12月13日(金)、SFC内のΜ館地下にあるAVホールにて、株式会社サイバーエージェントと武田研究会が主催のワークショップが行われた。今回は取材した記者もワークショップに参加し、イベントの実態に迫ると共に、読者の方々にSFC生の日常をお伝えしたい。

株式会社サイバーエージェントってどんな会社?

はじめに、株式会社サイバーエージェントでデザイナー採用担当の清水美那さんから会社の説明があった。

2018年に設立20年を迎えたサイバーエージェントは、「21世紀を代表する会社を創る」をビジョンに掲げ、「インターネット広告事業」「メディア事業」「ゲーム事業」を主軸に様々な事業を展開している会社だ。また社内には、SFC出身の社員が46人も在籍し、SFC生の就職先としても人気を誇っている。

いよいよワークショップ開始!

その後、同社でデザイナー兼クリエイティブディレクターを務める室橋秀俊さんがプレゼンターとなって、ワークショップの概要を解説した。今回のワークショップテーマは、「サービスづくりについて」。サイバーエージェントが手がけるメディアサービス「新R25」の企画を「Crazy8s」というブレインストリーミング手法を通じて、お題に取り組む形式だった。

お題:「新R25」の大学生ファンを増やすには?

「新R25」とは

新R25」は、これからの時代を生きるR25世代(20~30代)のビジネスパーソンに向けて、人生を豊かにする情報や考え方を"おもしろく"届け、一歩を踏み出すキッカケづくりをサポートするWEBメディア。(公式サイト説明文抜粋)

アイディア出しワーク「Crazy8s」とは

画用紙を8等分に折り、それぞれのマスに思いついたアイディアを"絵・イラスト"で埋めていく。1マスに3分ほどの時間制限が設けられる中、発想を発散していく手法。書き終えたら、グループ内で発表。全員の発表後、投票によってどのアイディアを実装するか決定する。実際にサイバーエージェントでも、開発現場で活用しているということだ。

実際の活動風景

グループ内でアイデアを発表 グループ内でアイデアを発表
ワークを通して出た様々なアイデア ワークを通して出た様々なアイデア
グループ内で1つのアイデアをブレスト グループ内で1つのアイデアをブレスト
グループごとに最終発表 グループごとに最終発表

アイディアを出すことより、アイディアを伝えることが難しい

今回のワークショップに集まったSFC生は、デザインを専門に学習している学生が多かったように思う。なかには、すでにエンジニアとして仕事をしている学生もいて驚いた。ある学生は、武田教授のtwitterで本ワークショップを知り、概要欄の「UI」という文字を見て即参加を決めたと話していた。

「Crazy8s」を活用したグループワークでは、様々なアイデアが出てきて面白かった。記者が、個人的に面白いと感じたアイディアは「自動スクロール機能」だ。面倒くさがりな記者にとっては、記事を読むために費やすスクロール時間を省くことができるのはとてもありがたい。他のどのアイデアも斬新で、これから実際に作っていくプロセスも経験したかったが、時間の関係上できなかった。心残りだが、グループワークを通じて、アイデアは相手に伝わらなければ意味がないことを学び、沢山の刺激を受けることができたので参加してよかったと思う。

また、最終発表でのグループ1-3のアイデアは以下の通りである。

  • グループ1「生放送&まとめ記事配信」
  • グループ2「さらば入社ブルー/新R25記者が様々な企業の社員研修を受けてみた」
  • グループ3「インターン先Recommend機能追加」

ワークショップを終えてみて

イベント後、本ワークショップでプレゼンターを務めた室橋秀俊さんにインタビュー。イベントを通じて、SFCの学生に感じたこと等をお話しいただいた。

インタビュー中の室橋さん インタビュー中の室橋さん

—— ワークショップをおこなって、学生の反応をどのように感じましたか?

最初は反応がなかなか無くて不安でしたが、ワークが始まるとみなさんどんどん書き始めて安心しました。「みんな、内に秘めたるものをいっぱい持ってるんだなぁ」と感心しました。僕は事前に、「今日は、学年問わずいろんな職種を希望する学生たち、まだ自分が何者になろうとしているのか決めかねている学生もいる」と聞いていました。なので、ワーク内容をデザイナーに絞り過ぎないようにしましたが、みんなデザイン志向をもっていることに驚きました。「絵も上手い」し。

デザイナーは「絵の上手さ」よりも、「その絵が伝わるかどうか」、「熱意があるかどうか」ということの方が重要です。そういうことも踏まえて、ワークの最中に学生達を横目で見たら、みんなスラスラ描いていて、「みんなすごいやる気があるなぁ」と嬉しく思いました。

笑顔で語ってくださった室橋さん 笑顔で語ってくださった室橋さん

—— 他大学でもワークショップをされているとお聞きしました。SFCの学生は他大学の学生と比べてどうでしょうか?

弊社では毎年、合宿形式のインターンシップがあり、30名ほどのデザイナー志望の学生が参加し、複数の班に分けて1つのアプリを3日間で作りあげるインターンシップをおこなっています。最初はお互い知らない人ばかりで大変かもしれないけど、3日目ともなるとどんどん意見を出し合うようになる。これを見ていると、SFCの人にも限らず、今の学生って熱いものをいっぱい持っているな、と思います。「日本の未来は明るいな」と感じますね。

僕の担当している「新R25」も、そうした若者の気持ちに寄り添っていく役割を果たしてほしいんです。「新R25」のブランドスローガンは僕が考えたのですが、そこで「人生の」という言葉をどうしてもいれたくて。仕事だけではなく、プライベートもちゃんと欲張ってほしい。さらにこのスローガンは、若者だけではなく今を生きる多くの人たちに伝えたいと考えています。なので、「新R25」のイメージはビジネス意識が高い人向けの部分もあると思いますが、それだけではないんです。「ぶっちゃけモテるでしょ?」という切り口でキングコングの西野さんにインタビューをしたり、森三中の大島さんと結婚した鈴木おさむさんが「実験で結婚しました」と語っている記事も書いたりする。コンテンツの内容はバランスを考えつつ、「意識高い」という印象も正しいけど、「独自の切り口でおもしろい記事がたくさんある」という印象を大きくして、スローガンである「シゴトも人生も、もっと楽しもう。」という未来を作りたいと思っています。

—— そもそもSFCでワークショップを開催することになったきっかけはなんだったのでしょうか?

武田研の卒業生がサイバーエージェントに入社しているのがきっかけです。今回は、皆さんと年も近い20-30代の若者をターゲットにしている「新R25」を通じて、「サービスづくりのおもしろさ」に気づいてもらいたいな、という想いで参加しました。

—— では最後に、この記事を読んでいる SFC生に向けて、メッセージを頂けますか?

僕は、サイバーエージェントに入社して、「Ameba」に所属した後に、「AWA」、そして現在は「新R25」に所属しています。そのどの部署でも、SFC出身の社員がいたのですが、みんな一緒に働いていて、とても優秀でした。そして何よりも、自分の手がけるサービスのことが、めちゃくちゃ好きなんです。会社のことが好きで、自分の手がけるサービスのことが好きで、そのためにガムシャラになってくれる。そして、しっかりプライベートも充実している。仕事もプライベートも思いっきり楽しんでいる社員がSFCには多い気がします。何にでも一生懸命になれる、そういう方と一緒に働けたら楽しいなと、思いますね。

—— ありがとうございました。

SFC生ってこんな感じ!

SFC生の日常に迫ることを目的に取材した今回のワークショップ。株式会社サイバーエージェントは2020年3月にも、温泉合宿形式のUIデザインインターンシップを開催するということなので、本ワークショップを見逃した方はチェックしてみてはいかがだろうか。弊部ではこれからも様々なイベントが頻繁に開催されているSFCの実態をリポートしていく。

【UI Design Academy 12期】
温泉合宿形式で3日間でUIデザインの基礎からアウトプットまで学べるインターン
▼詳細&エントリー
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【サイバーエージェントTwitterアカウント】
https://twitter.com/ca_creativebase