「起業に興味はあるが、始めの一歩が踏み出せない」という人も多いのではないでしょうか。株式会社NERVでは、起業に興味がある人をサポートする起業家育成講座の第1期生を15日まで募集しています。

「起業は、楽しいものです」と語る株式会社NERVの代表取締役である久野孝稔さん。今回は辻堂にある「U-Port Shonan」でお話を伺いました。
(※感染症対策に留意した上で取材を行っています)

【3/9更新:一部情報を追記させていただきました】

会社概要

株式会社NERV(New Energy for Revolutionary Ventures)は2021年10月に湘南藤沢に誕生した会社です。人材育成の対象を起業家、投資家、メンターという3種に的を絞り、そのプラットフォーム運営を開始します。イノベーション活動をまちづくり、都市経営の根幹と捉え、SHONANが持ちうる力を結集して取り組むことにフォーカスします。

ビジョン

当社は、SHONANエリア全体が持続可能に成長できるよう、イノベーションにおいてエコシステムを形成する新たなエネルギーになります。
 

ミッション

イノベーション活動に取り組む組織間連携を促進し、S H O N A Nで課題解決にチャレンジしようとする起業家を発掘、育成します。それと同時にSHONAN愛が溢れる未来志向の投資家、メンターを発掘、育成するプラットフォームを形成します。

爽やかな青が印象的なU-Port Shonanのオフィス 爽やかな青が印象的なU-Port Shonanのオフィス

湘南を舞台にイノベーションを起こしたい

—— まず、久野さんの現在の活動内容を教えてください。

湘南エリアをイノベーションで持続可能な都市にするために、まちづくりの仕事をいろいろな立場からしています。現在は、慶應SFCの政策・メディア研究科の特任助教と、神奈川県の科学技術コーディネーター、地域コミュニティであるイノベーションゲートウェイ湘南ロータリークラブの幹事をやっています。

湘南での活動のほかに、本業では製薬会社の医療政策に携わっています。

まっすぐな眼差しでインタビューに応える久野さん まっすぐな眼差しでインタビューに応える久野さん

—— 幅広いですね。「湘南」を活動の拠点にしている理由は何ですか?

日本全国を回り、神奈川の湘南エリアがイノベーションに一番相応しいまちだと感じたからですね。湘南には、湘南ヘルスイノベーションパーク(iPark)や大学、製薬会社の拠点やスタートアップの拠点があり、さらに現在150社以上のベンチャーが湘南を舞台に活動しているんです。また、藤沢市や鎌倉市などは慶應義塾大学SFC研究所が運営している湘南みらい都市研究機構と連携しており、地域と連携した研究開発活動が活発に行われています。

このようなところに、湘南のポテンシャルを感じました。

—— その中で、株式会社NERVを立ち上げたのはなぜですか?

湘南の各拠点がもっと横でつながって連携するべきだと思ったからです。そう思ったきっかけは、湘南ヘルスイノベーションパーク(iPark)をつくったことですね。製薬業界は現在、一社単独ではなかなか新しい薬を0から作るのが難しい時代に突入しています。薬の開発はもはや創薬ベンチャーとの連携が前提といっても過言ではないでしょう。また、デジタル化の推進によりヘルスケア分野はITやAIの会社と連携することも重要な要素となりました。湘南に武田薬品の湘南研究所があったおかげで、この地域が一気にオープンイノベーションを実践する開拓者のまちになりました。

この経験から、湘南エリアの複数のベンチャー育成拠点や各種プラットフォームがつながったらいいなと考えるようになりました。起業家がイノベーションの活動がしづらい。だから起業家も生まれにくいし、集まらない。このことが湘南の課題だと考え、人材育成を行うNERVを立ち上げました。

人とのつながりで、成長できる起業家育成講座

—— 現在、第1期生を募集している起業家育成講座とはどのようなものですか?

コミュニケーション能力やビジネススキルを身につけ、キャリアプラニングができる講座です。

コミュニケーション能力は、企業や先輩起業家にインタビューをしながら養います。150社以上の企業の中から一人あたり20社を選び、記者になって6ヶ月に渡り取材をすることで、相手の企業と持続的な関係性を築くこともできます。取材した内容は、記事にして新しく刊行する起業家と投資家を発掘する雑誌に掲載します。記事の形にしてアウトプットすることで活動記録にもなります。

—— 人とのつながりができるのが素敵ですね。

そうですね。
またビジネススキルは、座学形式ではなく実践形式で身につけます。専門講師を招きビジネスモデルキャンバスを使ったワークショップを行ったり、世界の起業家のケーススタディを行ったりします。さらに、やる気があれば夏には2週間から1ヶ月程の有給インターンを企画することを予定しており、NERVと関係のある企業や自分で見つけてきた企業に行ってもらおうと思っています。

そして、自分の人生をどのようにデザインしていくのかを考え、キャリアプランニングをしっかりしてもらいます。

—— NERVさんのネットワークが最大限にいかされていて、本質的なスキルが身につきそうですね。

そうですね。SFCはせっかく湘南にあるので、SFC生にはぜひ湘南を舞台に活動してほしいです。この講座に参加したら、湘南について詳しくなって卒業できると思います(笑)

—— 起業家育成講座では「革新的起業家」を求めている、とHPに書かれていましたが、これはどのような起業家ですか?

起業家といってもさまざまな種類がありますが、私はテクノロジーを使った課題解決や新しい組み合わせといったデザインによるイノベーションを生み出すことを重視しています。公の心が大事だと考えるのは、こういうところから来ています。人の幸福、生活に影響を与えていくような分野のイノベーションにチャレンジするのが、「革新的起業家」だと考えています。

そして、革新的起業家は大きな投資額を必要とすることが多いんですよ。なのでNERVでは起業家コミュニティの他に、投資家コミュニティも作っていきます。

—— 起業と投資の二本の軸があるんですね。この講座に参加してほしいという人物像はありますか?

「将来起業してみたいな」と簡単に思っている人で全然いいです。もちろん具体的な意気込みが強い人も歓迎しますが、起業に興味があり自分で何かを成し遂げたいという強い意思がある中でも、何をしたらいいのかわからない人にも参加してほしいですね。

起業家精神は、まずこのページを最後まで読んでいただいてからの行動に現れると思います。

ぜひ「起業」という自己表現を

—— 久野さんが考える「起業家の魅力」とは何ですか?

自分で0から仕事を手がける、いわば仕事の作り手になれるのが魅力です。起業は、世の中にないことを自分でチャレンジする舞台なので、苦しいこともあると思います。

ただ、若い人は色々な起業をしてみてほしい。色々なことが学べる上、自分がやりたいことで世の中に貢献できるのは楽しいことですよ。

—— 最後に、起業家志望や「何か成し遂げたい」と思っているSFC生に向けて、メッセージをお願いします。

起業は、楽しいものです。何でも自分の身に降りかかってきますが、辛いことでも最終的に楽しかったと感じると思います。自分というものを最大限に表現できる起業を、ぜひ社会に出る一つの選択肢に入れてほしいです。
それを考えるためのNERVです。

笑顔で起業の魅力を語る久野さん 笑顔で起業の魅力を語る久野さん

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起業家育成講座はなかなか現場主義を実践できないような環境下でも、国や地域の医療政策との足並みは揃えつつも、フィールドワークやワークショップを実践手法のメインとするなど、地域に溶け込むことや仲間との切磋琢磨に主眼を置くプログラムとします。コミュニケーション能力開発、ビジネススキル養成、キャリア開発支援・モチベーション向上プログラムという3本柱について、6ヶ月という期間をかけて共に磨き合う場をご提供します。

  • 成果を出し、自ら変革を推進する人材を目指す環境
  • ネットワークを駆使した豊富な講師陣
  • SHONANエリア担当NERV記者としてプロデュース
  • 複数の先輩起業家達とビジネスモデルづくりを通して連携
  • フィールドワークとワークショップという現場主義プログラム

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