総合政策学部の学生の必修授業「総合政策学」で行われる政策コンテスト、コーカス。今年度の履修者はちょうど最近始まったところである。そんな旬な時期に気になるであろう、昨年度のコーカス。今回は、2017年度春学期の優勝グループである「Finding Country」の鈴木璃子さん、宇田川笑未さん、安藤令雄さん(三名ともに現在総2)に、コーカスとは何か、その裏側や優勝の秘訣を取材した。インタビューアーは、SFC CLIP編集部より坂田颯馬、山本啓太の二名。

「Finding Country」とは?

—— 「Finding Country」とはどういったグループでしょうか。

総合政策学から生まれたプロジェクトで、昨年度のコーカスのときには「恋コン」をキーワードに地域活性化プロジェクトをやっていました。2017年度のコーカステーマは「国」でCountryは国と地域をかけた意味が込められています。

グループの歴史を簡単に説明すると、リーダーピッチ(グループ募集前に行われるリーダーの所信表明)では最下位で始まったのですが、最終的にコーカスで優勝しました。その後チームのなかで継続しようという話になり、SFC政策研究支援機構より助成金をもらって、地域活性化のプロジェクトを継続しました。

インタビューに答えて頂いた3人 インタビューに答えて頂いた3人

コーカス優勝の秘訣

—— リーダーピッチで最下位から始まったコーカスで優勝することができた秘訣はなんですか。

ひとつめは、プレゼンテーションの見せ方だったと思います。コーカスの投票は時間を置かずにその場で集計するという特徴があります。故にいかにその場で会場を巻き込むかが重要になってきます。短期決戦だからこそ印象勝負になっているところが大きいのです。そのことを意識していたのでプレゼンから逆算して活動し、その結果プレゼンの見栄えがよく、優勝に繋がったのだと思います。

もう一つ重要なのが、いかに教授陣に面白いと思ってもらえるかということです。コーカスでは教授陣がその場で各チームの講評をするので、その評価によって票が大きく動きます。なのでスライドを作っていたときは、「この教授にうけるように」といったことまで考えていました。その一方で、小さな実践と大きな哲学を組み合わせることをしていました。実際にイベントを開催する一方で、それがマクロな問題解決にどのような意味があるのかを、教授に伝えることを意識していました。

コーカスの面白さ

—— コーカスで優勝できたのはそれだけ熱量を持って取り組めたからだと思います。そんな皆さんにコーカスの面白さをお聞きしたいです!

一つの集中した短い期間でものを作るコーカスはとても楽しかったです。あの授業でたくさんの大切な友達にも巡り会うことができました。もちろん、ただ楽しいだけではなく、SFCらしい考え方やグループワークの円滑な行い方などさまざまなことを学ぶことができました。また、普段接点が少ない分野の人と関わることができるのも、コーカスの面白さだと思っています。1単位にしては大変なんてよく言われていますが、全ての人にブレーンとして参加することを強くお勧めします!

コーカスをよりよくするための改善案

—— インタビューをしていく中でコーカスの問題点もいくつか述べていましたがこうしたらもっとよくなるなどの改善案はありますでしょうか。

今のコーカスはエンターテイメント性が強くなっていて、プレゼン勝負なところが大きいのが問題だと思っています。プレゼン勝負の問題は、机上の空論合戦になってしまうことなんです。実際優勝した「Finding Country」もそうなってしまっているところが大きかったです。あの短い期間で形にするのは難しいのですけどね。

なので、実際に達成した活動内容とプレゼンを分けて評価するようにしたら、もっと授業目的に沿ったものになるのではないでしょうか?

それから、これは一定数仕方のないことなのかもしれませんが、履修者全員にしっかりと軸を持って考えてもらうようにすると、もっといい授業になると思います。プレゼン勝負になってしまう理由の一つとして、無関心層の票を獲得するため、というのが挙げられます。興味がないから、プレゼンで盛り上がっていて「良さげ」なグループになんとなく投票する層ですね。この層をなくすのは理想論で、一定数出てきてしまうのは仕方のないことだと思います。ただ、できるだけ少なくできたら、きっともっといい授業になると思っています。

コーカスグループならではの絆を感じた コーカスグループならではの絆を感じた

今回、2017年度優勝コーカス「Finding Country」に、コーカス優勝の秘訣やコーカスの裏側について聞くことができた。これから本格的にコーカスの活動を始めていく新入生はぜひ参考にしてみてはどうだろうか。