ケンブリッジプログラム特集第3回目の今回は、引き続き参加者の声を ご紹介します。今回は、おととしのプログラムに参加した現院生の方にインタビューしてみました。前回と共通して挙げられるのは、自分とは異なった 様々なバックグラウンドを持った人達と共に過ごすことで、幅広い分野への 知的好奇心が喚起され、視野を広げられるということではないでしょうか。 また今回の方は、ゴルフや現地のパブ情報、パリへの格安ツアーなどとても楽しそう な体験も述べてくれていますので、プログラムの意義や醍醐味をより身近に感じるこ とができると思いますよ!


(1) 全体の感想
 このプログラムに限らず、海外プログラムの目的はまず語学能力の向上にあると思います。しかし、それ以上に私が感じた魅力は、異文化や異 なるバックグラウンドを持った人たちと接することで自分自身を見つめなお すことができた、という点です。特にダウニングのプログラムは、ケンブリッ ジ大学という世界有数のアカデミックな雰囲気が町全体に広がる中で行わ れ、そこで一ヶ月間過ごした経験は自分にとってかけがえの無いものになっ ています。
(2) ケンブリッジプログラムで得たもの
 まず毎日の講義ですが、各週ごとに二種類のテーマから選択することが 出来るので自分の興味に合わせた学習が可能です。私は日頃理系科目ば かり履修していたため、敢えて「History of Science」を避けて「European Economics」を選択しました。授業の内容は結構専門的で、英語で聞いたも のを日本語に置き換え、さらに経済学部の友人に用語を説明してもらって 乗り切りました。また午前の講義に加えて午後は毎回少人数+TA(現役の ケンブリッジ生)のディスカッションクラスが用意されており、難しい講義の後 などは昼食もそこそこにクラスメートで集まって午後の対策を講じたのも今 となっては良い思いでです。
 講義以外の生活も常に刺激的な毎日でした。私が参加した年のプログ ラムでは、講義が木曜までで、金曜日がレポート作成に当てられていました (今は金まで講義があるようですが)。土日はロンドンに繰り出したいという 健全な目的のため、ウィークデーは夜遅くまで勉強したりもしました。そして 煮詰まった時には街のパブや、フラット内の空き部屋にみんなで集まって 様々なことを語り合いました。特にフラット前の通りの向かいにある「Spread Eagle」には毎日必ず誰かが行っていたため、割引を受けられる会員カード までもらってしまいました。
 このプログラムを通じて得たものは何か?と問われれば答えはずばり 「友人」です。一つ屋根の下で一ヶ月を共にし、昼も夜も(グラスを片手に) 語り合った友人達とはプログラムが終了して2年半が経過した今も、変らぬ 友人関係を維持しています。メンバーのほとんどが社会人となったこれか ら、その関係の重要性は益々大きくなると思います。一生を通じてお互いに 刺激しあえる存在-そんなかけがえのない財産を、このプログラムを通じて 得ることができたと思います。
(3)  小話
 ケンブリッジの町を出て15分ほど南へ下ったところに「Cambridge Lakes」というハーフのゴルフコースがあり1ラウンド1000円弱で回ることが 出来ます。日本では考えられないほど美しいグリーンは一見の価値ありで す。我々の時はここが一躍注目スポットとなり、60名の参加者中、約半数 の人がラウンドを経験しました。プログラム後半は「ディスカッション終了後 はフラット前集合!」が暗黙の了解でした。
 また、「ここまで来たらぜひともヨーロッパ大陸にも上陸したい、でもお金はない」という理由で、夜行バスを利用したパリツアーも敢行しました。夜10時ケンブリッジ発、未明にフェリーでドーバー海峡を渡りフランス上陸。朝から晩まで遊んだ後、夜にパリを発ち、翌朝ケンブリッジ着。日本円にして 約7000円でパリまで行く機会などもう二度とないと思います。
(4) 改善してほしいところ
 我々はまだ第二回目だったので、講義に関する情報が若干少なかったように思います。講義が比較的専門的なため、事前に情報があれば日本で 予備学習をして望むことが可能だったと感じました。また、これは後に多少 改善されたようですが、PC設備が大変お粗末でした。あとはもう少しスタデ ィツアーなどのアクティビティが豊富であればよかったなと思います。
(5) その他付け加えたいこと、HP情報など
 参加者が全員日本人であるため、語学能力を効率良く伸ばすために は、自分で英語を話そうとする努力が必要です。努力さえすればそれに見 合う見返りが約束された環境だと思います。