「きっと未来は、ひとつになる」
 夢研は「ブロードバンド社会におけるビジョン集団となる」という思いに基づいて2000年9月に結成された学・産・官協同の研究会。ブロードバンドを超えた、ドリームバンド宣言”きっと未来は、ひとつになる”を掲げる夢研は、どこへ向かおうとしているのだろうか。学生統括の小室健さん(環境4年)に話を聞いてみた。


「夢研」はどのようにして始まったのですか?
 夢研は、元SFC鈴木寛助教授の「ブロードバンド社会におけるビジョン集団となる」という思いに基づいて2000年9月に結成されました。学・産・官共同の勉強会で、現在は、学生20名、社会人10名ほどで活動しています。
 特徴としては、広告代理店や大手ポータルサイト企業の第一人者が、学生といっしょになって研究していることです。ようやく昨年終わりからマスメディアでも流れるようになった「ブロードバンド」ですが、私たちはそれ以前から着目していました。
どのように研究を進めていますか?
 メンバーは、夢研以外にも先進的な研究に関わっている学生が多く、知識の共有の場=情報のハブ機能として、インフラ/デバイス/コンテンツが連動して研究してきました。
 今後は、政策団体やNPOとのつながりを生かして政策提言を出版化しよう、と考えています。また、次世代携帯電話4Gの通信方式の策定や「ものづくり」に関しても積極的に進めています。
 また、共同委託研究や企業のオファーもいただいています。それを了承するかは未定ですが、それに必要な情報はどんどん公開していければと思っています。
 毎週、学生はミーティングを行なっていますし、隔週、情報通信シンクタンクの国際大学グローコムで社会人・学生の合同ミーティングがあり、進捗状況やその後の進め方について議論しています。政策支援機構から寄付金で、著名人の方などもお呼びして議論し、政策に携わっている方や、民間企業でビジネスモデルを起こしている方との関係も大切にしています。
夢研で、小室君はどんなことを学んでいますか?
 様々な分野の学生が集まってひとつのコンセプトをもとに議論をするので、あらゆる角度からの理解を深めることが身についた気がします。
 他にも、プロジェクトの動かし方やリサーチのしかた、プレゼンのしかたなど、社会人の方から多くを学んでいて、これ以上にない、実践の場だと思っています。社会人になると利益を上げることだけに一生懸命になってしまうらしいのですが、ユーザーの立場からニーズを掘り起こす視点も忘れないのが、夢研のメンバーの特徴だと思います。
他の研究会のコラボレーションは?
 クリエイティブな発想ができて、それを実現までにこぎつけてしまうのが夢研メンバーの強みなので、いまのところは特定の研究団体とコラボレーションは特には考えていません。しかし、夢研メンバーは、それぞれが各方面で活動を行なっているので、彼らの研究と結びついていることは大いにありえます。たとえば、松本孝利研究会のITビジネス研究会では、ビジョンに沿ったビジネスモデルを組み立てるなどの試みを行なっています。
どんな知識/スキル/人材が欲しいですか?
 基礎知識に関しては、インフラ/デバイス/コンテンツの動向を知っていればそれに越したことはないのですが、それにこだわらずに、「2005年、2010 年のドリームバンド社会がどうあるべきか」というビジョンをしっかり持って、それを実現させるためのプロセスを考えたい、というメンバーは大歓迎です。
気になる研究会・プロジェクトはありますか?
 動きの素早いプロジェクトはどれも魅力があります。  「自分たちが21世紀を作るのだ」という意気込みがまずあって、現状を踏まえた上で、ビジネス・政策それぞれの面からできることを考えるわけですね。SFCの集大成が夢研だと考えています。
不満に思っていることは?
 社会人はどなたも第一線で活躍されている忙しい方なので、隔週一回のミーティングでも参加が少ない。途中から学生主導になってからは動きが速くなり、学生がやりたいことを調査して、社会人がそれにフィードバックする仕組みになり、かなり効率的になってきました。
 
  しかし、それだけ全体のレベルが高くなり、共有した知識がないと議論にならないので、特に新規の方にはボトムアップが必要になります。初めに大枠を把握するまでの道のりが長いので、新規履修者にはそれなりのコミットがないと難しいのかな、と思います。「網羅的過ぎる」とは以前から指摘されていて、地域通貨やグローバルガバナンスなど、ひとつの研究事例に特化した人材は今後増やすべきだと思っています。
実績は何かありますか?
 夢研での議論が、実際に社会人のビジネスで生かされています。ポータルサイトの提供するインフラサービスなど、実際に社会人の方々に夢研での成果を活かして仕事をしていただけることが実績です。
 また発足から8ヶ月たたないうちに、プレゼン資料を3~400枚作っているので、勉強量はかなり多い。それらは公表できる形でWEBに載せてありますので、ぜひご覧ください。初心者の方で「ブロードバンド」について何も知らない方にはオススメです。
研究室のキーワードは?
 「さみしさ再生産」でしょうか。つながればつながるほど、便利になればなるほど、もっと欲しくなる。もっと寂しくなる。さみしさを埋めるために、私たちの生活はどうなっていくべきかということが、夢研のコンセプトしてあります。
 もうひとつは「可処分時間」ですね。私たちの生活を決めていた「所得」が、今度は「時間」になるのではないか、という考えかたです。たとえば、パソコンによって、仕事ができる人はどんどん仕事が舞い込んでくるようになって、ラクになるはずが以前よりも忙しくなっています。
何か問題点はありますか?
 たまたまメンバーに男性が多いので、女性が入りづらいというイメージがあるかもしれませんが、組織的には普通の勉強会とそんなに変わらないと思います。小室健 t98375kk@sfc.keio.ac.jpまでよろしくおねがいします。
最後にひとことお願いします。
 夢研は、勉強を進めた上で、これからどんどん外へ出て行くと思っています。学生のやりたいことを社会人が支援していることが大きく、夢研は恵まれた環境にあります。
 もっと大学は企業と連携して動くべきで、来年から社会人になる私は、卒業後も夢研に関わっていくでしょうから、その時にはできれば学生側の組織も継続させていきたい。興味のある方は、ビジョン集団の一員として加わっていただくことを大歓迎します。21世紀をたのしい奴らと作りたければ、ぜひ夢研へ!
ありがとうございました。