我らはSFC探検隊! それはSFCに潜む”ナゾ”を追い求め、解決するために結成されたチームである。

記念すべき第1回目は、メディアセンター!
SFC生であれば何度も利用するであろう、メディアセンター(通称: メディセン)の謎に迫っていく。

メディセン前でポーズをとる探検隊たち メディセン前でポーズをとる探検隊たち

※なお、取材、及び撮影は湘南藤沢メディアセンターの許可を得て行いました。

メディセンで1番高い本とは⁉︎

最初の謎として「メディセンで1番高い本とは?」の解決に挑む。探検隊達は高価な本を見つけるべく、実際にメディセンを探検した。

高そうな本を探す探検隊員 高そうな本を探す探検隊員

今回のSFC探検隊のメンバーは3人。

1人目、もや隊員が選んだ本は『日本新聞発展史』。
「歴史系が高そうだと思い、昔のお金の単位で書かれてあるものを見つけました。ただ、金〇〇圓みたいに書かれていてわからないので値段がわかる範囲で高そうなものを選びました!」
その額、18,000円。

2人目、アングりん隊員。選んだ本は『在日朝鮮人関係資料集成第1巻』。
「とにかく分厚い本を探しました。これはダントツで高かったですねー」高価な本の発見に満足気な様子だ。
その額、28,000円。

3人目、もな隊員が選んだ本は『日本美術全史 下巻』。見るからに高そうと周囲から驚きの声が。
「背表紙とかが結構汚れてて中とかも端っこが黒ずんでいたりとか、新しいものにしないってことはこれ自体の希少価値があるのかなって思って」しかし、もな隊員の本の値段を見つけられないというまさかの事態。

結果はいかに、と思ったそのとき、もな隊員の本に昭和35年当時の値段で5,500円の文字を発見。消費者物価指数で現在の23,650円と断定。

全チャレンジャーの発表が終わり、結果発表。探検隊が見つけたなかで一番高い本は、アングりん隊員の『在日朝鮮人関係資料集成第1巻』であった。

全員赤い本を見つけた 全員赤い本を見つけた

司書さん「調査資料や医学系の本は高価」

しかし、これらの本はあくまで、SFC CLIP編集部が高いと思うもの。実際はどうなのか、司書の筒井利子さんに伺った。すると、返事はまさかの「そんなにすごく高いもの、正直ない……」との回答が!?

その中でも、比較的高いのは「日経新聞や矢野経済研究所が発行する調査資料全般」であるという。その額、1冊およそ20-30万円で高いと60-100万円するそうだ。

司書さんによると、特定の業界や企業、トレンド、テーマ等についての専門のスタッフが調査、分析した資料は費用も時間もかかっているため、高価になる傾向があるという。

また、もう一つ高い本として挙げられるのは医学系専門書で、1冊約4-5万円であるという。医学関係者にしか需要がないため、大量生産の必要がなく印刷される部数も少ないため1冊あたりの値段が高くなるそうだ。そのほか、事典系は高価な本が多いという。

結果を見ると、探検隊が見つけた本は、本当に高い本の足元にも及ばないという結果になった。

慶應全体では当時の日本円で約8億円の印刷物も!?

慶應全体で見ると、三田メディアセンター所蔵の『グーテンベルク聖書』という1455年頃の西洋初の活版印刷物がおそらく一番高価であるとのことだ。その値段は公開されていないが、本屋の丸善がアメリカのオークションで落札した際に、当時の日本円で7億8000万円であり、世界で最も高価な本で話題になったという。それを慶應が1996年に購入しているため、今ではより値段が上がっているのではないだろうか。

ちなみに、慶應は非キリスト教国およびアジアでこの聖書を持っている唯一の所蔵館である。なぜこの聖書をキリスト教の学校ではない慶應が持っているのかについては新たな謎である。

慶應はこの聖書や重要文化財などを含む貴重な資料をいくつかデジタルコレクションでも閲覧できるようにしている。

また、メディアセンターでは、高価な本もほかの本と同じように、書架に並んでおり、貸し出しもしているという。皆さんも本を借りるときに値段に注目することで、新たな発見があるかもしれない。

本の価値は"値段だけ"じゃない!

探検隊は最後に、司書さんが考える価値の高い本を聞いてみた。

「私個人が考える価値のある本は、一階にあるSFCコレクションです。知っていますか?」

「SFCができたばかりの調査報告書や『KEIO SFC GUIDE』の最初の号など30年以上前の当時のさまざまな資料を閲覧できます。非売品で、値段はつかないと思いますが、お金には代えられない価値があります。現在もSFCのシリーズものでは『総合政策学をひらく』などもあるので、暇なときに見ていただけると面白いと思います。30年前だと、SFC23の一年生からすれば皆さんの親世代だと思いますが、草木もないSFCに通った人たちがいたということを感じられ、後輩に向けてのメッセージなども書いてあるので、是非是非それも読んでいただきたいです」

SFCコレクションはカウンター横へ2月に移動した SFCコレクションはカウンター横へ2月に移動した

「他スタッフは値段と内容どちらが価値があるかという議論で"内容"と言っていました。電子書籍でのスワイプとは違い、物理的な本を手に持って読むことが楽しい、やっぱり体験として面白いんじゃないかというようなことを言っていました」

「他には、社史を知っていますか? 歴史のある会社の中には何十周年記念で会社の歴史を残しています。『映像でつづる日清食品の50年史』はDVDの他に飛び出す絵本もあるので見ていただくと面白いかもしれないです。社史の類が好きなスタッフもいました」

本の"値段"に注目して利用してみよう!

ただ資料を借りるだけでなく、本に着目してメディアセンターを回ってみると思わぬ「出会い」があるかもしれない。メディアセンターは発見の宝庫である。普段利用していない人も、ぜひ使ってみよう。

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