28日(土)、明治神宮球場にて東京六大学野球秋季リーグ最終週・早慶戦第1試合が行われた。第1試合は早稲田大学(以下、早稲田)にK2-1Wで勝利。あすも義塾が勝利した場合、勝率が暫定1位の明治大学を上回るため、義塾の優勝が決まる。

注目のスターティングメンバーは?

両チームのスターティングメンバー
義塾 早稲田
位置 選手名 学部学年 出身高校 打順 位置 選手名 学年 出身高校
天野 康大 環4 智辯和歌山 1 八木 健太郎 4 早稲田実
瀬尾 翼 理4 早稲田佐賀 2 岡 大起 4 早稲田実
柳町 達 商2 慶應 3 福岡 高輝 2 川越東
岩見 雅紀 総4 比叡山 4 加藤 雅樹 2 早稲田実
清水 翔太 総4 桐蔭学園 5 宇都口 滉 4 滝川
倉田 直幸 法4 浜松西 6 長谷川 寛 4 仙台育英
郡司 裕也 環2 仙台育英 7 檜村 篤史 2 木更津総合
照屋 塁 環4 沖縄尚学 8 岸本 朋也 3 関大北陽
関根 智輝 環1 城東 9 小島 和哉 3 浦和学院
得点表
1 2 3 4 5 6 7 8 9
義塾 2 0 0 0 0 0 0 0 0 2
早稲田 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1

4勝対14勝 圧倒的な経験差を覆せるか

義塾先発の関根投手 プレッシャーに打ち勝てるか 義塾先発の関根投手 プレッシャーに打ち勝てるか

義塾の先発は関根智輝投手(環1)。今年4月SFCに入学したばかりの期待の新人だ。数多くの変化球をこなし、持ち味のストレートは145km/hを超える。4月に開催された開幕戦でも先発投手をつとめると同時に、5回1失点の成績を残し、義塾を勝利へと導いた。

早稲田先発の小島投手 再び義塾の前に立ちはだかる 早稲田先発の小島投手 再び義塾の前に立ちはだかる

早稲田の先発は小島和哉投手。今シーズンは不安定な投球が多く1勝しかできていないものの、1年春からリーグ戦の登板を重ね、積み上げた勝利数は現役2位の14勝と実力は確かだ。似た状況での対戦となった昨春は義塾が勝利を収めた。義塾の希望を挫くため今度こそはと闘志を燃やし、再び早稲田のエースが立ちはだかる。

通算勝利数は関根投手が4勝に対して、小島投手は14勝。勢いが勝つか、経験が勝つか、対照的な両投手が早慶戦に華を添える。

絶対に勝つ! 義塾の先制で始まった初回

先制は義塾 幸先の良いスタートを切る 先制は義塾 幸先の良いスタートを切る

注目の1回、先攻の義塾打線は1番天野康大選手(環4)がフライとなるも2番瀬尾翼選手(理4)がフォアボールで出塁する。続く3番柳町達選手(商2)がデッドボールを浴び、さらに4番岩見雅紀選手(総4)がフォアボールとなることでいきなり満塁のチャンスに。ここで続く5番清水翔太選手(総4)がヒットを放ち、義塾は2点の先制に成功する。その後6番倉田直幸選手(法4)がフライ、7番郡司裕也選手(環2)がセンターフライとなり攻撃を終える。

一方の早稲田打線も黙ってはいない。1番八木選手がフォアボールで出塁すると、2番岡選手がピッチャーバンプとなりつつも、3番福岡選手がセカンドの頭上を越えるヒットを放つ。続く4番加藤選手もフォアボールで出塁し、早稲田も満塁のチャンスを作る。5番宇都口選手は2ゴロを放ち、4番加藤選手がアウトとなるもののダブルプレーとはならず、1番八木選手が生還し1点を入れた。6番長谷川選手はレフトに取られ、攻撃を終える。

もどかしい序盤 チャンスをモノにできず

両チーム共に初回の勢いは薄れ、義塾は2回表を三者凡退で終える。2回裏、早稲田も7番檜村選手の右ゴロで二塁まで出るという好発進だったが、続く打者3人でアウトが続き、この回を無得点で終える。

続く3回表、4番岩見選手に大きな当たりが出たものの、早稲田のライト八木選手のファインプレーでアウトになり、義塾の攻撃はまたも三者凡退。早稲田の攻撃では2番岡選手がレフトの頭上を越える大きな2ベースヒットを飛ばし好調な出だしとなったが、この回でもそれ以降安打が出ることはなく3アウト。またも無得点となった。

4回表では5番清水翔選手が粘りの二安打を放ち、進塁。続く6番倉田選手の犠牲フライによってさらに進塁し一死二塁に持ち込む。7番郡司選手が中ゴロを放ち走者一二塁まで義塾が攻め込む。8番照屋選手(環4)は三振に打ち取られるも、9番関根智輝選手(環1)の選球眼によりフォアボールを手堅く奪取。ここで義塾は二死満塁となる。しかし1番天野選手のフライにより3アウト。走者も生還することはできず悔しい無得点に終わる。

代わる4回裏では、義塾三塁手瀬尾選手のファインプレーが早稲田をすぐに二死に追い込んだ。しかしそこから早稲田の下位打線が遊ゴロ、センターフライを連発し一三塁への進塁を許してしまう。ここで1番打者八木選手打席に立つ。粘り強くフルカウントまでチャンスを伺うも、最後は大きなスイングで三振、3アウトとなり、義塾・早稲田ともにもどかしい展開が続いた。

攻撃面で苦しむ中盤戦 しかし相手に得点を許さない好プレイ

続く5回表の2番瀬尾選手から始まる義塾の攻撃。この回義塾は三者凡退に終わり、早稲田の攻撃に移ってしまう。5回裏、2アウトの場面からセンターへのヒットを決め進塁するも、その直後二ゴロで打ち取られてしまう。

ピンチを迎えて、マウンドに集まる義塾バッテリーと監督 ピンチを迎えて、マウンドに集まる義塾バッテリーと監督

6回表の義塾の攻撃も三者凡退に終わってしまい、苦しい展開が続く。6回裏の早稲田の攻撃、1アウトから7番檜村選手が左中間への2ベースヒットを放ち、さらに8番岸本選手がレフトへ立て続けにヒットを決める。1アウト一三塁のチャンスの場面を作ったものの、その後見逃し三振、さらには一ゴロで打ち取られてしまい、大チャンスをものにすることができなかった。

その後の7回表、早稲田は投手を大竹耕太郎選手に交代する。この回の義塾の攻撃はまたもふるわず、この回も三者凡退で終えてしまう。攻守が変わり7回裏、ここで義塾は投手を佐藤宏樹選手(環1)に交代する。佐藤選手はこの回早稲田を三者三振で抑える好投をみせる。特に145km/hを超える速球が印象的だった。

突き放したい義塾と逆転を狙う早稲田 接戦のまま終盤へ

8回表、義塾の攻撃。大竹選手の投球に、義塾の2番瀬尾選手と3番柳町選手は三振を奪われ、2アウト。4番岩見選手がサードへ打球を運んで見せ場を作るも、5番清水翔選手のライトフライを取られた義塾は、この回で得点を奪うことができなかった。

8回裏、早稲田の攻撃。5番宇都口選手の初球を一塁手清水選手がフライを捕らえ、1アウト。続く代打の佐藤晋選手と檜村選手をともに三振で抑え、最終回を迎える。

9回表、義塾最後の攻撃。6番倉田選手は三振を奪われてしまう。続く7番の郡司選手は3ボールと粘るも、ライトフライを取られて2アウト。ここで打席に立った主将の8番照屋選手は初球をサードへ飛ばすも、早稲田のファーストへの送球が勝り3アウト。義塾の三者とも出塁はならなかった。

最後の打者を打ち取り勝利の雄叫びをあげる佐藤投手 最後の打者を打ち取り勝利の雄叫びをあげる佐藤投手

攻守交代、K2-1Wと義塾のリードで迎えた9回裏。ここで得点を許さなければ義塾の勝利が決まる。得点を決めたい早稲田。まず代打の8番小野寺選手のレフトファールフライを左翼手の杉本京平選手(理2)が捉えたのに続き、代打三倉選手の浮いた打球を一塁清水選手が抑え、早稲田はツーアウト。後がない状況で打者席に立ったのは熊田選手。熊田選手の打球に対し、義塾の佐藤投手はツーストライクを奪い、王手をかける。しかし続く投球は慎重さを見せ、スリーボール。フルカウントとなり見逃せない展開になる。カットを挟んだ7球目、佐藤投手の投球に熊田選手はバットを振るも、空振りに終わる。早稲田に出塁の隙を与えずスリーアウトを奪った最終回裏、K2-1Wで義塾の勝利が決定した。

明日の早慶戦を制すれば優勝! 現地で義塾を応援しよう!

優勝のためには2連勝が必須である義塾。初戦は1回で作った1点差を最後まで守り抜き見事に勝利を収めることができた。あす29(土)13:00より明治神宮球場で行われる早慶戦第2試合に勝利すれば、義塾は秋季リーグを優勝で終えることができる。今年の春季リーグでは、義塾は残すところあと1勝というところで優勝を逃してしまった。悲願の優勝達成のため、義塾を応援しに球場へ足を運んでみてはいかがだろうか。

ただし、明日は雨の予報が出ている。明日の試合が中止の場合は試合は明後日以降に順延となるが、予報によっては開始時刻を遅らせて対応する場合もあるということだ。試合開催に関する情報はすべて六大学野球連盟公式ホームページにて掲載されるので、各自しっかり確認するようにしよう。また、試合が中止になった場合、チケットは順延日にそのまま利用することができる。

あすもSFC CLIP編集部ではTwitter(@sfcclip)での試合実況および速報記事の配信を行う。優勝がかかった大事な早慶戦をぜひとも見届けよう。

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