今回のSFC Welcome CLIPは冨田勝環境情報新学部長に行った、AO入試に関するインタビューをお届けする。学部長はAO入試の今後の展望について語り、受験生に向けて熱いメッセージを送った。なおAO入試は4日(金)に4月入学2期の1次選考の結果通知が行われ、14日(月)には今年最後となる2次選考の結果通知を迎える。

AO入試に対するお考えをお聞かせください。
 私の考えでは、将来SFCは一般入試を廃止してすべてAO入試にするべきだと考えています。なぜならSFCで求めている学生は、AO入試でなければうまく評価できないからです。
 そのためには、AO一本で大学受験を狙う高校生が増えなければなりません。今は日本の高校生の3%がAOで大学に入っていますが、たった3%です。ですので、AOを狙う人でも、一応一般入試の準備もする、という両天秤になってしまっています。しかし高校時代に個性を伸ばし、一般入試のための勉強はせずに、AOだけで大学を受験する生徒を指導する体制が高校や予備校に整えば、AO受験者は急激に増えるものと予想しています。その結果、高校1、2年の総合学習の時間が大事、という指導をするようになり、それはすごく良いことだと思います。高校生はもちろん自分の性格や素質で考えて、AO一本で行くのか、五科目七教科で行くのか、良く考えて決めることになるでしょう。
 また、9月入学において、海外の日本人高校生がもっと受験して欲しいです。優秀な海外の高校生がたくさんSFCに集まるような仕組みを考えたいと思います。
AO入試に求められる人物像をどうお考えですか?
 SFCは福澤諭吉が言うところの「半学半教」を実践するキャンパスです。教員が学生に教えるだけでなく、学生が学生を教え、また時には教員も学生から学びます。研究プロジェクトでは学生は共同研究者として教員と一緒にやっていきます。そのような意味では、教員にいろいろ提案してくれる人、つまり教員が考えてもないようなことを思いついて、言ってくれるような人はポイントが高いのではないでしょうか。
ありがとうございました。
 AO入試はSFCが1990年に多くの大学・学部に先駆けて導入した入試形態である。AOとは名ばかりの青田買い入試を行う大学が少なくない今、SFCは先端キャンパスとしてどのようなインパクトを与えてくれるのだろうか。新しく就任した冨田学部長の手腕が期待される。