NERV(ネルフ)の起業家育成講座第1期生の決定を記念する開講式が4月23日(土)、辻堂のU-Port Shonanで行われました。今回は開講式にて起業家育成講座に込められた想い、そして第1期生の4名に起業したい気持ちに至った経緯や将来構想についてお話を伺いました。
(※感染症対策に留意した上で、取材を行っています)

答えのない時代を生き抜くための、起業という一つの手段

開講式次第 〜出会い、共感〜

  • 開講挨拶 株式会社NERV代表取締役社長 久野孝稔
  • チャレンジャーへの応援 CYBERDYNE株式会社代表取締役社長 山海嘉之
  • 関係者挨拶・塾生紹介・NERV宣言・講座説明

開会に際し、株式会社NERV久野孝稔代表取締役は挨拶にてNERV湘南の立ち上げに至った想いを述べました。New Energy for Revolutionary Venturesの頭文字をとったNERVは、新たな革新を起こそうとする起業家への「ニューエナジー」という意味を持っています。もう一つの語源は「Man of nerve(勇気ある人)」というフレーズからです。何かを成し遂げようと思って前に進み、第一人者になる勇気を持ってイノベーションを切り開いてほしいという願いも込められています。

選考課題の一つでもあった「大好きな言葉」についても、久野代表取締役自身は「鶏口牛後」という言葉を挙げ、「大きな集団や組織の末端にいるよりも、小さくてもよいから長となって重んじられる存在」と成るべく、第1期生に向けて想いを伝えました。

「起業家になる、口でいうのは確かに簡単です。ただ、実際に行動にうつすのは非常に難しい。皆さんには起業が当たり前の世界に身をおいていただき、起業を一つの手段にして世の中を変えていく、そんな人種になってほしいです」。

また、CYBERDYNE株式会社 山海嘉之代表取締役社長から「チャレンジャーへの応援」をいただき、人とデータが繋がっていく現代社会で挑戦する生き方をとる必要性を自身の経験から話されました。今回臨席いただいた関係者の方々からも祝辞が贈られました。

選ばれた第1期生の4名は「チャレンジャー」として紹介され、今回参加する講座を通して始まる新たな学びへの意欲、そして起業に取り組む決意を一人ずつ表明していました。

開講式を終えたばかりの4人へインタビュー!

—— 改めまして第1期生の決定おめでとうございます!

一同: ありがとうございます。

—— 今回の開講式を終えて、心境はいかがでしょうか。

松本さん: 今回このような場を設けていただけて本当に嬉しかったです。この機会を存分に活用して将来に繋げたいと思いました。

松本さん 松本さん

水戸さん: 他の受講者の方は社会人経験があるのに対し、自分は先日20歳になったばかりで社会経験も無いため一緒に活動できることを光栄に思います。開講式での起業家の方々のお話に、高い志を持たれている方ばかりだと感じました。自分も他の受講者や関係者の方を見習って取り組みたいと思いました。

水戸さん 水戸さん

村上さん: 実は、今日の開講式まで、他に何名塾生の方がいるかもわからなかったんですよ。

—— もしかして今日初めてお会いできたんですか?

村上さん: そうですね。勝手なイメージですけど、湘南エリアというのもあってSFC生がたくさんいる感じになるのかなと思いました。起業を考えた時に知り合いを作るのが一番大変だなと思うのでこういうコミュニティは大事にしたいですし、人数や規模感がちょうどいいなと思うのでこれから受けていく講座も楽しみです。1歳ちょっとの子どもがいるので、子育てをしつつ地域に根ざした起業をしていきたいです。

村上さん 村上さん

江本さん: 先ほどの開講式で「起業をする人は塾に行かない」という指摘があっていきなり驚きましたが、インプットよりも場が欲しい自分にとってこの塾は最適だと思います。色々な方々の期待値に答えられるように行動したいです。

江本さん 江本さん

—— 起業内容について現段階の構想などありましたら少しお話聞かせていただきたいです。

松本さん: 2018年より横浜市青葉区を中心として、舞台の上で演奏家と同じ目線で本格的なクラシック音楽生演奏を聞ける場を提供している団体に賛同し、協力アーティストとして出演をしています。そのような活動を湘南エリアにおいても是非広めていきたいと思っています。現在は子どもたちが稲に音楽を聞かせることによって稲の成長を記録したり、自然と触れ合ったり、また、バリアフリーで演奏会に参加することによって、子どもたちが自発的な発見をすることを促すプロジェクトにも関わっています。
他にも、コンサートよりも少人数の規模で、音楽を楽しんだり、体を動かしたり、楽器の演奏体験をしたりといった、「音楽遊びの会」にも出演しています。普段コンサートに行かないご家庭にもアプローチをして音楽をもっと身近に感じていただけたらなと思います。

—— 自然と掛け合わせた音楽、素敵です。

松本さん: やっぱり音楽というものは素晴らしい芸術ですので、芸術体験の一つとして子どもたちの周りで身近で、欠かせない存在であってほしいですね。

笑顔で現時点の構想を話す水戸さん(左)と松本さん(右) 笑顔で現時点の構想を話す水戸さん(左)と松本さん(右)

水戸さん: 起業したいという夢は祖父が起業して成功した姿を見て育ってきたのでそれが1番の影響だったのかなと思っています。現段階で起業について何も知らない状態なのですが、成功する起業家は社会のニーズを見極めているからこそだと感じています。

—— これからが楽しみですね!

水戸さん: 起業家の方々にインタビューをして物事の着眼点を得て、その過程でこれから起業する分野を見つけていきたいと考えています。

村上さん: 自分も明確には決まっていないのですが、コロナが流行し始めた時に子どもも生まれ色々環境の変化があった時に一番生活の質が上がったなと感じたのがUberEatsの存在でした。以前大阪のグルメ街に妻と二人で住んでいた時は気軽に行けていたのですが子どもがいるとそうはいかなくて。そのような時期にUberEatsがあったおかげで食べログ3.5以上のお店のご飯が日常的に食べられるようになりました(笑)。ちょっとした仕組みでも生活の質を上げられる、社会的な合理性のあるシステムを作りたいです。前は不動産というローカルな仕事をしていたので、地元でしか知られていない知恵や情報をインターネットと結び付けて経済的に合理性のある仕組みが作れたらと思い、会社の何名かとも話し合っています。

—— 行動にうつし始めている段階なんですね。

村上さん: 現段階ではいつか「がっちりマンデー」にこれで出たいなって感じです(笑)。痒い所に手が届くようなビジネスモデルが多いと思うのでそういうものを作れたらと思います。自分の人生として起業のプロセス自体も楽しんでいきたいです。

—— 自分の力でゼロから新しい仕組みを作り上げていくのはとてもやりがいがありそうです。

江本さん: 私は人の人生を豊かにするのは、「何を」するかではなく「誰と」するかだと思っています。人生を変えるような出会いがあったり。わかりやすい例で言えば結婚ですね。人と生きることで人生が豊かになると考えているので、人と人との繋がりを自分の大きなテーマとして活動していきたいです。婚活マッチングアプリなどは日本の特性を活かして急速に拡大しているビジネスなので、自分もこのような人との繋がりを構築するような事業を始めたいと思います。

—— 色々お話いただきありがとうございます。起業したい分野が一人一人異なっていて、着眼点の多様性を表していると思いました。ちなみに選考で印象に残っていることはありますか?

松本さん: 3次試験での面接官の方がとても気さくで面白い方でした。久野さんをはじめとしたNERVの方々のように、明るい未来に向かって邁進していこうという考え方をできる人は貴重な存在だと思います。私もそのような人たちと一緒に活動していきたいなと改めて感じました。久野さんのお人柄も大好きです。あのように堂々と自分の夢を語ることができる方はなかなかいないと思うので、このような方達と関われるのが楽しみです。

水戸さん: 面接してくださった方が自分の留学先の大学に2年間通われていて、その話題で盛り上がりました。テニスコートはナイターも使えるよ、とか(笑)

—— 面接だと緊張してしまいがちだと思うのですが、今回は楽しめたのですね!

松本さん: 今受けているインタビューのような感じでした(笑)

江本さん: そうですね。とても楽しく会話ができて、面接での出会いも自分にとっていい機会にしようという面接官の方のマインドが素晴らしいなと思いました。

村上さん: より面接らしい話題と言えば、3次面接で印象に残っている本について聞かれました。私が以前新卒で入社したその日に会社で不祥事があって。その時の心のもやもやを上手く言語化できなかったんですね。そのような状況で読んだ本「言葉にできるは武器になる」の内容がしっくりきて、面接では準備していた内容ではなかったのですが(笑)その話をしました。自分の心の中に湧いてきた言葉を相手にわかりやすく伝える難しさを感じていたからこそ、この本がパッと浮かびました。これまでの自分なら起業したいと思ってもなんとなく放置して終わっていたのですが、行動に移すという段階までできるようになったのはこの本のおかげだと感じています。

—— ありがとうございました。

塾生プロフィール

松本さん: 20代。慶應義塾大学大学院1年。ヴァイオリニスト。2012年度明治安田生命クオリティオブライフ文化財団海外音楽研修生、平成26年度文化庁新進芸術家海外研修制度研修員としてウィーンに留学、ウィーン市音楽芸術大学及び大学院をどちらも最優秀の成績で卒業&修了後、慶大総合政策学部に入学、2022年3月卒業。演奏活動の傍ら、渡辺光博研究室に所属しヴァイオリン生演奏が生物に与える影響に関する研究を行う。横浜市在住。
Instagram: @hirokamatsumoto  YouTube: Hiroka Matsumoto Official

水戸さん: 20代。慶應義塾大学理工学部3年。応用化学科に所属。材料系を研究志望。学生時代に簿記、IELTS、FP、ITパスポートなど幅広い分野の資格を取得。長後の街を再建するためのプロジェクト「長後未来会議」に参加。商店街の方々と連携をとり、若い世代を呼び込むためのイベントやプラットフォームの作成を検討中。2022年9月に米国カリフォルニア大学サンディエゴ校への留学決定。主にビジネスについて学び、現地の企業との繋がりを望んでいる。横浜市在住。

村上さん: 30代。神奈川県横浜市出身。15年慶應義塾大学経済学部卒。株式会社東芝に新卒入社し、17年よりリクルート住まいカンパニー入社。中小〜上場マンションデベロッパーに対してソリューション営業。21年転勤をキッカケに湘南辻堂に移住。学生時代の友人、元同僚と起業を検討中。

江本さん: 30代。高専卒。大手電機メーカー会社、スタートアップ支援会社を経て、2022年上期に起業予定。湘南辻堂在住。(都合により、現在活動休止中)

塾長 久野孝稔

日本公共政策学会(PPSAJ)会員
日本デザインコンサルタント協会(JDCA)会員
神奈川県立産業技術総合研究所 科学技術コーディネータ
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任助教
株式会社NERV代表取締役

お知らせ

・NERV Shonan 第2期生(10月開講)募集要項 7月21日発表
・SFC生からのキャリア相談随時受付中(初回相談料 無料)
 起業に興味のある方
 自分の職業適性についてアドバイスを得たい方
 英語コミュニケーション能力を高めたい方
 湘南の知り合いを増やしたい方
連絡先 [email protected] 久野までご連絡ください。

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