CLIPの中の話 校正ツール開発について
こんにちは。たーとること、亀井亮磨です。
この記事では技術部の活動の一環として制作した校正ツールの紹介をさせていただきます。
制作の背景
個人的な動機
4月にSFCに入学し、春学期から情報系の研究室に所属しています。
しかし、元々Web技術に関心があったものの、人の役に立つ本格的なアプリを作った経験はありませんでした。
SFC CLIPには技術部というものがあります。
2017年の記事「SFC CLIPを支える技術」では、以下のように説明されています。
SFC CLIPでは、部員の中でも特に技術に興味のあるメンバーが、「技術部」として、毎日の配信を支えるサーバーの管理、内部向けサービスの開発、そしてウェブサイトのデザインを行っています。
私は執筆にも携わる一方で、技術部に所属し先輩方からサーバーの仕組みなどについても指導を受けてきました。技術部は私の情報系の学びを実践するためのとっておきの場所でした。
見つかった課題
記事の制作プロセスを経る中で、校正の大変さを感じる場面が多くありました。校正は記事の質・正確性を保つ上で非常に重要なプロセスであるため、多くの時間と労力を必要とします。その一方で、校正に時間がかかってしまうと、タイムリーな記事を発信することができません。
そこで、AIを活用した自動校正ツールのアイデアを夏休み前に共有し、準備を進めることとなりました。
アイデアを共有したところ、いい反応が得られた
構想の具体化
制作に取り掛かる前に、他の部員とも相談しながら構想を具体化していきました。
先ほども述べましたが、校正は記事の質を担保する上で非常に重要な作業です。近年のAIの進化は目まぐるしいものですが、全ての校正をAIに委ねることは危険です。
そのため、ツールが自動で文章を修正するのではなく、あくまで修正を「提案」する形に、すなわち最終的な判断は人間がするということで話がまとまりました。
AI校正機能とは別に、正規表現を用いたデフォルトの校正ルールも設定することにしました。
制作開始
最初はGoogleが提供するAI、GeminiのCanvas機能を活用し、対話をしながらプロトタイプを制作しました。
AI校正はAPI連携が必要だったため、まずはより簡単な、正規表現によるルールベース校正から実装しました。
文章を入力すると、以下のように修正が提案されます。
正規表現によるルールベース校正
また、常用漢字外の漢字を用いた場合にも判定できるようにしました。地名などの固有名詞では問題ないケースもあるため、システムが文章を自動的に修正するのではなく、編集者が提案に基づいて最終判断を下せるように設計しています。
常用漢字外の漢字を使うと警告が表示される
進捗を共有する中で、プログラミング経験のある技術部の仲間が手伝ってくれることになり、開発のスピードが加速し、サービスのクオリティもより高いものになっていきました。
機能の拡張
最低限の機能が完成したタイミングで、このシステムを他にも活かせる分野はないか考えたところ、記事紹介画像の制作機能の追加を思いつきました。
SFC CLIPでは記事を投稿した後、特定のフォーマットに沿った記事紹介画像をSNSに投稿しています。
例えば、以下は「春学期前半科目の成績が公開」における記事紹介画像です。
記事紹介画像の一例(Instagram用)
記事紹介画像の一例(X用)
これらの画像の制作にはCanvaなどの外部サービスを利用しており、多くの時間と労力を要していました。そこで、この校正プロジェクトに記事紹介画像の制作機能を組み込むアイデアが生まれ、取り組むことになりました。
機能と効果
まず入力された文章に基づいて、タイトル候補や記事の概要文をAIが提案します。
ユーザーは選んだタイトルを自由に編集し、任意の画像を添付することもできます。
背景画像の上に、提案されたタイトルや概要を載せる仕組みになっています。
AIが生成したSNS用記事紹介画像と文章を組み合わせた投稿プレビュー機能もあります。
SNS投稿プレビュー機能
これにより文章の校正から一気通貫で質の高いSNS用記事紹介画像を作ることが可能となり、時間と労力の節約に繋がっています。
今後の展望
実用レベルまで開発することができましたが、まだ改善の余地はあると考えています。
例えば、以下のような例です。
読点で行が始まっている
画像の4行目が読点で始まっていますが、これは一般的に避けることが望ましいとされています。
今後はこういった細かいところにも対処していき、部員のフィードバックを受けながら、より実用性の高いシステムにしていきたいと考えています。
おわりに
入部以降、このツール以外にもNotionを使ったタスク管理・議事録システムの制作にも取り組みました。
技術部では、陰でSFC CLIPの活動を支えながら成長することができます。
また、記事執筆はもちろん、他の分野でも成長し、やりがいを感じられる機会が用意されています。
興味のある方がいれば是非遊びに来てくださいね!
ありがとうございました。