今春、SFCの公認団体を全塾協議会(以下、協議会とする)で認めてもらうことを目的に、学生有志らによって「湘南自治会」が結成された。SFC CLIPは、その経緯と背景をメンバーの嘉納大輔さん(環3)に聞いた。


 SFCで開催されている秋祭は慶應義塾大学からの出資を受けていない。秋祭実行委員であった嘉納さんは、その事実を知って、SFCに関わる「お金の問題」に気づいたという。現在、秋祭の主な資金源は、実行委員自ら藤沢や江ノ島の商店街に出向いて集められる協賛金。この資金集めにかかる費用は自腹で、特に交通費にはかなりの出費がかさむという。一方、三田キャンパスで開催される三田祭は塾内唯一の公認の祭りであるため、義塾から多大な資金が支給されている。
 嘉納さんが調べをさらにすすめていくと、秋祭以外のSFCの団体にも自治会費が配分されてないことが発覚した。自治会費とは学費の一部で、慶應義塾大学の学部生は一人当たり年間750円を支払っている。この資金は協議会で認められた公認団体には配分されるが、SFCの公認団体には配分されていない。なぜなら、SFCの団体は協議会の審査を受けていないからだ。おそらく、SFCには協議会の活動内容すら知らない人も多いのではないだろうか。
 この状況を目の当たりにして、昨年、嘉納さんの友人である入江祐司さん(看4)が協議会の事務局長になったこともあり、この問題を解決し、SFCの意見をより取り入れてもらうという目的のもと、嘉納さんは湘南自治会の活動開始を決意したという。
 湘南自治会の活動内容は、第一にSFCの福利厚生団体と連絡をとりあい、協議会入会の審査に備えること。協議会に入るには、慶應義塾にいかに貢献しているかをアピールする活動報告と、細かい会計報告を提出しなければならない。だが、今のSFCの団体には、その審査に堪えうる会計報告を作成している団体がない。よって、第二に事務と相談しながら各団体の会計作業の強化をはかっていく。さらに、嘉納さんの世代でこの取り組みが終わってしまっては意味がない。そのような意識から、第三に各団体の交流を深めて、ゆくゆくはそれらの団体の代表者などが湘南自治会の会員として活動してくれるような制度づくりをめざしている。
 今後、SFC CLIPでは、湘南自治会について複数回の特集記事をお届けする。