引き続き新型コロナウイルスの影響を被った2021年。しかし、ただ新型コロナウイルスに翻弄された2020年とは異なり、社会の進むべき方向が見えてきた1年間だった。そんな1年間をSFC CLIPの記事で振り返る。

ハンマー・アンド・ダンスの定着

依然として、新型コロナウイルス感染症の拡大と縮小が交互に訪れた。そのため、まん延状況に応じて対策の強化と緩和を繰り返す方針「ハンマー・アンド・ダンス」が、当たり前のものとして、すっかり定着した。

SFCでは、対面活動に対する制限の程度を決める「活動制限レベル」がたびたび変更された。

活動制限レベル(2021年7月21日版)※ 活動制限レベル(2021年7月21日版)※

新型コロナウイルス感染症拡大防止のためのリスク評価と活動制限目安より引用

結果としてSFCの授業は、完全オンラインで実施されたり、対面・オンライン併用で実施されたりした。

ワクチンがもたらした希望

日本では、新型コロナワクチンの接種が急速に進んだ。その後、感染者数と死亡者数が大きく減ったことにより、将来への希望がもたらされた。

義塾は6月から9月にかけて、義塾の学生・教職員や他大学の学生などに対して、新型コロナワクチンの職域接種を実施した。いくつかトラブルが発生したものの、接種回数は1回目と2回目の合計で98,027回に及び、義塾の学部生の接種率は約80%に達した。

ワクチン接種が進み感染収束への期待が高まる中、SFCや義塾における対面活動への制限が緩和された。7月にはSFCの指針が変更され対面活動が許される場合が増え、10月には課外活動申請が容易になった。

「新しい」形のイベント模索

感染対策を徹底すれば、対面イベントの開催も許容されるようになってきた。そのような中、「新しい」形のイベントとはどのようなものであるのか、本格的に模索され始めた。

義塾は、3月の卒業式、4月の入学式、9月の卒業式と入学式を、いずれも対面で実施した。また9月、対面の入学式に参加できなかった2020年度入学者を対象にした「2020年度入学生の集い」が対面で実施された。

11月、三田祭が対面で実施された。参加できるのは塾生、参加団体、参加団体の卒業生に限られ、事前にチケットを予約する必要があった。

また同月、2022年度からSFCの七夕祭と秋祭が合併すると発表された。2021年には、7月に七夕祭が、10月に秋祭が、どちらもオンラインで開催されていた。

七夕祭と秋祭の合併についてお話しくださった皆さん 七夕祭と秋祭の合併についてお話しくださった皆さん

コロナ禍でも止まらない社会の流れ

コロナ禍においても、刻々と時は流れ、常に様々な出来事が生起していく。新型コロナウイルスと無関係の出来事に対しても、目を向ける余裕が出てきた。

3月、SFCの隣に「湘南藤沢国際学生寮」が竣工した。慶應義塾の学生寮として初めてSFCの近くに建てられた。

湘南藤沢国際学生寮 湘南藤沢国際学生寮

4月に始まる学期からは、SFCの履修に関するシステムが変更された。2020年9月に授業システム「SFC-SFS」が停止されたことに伴って、新しいシラバスシステムと、履修者選抜システム「SOLA」が導入され、履修申告はkeio.jpで行うようになった。

7月、「湘南自治会」が投票により成立し、SFCに自治会が置かれることとなった。しかし、自治会成立の根拠となった投票の投票率は約4.6%だった。また、11月に実施された総会での投票率は0.4%程度と推測される。

10月、六大学野球秋季リーグにおける早慶戦の結果をもって、塾野球部が六大学野球の春秋連覇を成し遂げた。これは30年ぶりの快挙となる。

変えられるものを変える助けとして

振り返ってみると、2021年は、環境への向き合い方を意識させる1年間だった。新型コロナウイルスによる制約がありつつも、自由が取り戻されつつあった状況では、今ある自由を活用することが大切だった。

そういった環境において、変えられないものを受け入れ、変えられるものを変えようとする。このように一つ一つ歩みを進めていく助けとなれるよう、SFC CLIPは2022年も確かで深みのある情報を発信していく。

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