慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科の大西公平教授、同医学部外科学の森川康英教授らの研究グループは、触覚を伝えられる手術支援用ロボットの開発に世界で初めて成功した。


 システムの名称は、触覚鉗子付16自由度低侵襲性外科手術支援ロボットシステム。医師がマスターロボットの鉗子を操作すると、患者側にあるスレーブロボットの鉗子がそっくり同じ動作をするだけでなく、その触覚が医師側にあるマスターロボットで忠実に再現され、医師はあたかも直接触っているかのような感覚を得られる。
 このシステムにより、今まで不可能とされてきた高難度手術治療への道が拓かれるほか、体内触診というX線診断では発見の難しいスキルス癌等の早期発見に有効な方法もロボットで可能になる。
 4日(水)、新川崎タウンキャンパスにて行われたデモンストレーションでは、実際に水風船とこんにゃくを触った時の感覚の違いや、新川崎と日吉の研究室をつないだ遠隔操作が行われた。