2019年度初めての授業の日のバス列 2019年度初めての授業の日のバス列

春、小田急線湘南台駅からSFCに向かう人の量は驚くべきほどに増える。私は今年、SFCに通い始めて3度目の春を迎えたのだが、朝電車を降りてファミリーマート前まで伸びるバス列をみては毎回苦笑いをしてしまう。「噂には聞いていたけどここまですごいとは…」私も入学して初めてあの列を見たとき愕然としたものだ。
そんなことを懐かしみながら私はどんどんその列を追い抜き駅を出て、駐輪場へ行く。

SFCへのチャリ通を初めて3年目。何度体験しても、こうしてバス列を追い抜いてマイペースで通学する朝は気持ちがいいものだ。

チャリ通ってどんな感じ?

バス通学にうんざりして何か他の通学手段を考えるとき、最初に出てくるのは「自転車」という選択肢だという人が多いと思う。今回はチャリ通3年目の筆者が「チャリ通って実際のところどうなの?」ということをいくつか書き出してみた。チャリ通なんかするわけないと思っている人も、チャリ通に興味がある人も、ぜひこの記事でリアルなところを知ってもらえればと思う。

はやい、やすい、つかれる

チャリ通はひとことで言うなればそんな感じだ。
バス列や渋滞に巻き込まれることがないのでタイムロスがない。バスでSFCまで往復する運賃の4日分で1ヶ月分の駐輪場代が払える。ただ「つかれる」という点は声を大にして言う必要がある。なぜならSFCに着くまでに越えなければならない多くの坂は本当に強敵だからだ。足はパンパンになるし汗はダラダラだし、正直慣れるまではものすごく疲れる。隣を走り抜けるツインライナーを見てさらにしんどい気持ちが増す。「こんだけしんどい思いして通っているんだから体育の単位が欲しい」と何度も思ったことがある。だけど気候が良かったり時間が良かったり体が慣れてきたりすれば「しんどい」は「気持ちいい」に変わる。それまでは少し頑張る必要があるかもしれない。

バス通と比べたチャリ通のメリット・デメリット

《メリット》

  • 通学時間が安定する

バス通学では、バス列に巻き込まれたりバスが渋滞に巻き込まれたりすることがある。そのため、経路案内アプリ上では余裕を持ってキャンパスに到着するはずだったのに、予測不能なバス列のせいで授業に遅刻してしまうなんてことも。その点、自転車通学は何かの影響で想定以上の時間がかかってしまうということがあまりない。私はいつも、小田急線の改札を出てから駐輪場に自転車を止めるまでで約18分、そこからメディアセンター前まで歩くのを足すと約22分の通学時間だ。朝・夜・学期始め・学期中盤など、どんな時でも変わらないのはバス通学にはない良い点だと言えるのではないだろうか。

  • 心身のリフレッシュになる

あれだけ「疲れる」と言っておきながら、実はバスの方が疲れると私は思っている。列ができるようなときはバスは超満員になる(しかもなかなかワイルドな運転)ため、ストレスに感じることが多い。坂を下りながら風に吹かれてみたり、引地川沿いに舞う桜にペダルを漕ぐ足を止めてみたり、藤沢北警察署前を抜けた時に香るクチナシの匂いを楽しみにしてみたりする自転車の通学時間はより一層気持ちがいい。

《デメリット》

  • 夏と冬はしんどさ倍増

夏は汗ダラダラで授業を受ける羽目になる。冷房のついたバスで来た人たちが涼しい顔で授業を聞いている中、しばらく汗が止まらない自分という構図が不可避。冬は寒さで動きづらい体で、より一層暗くなった道を走らなければならないためいつも以上に気を遣う必要がある。(やっぱり、被害者にも加害者にもなりたくないし。)暗さと寒さのなかでヒトは無理をすべきではない、と私は思う。

  • 体力を奪われる

片道20分間、往復40分間の運動を日常に取り入れるのは、どうってことなさそうに見えて実は体にガツンとくる。学校についても疲れて授業に集中できなかったり、やらなければならない課題があるのに疲れて寝てしまったりと本末転倒な結果になってしまうかも。自分の体力と相談して、時には自転車に乗らないという選択をすることも必要になるだろう。

どうやって始めよう?

駐輪場契約

SFC生にとって一番便利な駐輪場といえば、湘南台西口駐輪場だ。月額1,500円から固定の駐輪スペースを借りることができる。以下、湘南台西口駐輪場で契約できるプランだ。

1ヶ月 3ヶ月 6ヶ月
3階 1,500円 4,500円 9,000円
2階 1,800円 5,400円 10,800円
1階 2,000円 6,000円 12,000円

新規契約ができるのは毎月1日-日曜・祝日を除く5日間。契約更新ができるのは毎月20日-月末までとなっている。これ以外の日に自転車を持ってきても契約することはできない。もし持ってきてしまったら期間が来るまで1日料金(100円)を払って自転車を置くか、学校の駐輪場に一時的に置いておこう。また、5月から新規契約をしたいという人はゴールデンウィーク開けからになるということを忘れずに。

厳選! 買ったほうがいいモノ

まず、自転車のギア機能は必須だ。出来るだけ軽い車体の自転車を選ぶと良いかもしれない。電動自転車を選べるならば最強だ。
車体が軽くタイヤが細い自転車は、仏式自転車であることが多い。その場合、空気入れの部分につける英式変換バルブを買ったほうがいい。なぜなら湘南台イオンバイクや南大山のイトーヨーカドーにある無料空気入れは英式バルブにしか対応していないからだ。せっかくの車体の軽さと漕ぎやすさをしっかり生かすためにも、空気入れはいつでもできるようにしておこう。こちらは湘南台イオンバイクで300円くらいで買うことができる。 変換バルブとはこのようなもの。1台に1つあればいい。 変換バルブとはこのようなもの。1台に1つあればいい。
空気入れ以外の最低限のメンテナンスとして、チェーン用の油差しも買っておこう。SFCの駐輪場は野ざらしになっているため、雨に降られたりして錆びてしまいやすい。面倒くさがらず、月に1度は油を差しておこう。
反射板を360度あちこちにつけることも大事だ。走るとわかると思うのだが、イトーヨーカ堂からいすゞまでの間で街灯が一つも無くなる場所がある。そこは街路樹が生えていて見晴らしも悪い。安全のため、自分の存在を目立たせるような工夫をしておこう。
最後にチャリ通に一番大切といっても過言でないのはモチベーション。モチベーションをアップするアイテムを自分なりに揃えよう。私は夏はサングラスとシャワーセット、冬は厚めの手袋と耳あてを持っていくようにしている。

おわりに

多分、まだ当分の間はSFCへのベストな通学方法を見つけることは難しいんだと思う。自転車もバスもバイクも車も、コストがかかりすぎたり体力を奪うものだったり、ちょっとずつベストとは言い難いポイントを持っている。でも、それならば色々な方法を試してみたらいいじゃないかというのが私の言いたいところ。
これまで自転車を使うことを考えたことがなかった人も、考えてたけど実行には至らなかった人も、このレポートが何かのきっかけになれば嬉しい。

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