1. 全体の感想と研修で得たこと

 2000年度は視察旅行にてフランスとスイスに、昨年度は東欧を中心に回りま したが、これらの旅行を通じて学生の一人旅だけでは得られないような情報や場所にたどり着けたことは、ここでしか得られない貴重な経験だったと思います。
また、同行して下さった三宅教授や石川教授のレクチャーは非常に興味深く、単なる建築見物とは一線を画した質の高い旅行であり、現在の研究などに役立っていることは言うまでもありません。
  さらには、大学の研究以外の部分にある「当たり前の情報」というものにも、私たちはもっと敏感にならなければいけないのだということに気づきかされました。それは国の経済事情や歴史的背景、そして各々の土地にあった素材や建て方といったものが、デザインに直接的な影響を与えているのだということです。このような観点は、当研修の1つのポイントではないかと思います。それと共に、この「環境デザイン」という趣旨に合った旅行といえるのではないでしょうか?
  今年は主に、現代建築を見るそうです。欧州、特にフランスは現代建築に非常に恵まれたところですので、参加される1,2年生の方々のよい経験と勉強になることを強く期待しています。

2. 研修中の面白い話など

 やはり、三宅先生との夜の食事会です。フランスでは、先生の学生時代の行きつけのバーでウォッカの一気飲み大会(?!)をしたり、スイスではチーズフォンデューに舌鼓を打ったりと非常に楽しい時間を過ごしました。また三宅先生は、建築
史の専門家として歴史的背景への素晴らしい見識をお持ちなので、特に宗教絡みの建築物の案内では「なるほど!」と思うことが多かったです。
  また石川先生には、個人的にではありますが、研究の相談に乗って頂いたり細かい疑問にお答え頂いたりしたので、非常に勉強になりました。

3. 改善点してほしい点など

 旅行のほとんどが「移動」に強いられてしまうので、学生の疲労が気になるところです。同行する教員によってはスケジュールが大変厳しくなる可能性もあるので、健康面への配慮は十二分に必要です。内容が盛りだくさんであればあるほど、学生への負担も大きくなってしまいますので。今回のフランスとスペインへの研修 も、消化不良にならないよう十分気をつけて下さい。

4 その他、コメントなど

 こうした海外旅行は、時間のある学生時代にするべきです。また個人的な意見としては、「経験になる」と思って参加することをお勧めします。「建築を見て勉強す るぞ!」とあまりに意気込みすぎていると、かえって得るものも少なくなってしまう のではないかと思います。「ああ、かっこいいな」「すげーな」といったように、自らの価値基準を明確にするための旅行だと思って参加するとよいのではないでしょうか。