19日(火)、湘南藤沢ITC(以下ITC)より全学生に対し、CNSの無線LAN環境改善に関するメールが送信された。ここ最近SFCの大教室において、授業時に無線LANに繋りにくいとの指摘が多かったことから、ITCが詳細な現地調査を行ったという。今回は、ITCの担当者に、無線LANが不安定な理由と、その改善方法を伺った。

なぜ大教室のCNS無線LANは不安定なのか


 CNSの無線LANが繋がりにくい、という意見は以前から目立っており、ITC側でも前々から調査をしていたという。調査をした後、基地局の置き換えや、アンテナの増設、移動などによる改善を目指していたが、機器の改善だけでは対応できないということが判明した。そのため、ITCは全生徒に協力を呼びかけるメールを送信したのだという。

電波測定用の機器


 無線LANの調査は最も混雑の見込まれるθとΩ11で行われたという。調査ではワイヤレス・ネットワーク・テスターという、無線LAN環境の問題点を様々な側面から計測できる機器やパソコンを利用したという。その結果、ポータブルWi-FiルーターやBluetooth機器などによる2.4GHz帯の電波の混雑していることが無線LAN不安定化の原因であったという。記者が実際に授業中のΩ11で無線LANのアクセスポイントを検索したところ、それだけでも5つ以上の個人的なアクセスポイントが見つかり、利用されていることがうかがえた。

皆が協力すればより快適に


 CNSの無線LANを安定化するためには、2.4GHz帯の混雑を取り除く必要がある。その方法としては、「2.4GHz帯に接続している機器を減らす」と「混雑する2.4GHzではなく、5GHz帯に接続するように心がける」という二つの対処方法がある。

無線LANのアンテナ


【2.4GHz帯の機器を減らす】

 
 「2.4GHz帯の電波」とは多くの通信機器で用いられる周波数帯のこと。CNSのWi-Fiルーターでもこの2.4GHzの帯域を使用している。その他にもポータブルWi-Fiや、携帯電話のテザリング機能、Bluetooth対応機器なども同じ2.4GHz帯を使用していることが多く、これが電波の混雑を生んでいるという。全員が快適なインターネット環境を使えるようにするためにも、これからは教室において、個人のWi-FiおよびBluetooth機器の使用は控えるようにしたい。 

【より繋がりやすい5GHz帯に移行を】


 そして、混雑緩和のもう一つの手段は「5GHz帯の電波を使う」という方法だ。5GHz帯の無線LANは2.4GHz帯よりも干渉に強く、混雑による影響が2.4GHz帯より大きくないという。CNSの無線LANは2.4GHz帯だけでなく、この5GHz帯でも電波を発信しており、対応した機器であれば、設定変更で接続することができる。2.4GHz帯の無線LANを使用すると、待機中も電波を発信するが、この5GHz帯の無線LANではそういったこともないという。

ITC前


 ITCは来年の夏に、SFCの無線LAN機器を更新する予定だ。これにより無線LAN環境の改善を目指すという。とはいえ個人のポータブルWi-Fi機器の使用が多ければ、混雑の問題は解決できない。全員が快適に無線LANを使える環境を実現するためにも、無線機器利用については混雑を考慮したい。なお、5GHz帯への接続変更が分からない、などの疑問があれば、ITC窓口に相談しよう。