「SFCらしさ」を再発見し、激変する社会におけるSFCの役割を見出す「復刻! CLIP Agora」。第5回は、Facebookグループ「SFCnow!」を運営する土肥梨恵子さん(総3)にインタビューした。

土肥さん1

SFCnow! は、SFCに関する情報を共有し合う場として、2013年2月22日に土肥さんが開設したFacebookグループだ。共有し合われる情報はイベント紹介や各種告知・募集をはじめ、卒業生の紹介、SFC生が関わる研究・活動の紹介、個人的なアイデアなど多岐に渡る。一方的な情報発信ではなく、グループの参加者であれば誰もが双方向的に情報を発信できるのもSFCnow! の特徴だ。

SFC生だけでなく卒業生や先生など幅広い世代が集い、参加者1000人を超えるコミュニティへと成長を遂げた。このインタビューでは、土肥さんがSFCnow! に込める思いに迫っていく。

「人や情報がつながってないなんてもったいない」がきっかけに

土肥さん4

— SFCnow! 開設には、どのような考えがきっかけだったのですか?

SFC生活を送っていくなかで、SFC内の情報や人との出会いの可能性が活かされていないことに気づき、そこに問題意識を感じたのがきっかけです。「起業と経営」という授業で、みんなのツイートや考えがうまく編集・整理されていないことを「もったいない」と考え、Togetter(Twitter上のツイートをまとめるWebサービス)を使って授業中のSFC生のツイートをまとめました。他にも、デザイン思考の勉強会を企画したり、留学生との交流会をしたりしました。

個々に情報は存在しているのに、うまくつながっていないがために活かされていないとか、ある人が持っているスキルが他の人に伝わっていないとか、そういうことに自然と問題意識をもっていたのです。振り返ると、つなげたいっていう強い思いが自分のモチベーションになっていたなと思います。

— つなげたいという思いが、SFCnow! に結びついたのですね。

そうですね。実は、SFCnow! に至るまでの道のりがあるのです。
「ネットワーク社会論」という授業で、「弱い紐帯の強み」(1973年に米国の社会学者Mark S. Granovetterが示した仮説)を習いました。普段近くにいる人より、遠いちょっとした知り合いの方が、有益な情報を持っているという理論です。

その「弱い紐帯の強み」の考えから、私の知り合い全員をひとつに集めた「どひこみゅ」というFacebookグループを1年生の12月くらいに作りました。私は小学生のころからどこか限定したコミュニティに属する性格ではなく、誰とでも仲良くしたい性格でした。SFCでも多彩な友人たちと関わってきました。それぞれの人が持っている情報を集約したら、絶対に価値があるものになると信じていたのです。

— なるほど、SFCnow! の前身があったのですか。

しばらく「どひこみゅ」をやっていたら、これをもっと多くのいろんなSFC生に広めたらおもしろいのでは? と先輩が言ってくれました。その提案に後押しされて、昨年2月に現在のSFCnow! に生まれ変わりました。

最初は私が「こういう情報あるよ」と一方的に投稿しているだけでしたが、最近は参加者からもどんどん投稿してくれるようになってきました。私が情報を地道に流していくうちに、グループの存在が口コミを通して広まっていき、SFC生だけではなく、卒業生や先生まで参加してくださるようになりました。

SFCnow! みんなが挑戦出来るプラットホームへ

土肥さん3

— いろんな人が情報を共有できる場作りが、少しずつ良い軌道に乗り始めていますね。

仕組みとしてはやっと定着してきました。高校生のとき、大学生や大人と自分自身や将来について話し合う機会を経験して、私自身が変わりました。人や情報を集める場作りが秘める可能性には大いに期待しています。SFCnow! にいる人同士が持っている情報やスキルを共有できるのが理想で、最近はそういう媒体になってきたかなとうれしく思っています。

— ただ情報を共有しているだけではなくて、SFC生や卒業生の紹介もしていますよね。

はい。SFCには飛び抜けた人たちも多いけれど、そういう人たちの影に隠れてしまい、「自分には才能なんてないや」と言って自分を卑下してしまう人たちもたくさんいます。それはすごく「もったいない」と思います。

普段注目される人は一部だけど、それ以外でもいろんな分野で頑張っている友人たちがいっぱいいます。みんな何かしらの20年間のストーリーを持っているのです。そういう人たちを紹介したい、応援したいという思いも私にはあります。だから、積極的にいろんな分野の人たちの情報を投稿することにも力を入れていますね。

— これからのSFCnow! をどのようにしていきたいか教えてください。

みんなが自信をもって、もっともっとおもしろいことに挑戦できるような、そして動き出したいときに使えるようなメディアになれたらいいなって思います。

何かしたいときに、とりあえずアイデアだけでも投げてみると、賛同してくれたり意見をくれたりする人が出てきて、それが動き出すモチベーションになる。そうやって実際に挑戦する人がいっぱい生まれることに期待しています。

— 「出る杭は打たれない」というSFCでも、「意識高い」って言われて、逆に行動しにくくなるということがありますよね。

他には「すごいよね」って言われてしまいますよね。それでずっとすごい人でいなきゃいけないという気持ちになると、行動しづらくなるし、失敗もしづらくなってしまいます。その結果、みんな行動しなくなるから、おもしろくない。おもしろくないから、誰も行動もしないという悪循環に陥っているような実感です。

SFC生はもっと泥臭くていいと思います。「やる後悔よりやらぬ後悔」という言葉がありますが、たとえ失敗しても何かしら学びになるものがあるし、決して損をしないと私は思っています。

実際に動き出せる環境ができれば、「みんな挑戦する→おもしろい→刺激を受ける→挑戦する」という好循環で回り出すのではないかと思います。そういう環境を作りたいし、同時に、挑戦している人たちを可視化して、応援したり、他の人が刺激を受けたりできる場を作ることで、SFCをもっとおもしろい場所にしていくことが夢ですね。

アイデアとか、ちょっと見つけた問題だけでもいいので、どんどんSFCnow! に投稿してくれるとうれしいです!

— ありがとうございました。

土肥さん5

「SFCは人こそが資源です」と土肥さんは力強く言います。そんな土肥さんの、人が起こす行動に対する好奇心は留まることを知りません。SFCnow! の成長だけでなく、土肥さん自身のこれからの挑戦も楽しみですね!

SFC CLIP編集部では、SFCの外で活動するSFC生や卒業生、あるいはSFCについてもの申したい方を募集しています。「そういう人を知っているよ!」「我こそは!」という方、ぜひ教えてください!

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