「環境情報学の創造」の授業内課題であるシリアスゲーム。その内の1つのグループがORFでブース発表した。 授業ではアイデアベースだったシリアスゲームも、実際の形になり、体験することもできる。グループ名「Go_to_hills」の皆さんにインタビューを行った。


 シリアスゲームとは、遊びながら知識を獲得できるゲームで、教育を主目的におく。Go_to_hillsは、春学期の「環境情報学部の創造」の授業内で行われた、シリアスゲーム制作プレゼンテーションにて優勝したチームである。展示のブースでは、小学校に行ってシリアスゲームをしたときの映像、コンピュータを使ってのゲーム体験、また実際にカードを使っての体験もすることもできた。

1、ゲームの説明をお願いします。

ゲーム名は「ちきゅUNO」です。名前からも分かる通りUNOをもとにしたゲームで、カードに印刷されている連合名か地域名のどちらか一方が一致していれば、そのカードを出すことが出来ます。UNOと同様、スペシャルカードも用意されています。

2、ゲーム内容の背景は?

丁度、今年はワールドカップの年でした。出場していたパラグアイという国がどこにあるのか、どんな国であるのか疑問を持ちました。実際にSFC内でアンケートを取ったところ、7割の学生がパラグアイの位置を知りませんでした。国の場所も、どんな国であるかも知らない人が社会に出て良いのだろうかという問題意識が芽生えました。グループ内で話し合った結果、日本の学校教育では地理・歴史といったように細分化されていることが原因ではないかという結論に至りました。最終的に受験に使う科目だけを選択するため、世界の国に対しての興味が薄いのだと思います。そこでシリアスゲームという形で、遊びながら世界の国々に対して興味を持ち、学ぶということを考えました。

3、このシリアスゲームでは何を学ぶことが出来ますか?

カードには、ある国の国名・場所・国旗・所属している連合・民族衣装をまとった人形が描かれています。ゲームを通して、ある連合に所属している国の数の大小を肌で感じることが出来る上、視覚的にひとつの国について学ぶことができます。

4、小学校で、実際にこのシリアスゲームを使った授業をされたと聞きましたが?

チーム内に成蹊小学校出身のメンバーがいたこともあり、成蹊小学校に実際に出向いて、授業内でシリアスゲームをできないかと相談しました。ゲームのコンセプトには共感を頂いたのですが、世界中の国を扱うのは小学校の教育課程を逸脱しているというご指摘を頂きました。しかし、1人の先生が大変興味を持って下さり、授業の1コマを頂いてシリアスゲームを小学生の皆さんと行いました。授業後の小学生へのアンケートでは、全員から楽しかったという感想を頂きました。

5、今回ORFで出展している中で、どのようなフィードバックがありましたか?

たくさんの方々から感想、御意見を頂きました。中には、各国の大使館と連動しては? 1枚のカードに載せる情報をもっと多くしては? 様々な国の言葉でカードを作ってみては? という御意見もありました。

6、最後に、これからの「Go_to_hills」について教えていただけますか?

「Go_to_hills」がワークショップコレクションに参加することが決定しました。どうぞ皆さん遊びに来て下さい。また、2つの高校での実演も決定しました。今後さらにシリアスゲームを改良し、もっと広める活動をしていくことを考えています。それに伴い、手伝って下さる方を募集します。興味のある方は、環境情報学部1年吉中貴史(t10983ty[at]sfc.keio.ac.jp)までご連絡ください。

「ちきゅUNO」をプレイする様子