催したいと思っています。
あつとさん(木村温斗さん)
先日、ハモネプを見た病院の方から「歌ってくれないか」という連絡をいただきました。忙しいメンバーではありますが、声をかけてくださった方に対しては、できる限り演奏していきたいと思っています。
ライトさん(矢吹宙大さん)
ぜひTwitterのDMまでご連絡ください(笑)。
えりかさん(井上絵里加さん)
私は後輩たちがもっとハモネプや他の大会にも出てくれたら嬉しいです。内外問わずライブもコンサートも、積極的にやっていってほしいですね。
ライトさん(矢吹宙大さん)
他のサークルのライブを見ても、K.O.E.がまだまだ劣っている部分はあるからこそ、サークル内の競争率をあげて、アカペラのモチベーションや練習量を増やしていけるようなことをこれから考えていきたいです。
これからのK.O.E.について真剣に語ってくれたライトさん(矢吹宙大さん)
さわさん(柴田爽水さん)
今回のハモネプに向けてみんなで「時間があれば練習する」という経験が、私にとっては本当に「青春」でした。初日の練習で「初めまして」と出会ったメンバーや大学院2年生から学部2年生と、年齢の離れた後輩と一緒に何かをすることは、今回だからこそできたことです。
私は学部でK.O.E.を引退する前からコロナの影響でアカペラを3年くらいがっつりやれずにいました。そういう意味ではハモネプという機会があったことで、もう一回青春が味わえた気がします。ステージに立つこと自体が良い経験になるので、後輩には「興味があったら、ぜひ挑戦してみて」と伝えたいです。
笑顔で振り返るさわさん(柴田爽水さん)
ライトさん(矢吹宙大さん)
本当に最初は先輩たちが怖かったのですが、「ここのタイミングが違います、もう少し揃えたいです」と2年生2人でダメ出しできるような関係性になったのも良い思い出です。
あづまゆさん(吾妻真優さん)
素直で優しい皆さんだったので、それを嫌な顔せず答えてくれましたね。
ハモネプをきっかけに「生」で聴きに来てほしい
—— さわさん(柴田爽水さん)も後輩やSFC生に伝えたいことはありますか?
さわさん(柴田爽水さん)
私自身はあまり賞レースに興味はありませんが、ハモネプという大きな舞台に立って、たくさんのお客さんの中で歌うことの気持ちよさにアカペラの魅力を感じました。後輩にも舞台からの景色を経験してほしいですし、テレビでしかアカペラを聞いたことない人はぜひ、これをきっかけに"生"で聞いてほしいです。
えりかさん(井上絵里加さん)
目の前で歌っていると迫力や感動も全然違うと思います!!
—— 表情の見え方とかも違いますよね。
あつとさん(木村温斗さん)
憧れの舞台ではありますが、ハモネプとアカペラは「違う」とも感じています。後輩には「ハモネプを目指してほしい!」よりも楽しんでやってほしいという思いが強いです。「勝負するアカペラよりも、楽しむアカペラをやりたい」という意見もある中で、僕自身「楽しむアカペラ」も魅力的に思っています。
僕は以前、サッカーをやっていた時期に練習への義務感が強くなっていったことでサッカーが嫌いになりかけてしまった過去があります。だからこそ後輩たちに「上手い人でないとアカペラはできない」とは思ってほしくないです。今回はすごく楽しかったですが、ストイックになりすぎると面白くもなくなってしまうこともあるので、出ることが苦になることなく、楽しんでほしいです。
「楽しむアカペラ」もいいな、と話すあつとさん(木村温斗さん)
さわさん(柴田爽水さん)
うん。ハモネプに出るのも、アカペラ楽しむための手段だよ。私たち、ハモネプのために組んだバンドだけど(笑)。
ライトさん(矢吹宙大さん)
まずは楽しむことですよね! 本当に、濃い3ヶ月でした。
えりかさん(井上絵里加さん)
私たちも、本当に忙しい3ヶ月でもあったけど、振り返って本当に楽しかったもんね。
—— 皆さん本当に、ありがとうございました!