武田圭史研究会(A53-55)は主にWeb応用、サイバーセキュリティ、高機動ドローン開発の3つの領域を研究している。設立当初はWeb応用やサイバーセキュリティ研究に取り組んでいたが、近年では新たにドローンの研究も始めた。

常に時代の先駆けとなり、最先端の分野の研究を手がけている武田研。今回、SFC CLIP編集部はWeb応用研究プロジェクトとサイバーセキュリティ研究プロジェクトについて取材した。

より見やすいWebに Web応用研究プロジェクト

ブースの様子

ブースの様子

Webサイトの「色」を分析する

Webサイトにおいて、全体的な色の感じ方は非常に重要な役割を果たしている。Webサイトを一目見たときに感じるファーストインプレッションは、ユーザーがWebサイトを見て感じ取る内容に大きな影響を与えるからだ。武田研ではこの「色」を研究している。

例えば、法律事務所のWebサイトが赤いポップなデザインだと、「真面目」「正しい」といったイメージが損なわれてしまい、ユーザーに意図した情報が伝わらない。これはユーザーと法律事務所の両者にとって不利益となってしまう。そこで、ページの色を分析し、その成果をテンプレートに反映させることによって、誰でも目的に合ったWebサイトを作成できるようにすることを目指しているそうだ。

「より見やすいWeb」を目指して

Webサイトは1992年に誕生して以来目覚ましい進化を遂げ、それに合わせてデザインも進化してきた。現在はナビゲーションバーやボタンなどを平坦でシンプルに描く「フラットデザイン」という手法がトレンドだが、このデザインにも問題がある。フラットデザインはシンプルで分かりやすいが、ボタンなどの境目を認識しづらいのだ。より見やすいWebをつくることを目指し、このような問題はどのようなデザインを用いれば解決できるのか研究を行っている。

よりセキュアに サイバーセキュリティ研究プロジェクト

インターネットが発達した現代では、Webサイトはなくてはならない存在となった。しかし、Webサイトの急激な増加に伴い、セキュリティ面でのリスクが高まっている。近年では従来のセキュリティ対策では防ぎきれない様々な脆弱性も散見されており、武田研のサイバーセキュリティ班では、現代に通用する次世代のWebセキュリティを研究している。

通信を可視化する

通信を可視化しているPC

通信を可視化しているPC

ブースでは、PCから武田研のホームページにアクセスした時にどのような通信が行われるかを可視化したものを展示している。ここでは、白い流動点が通信を、赤い線で囲われた数字がポートを表している。開いているポート(LISTEN PORT)と閉じているポート(NOT LISTEN PORT)があり、どのポートにたいしてアクセスがあるかを一目で確認できる。

Webサイトの普及に伴いセキュリティ対策がより重要になってきている反面、それに対応するセキュリティ技術者が不足しているという問題もある。このような通信の可視化によって、セキュリティに対するハードルを下げることもできるかもしれない。

人工知能を生かしたセキュリティ対策

近年は人工知能に注目が集まっているが、この人工知能は、サイバーセキュリティの分野でも応用が期待されている。武田研では機械学習(=人間が自然に行っている学習方法をソフトウェアで擬似的に再現する手法)を用いてサーバーへの不正なアクセスをブロックする試みが行われている。

サーバーへのアクセスを分析し、通常と異なる通信があった場合は接続を遮断するといったような対策は従来から行われてきた。しかし、これでは分析しきれなかった予想外のアクセスも遮断してしまうことになる。セキュリティ対策のために悪意のないアクセスをブロックしてしまっては元も子もない。こうした問題を解決するため、機械学習を応用して通信を学習させ、アクセスが正常か異常か人工知能に判断させようとしている。機械学習は今まで実現することができなかった柔軟性を持っているため、より的確にアクセスの正常・異常を判定できると期待されている。

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