情報筋によると、8日(水)、任期満了にともなう総合政策学部、環境情報学部の学部長選挙および政策・メディア研究科委員長選挙が実施され、河添健総合政策学部教授と村井純環境情報学部教授がそれぞれ再選された。政策・メディア研究科委員長には清木康環境情報学部教授が初当選。河添教授は2期目、村井教授はSFC史上初の4期目となる。

学部長はどのような過程で選ばれるのか。慶應義塾大学名誉教授で元総合政策学部教授の岡部光明氏は1999年6月の候補者パネル討論会でこう述べている(※1)

「SFC両学部の学部長選挙に関しては、このたび新方式が導入され、まず(一)適任と思う教員を全教員がそれぞれ匿名で推薦する、(二)推薦された教員は候補者ステートメント(一枚紙)を作成するとともに、パネル討論でSFCのあり方についての意見を述べる、(三)そうした情報を踏まえて全員の投票によって学部長を選出する、という方式が採られることになりました。」

もし1回目の投票で過半数を得た候補者がいなかった場合、候補者を減らして2回目の投票で決める2回投票制が採用されている。

混戦の環境情報学部長選 2回目の投票にもつれこむ

総合政策学部長選には河添教授のほか、奥田敦総合政策学部教授、村林裕総合政策学部教授を含む計4名が立候補。1回の投票で河添教授の再選が決まった。2013年の選挙で初当選を果たした河添教授は2期目となる。

環境情報学部長選には村井教授のほか冨田勝環境情報学部教授を含む計7名が立候補。その結果、1回の投票では過半数を得た候補者が出ず、2回目の投票で決着をつけることに。2回目の投票で過半数を得た村井教授が当選を果たした。なお、冨田教授は2005年から2007年まで同学部の学部長を務めている。

政策・メディア研究科委員長に清木教授が初当選

総環学部長選と同時に行われた政策・メディア研究科委員長選挙は清木康教授が初当選を果たした。2009年から3期連続務めた現職の徳田英幸環境情報学部教授は立候補しなかったとの情報がある。

【清木康(きよき・やすし)氏】(次期政策・メディア研究科委員長)

1978年、慶應義塾大学工学部電気工学科卒業。同大学院工学研究科博士課程電気工学専攻を修了したのち、日本電信電話公社(現NTT)武蔵野電気通信研究所、筑波大学電子・情報工学系助教授などを経て、1996年に環境情報学部助教授、1998年同教授に就任。専門分野はマルチメディア・データベース、感性データベースなど。

村井教授はSFC史上初4期連続当選

村井教授はSFC史上初となる4期連続当選を果たした。2009年の初当選以来、3期6年間務めてきたが、今回の当選で通算任期(予定)が2017年9月末までの4期8年間となる。2001年から2007年まで総合政策学部長を3期6年間務めた故・小島朋之氏の記録を抜いた。

総環学部長の再選は、Fabなどの新たなジャンルへの進出や、昨年度から導入された14学則など、現在の方向性への一定の評価だと見られる。ただ、環境情報学部長選が2回目の投票にもつれこんだことを踏まえると、再選を果たしたとはいえ、順風満帆とはいえないようだ。

徳田教授 14年間の「おかしら」に終止符か

2009年から政策・メディア研究科委員長を務めてきた徳田教授の退陣はSFCにとって大きな変化となる。徳田教授は2001年から2007年まで政策・メディア研究科委員長を務めたのち、2007年から同研究科委員長に戻る2009年まで環境情報学部長を務めた。これにより、SFCの「おかしら」としての14年間に終止符を打つ形となった。

いずれの役職も任期は本年10月1日から2017年9月30日まで。秋から本格着工する未来創造塾や、来年度行われる一般入試への「情報」の導入など、「おかしら」たちに休息の暇はない。

引用元

※1 岡部光明氏 「総合政策学部の課題」(総合政策学部長候補者パネル討論会での意見陳述)http://www.okabem.com/essay/agenda_for_sfc.pdf

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【8月2日(日) 20:00 編集部追記】

本文中の引用元表記において、一部に誤りがありました。
【正】岡部光明氏
【誤】岡本光明氏
 上記の通り訂正した上で、お詫び申し上げます。