TEDxKeioU Salon 2024「逃走線」が開催
2024年12月8日(日)、TEDxKeioU Salon 2024「逃走線」が開催された。SFC CLIPはメディアパートナーとして協賛、当日取材を行った。
TEDxKeioUはTEDの精神と慶應の理念をかけ合わせた唯一無二のTEDxイベント
TEDxKeioUとは、現役慶應義塾大学塾生が、アメリカに本部を置くTEDから公式にライセンスを受け運営している団体である。
TEDが掲げる"Ideas Change Everything" の精神のもと、TEDx(テデックス)というコミュニティが世界150ヶ国以上で発足している。
TEDxの『x』はイベント運営の独立性を意味し、TEDの正式なライセンスを取得しながらも、人選や運営などは独立して行う。
世界各地で開かれたTEDxはこれまで1万回以上に上り、TEDxWoman、TEDxUniversityなど各テーマに応じたイベントも開催されている。
TEDxイベントの中で慶應生が中心となって運営しているのが「TEDxKeioU(テデックスケイオウユー)」である。
TEDの"Ideas Change Everything" と、慶應義塾の「半学半教」「自我作古」「社中協力」の理念をかけ合わせ、唯一無二のTEDxイベントを企画・運営しており、さまざまな学術分野に特化して精力的に活動しているゲストをSpeakerとして講演に招くなど、多様な知見を共有する場を多数設けている。
SFC CLIPは今回、メディアパートナーとしてTEDxKeioU Salon 2024「逃走線」に協賛するとともに、当日慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスθ館にて開催されたイベントへ実際に参加し、取材を行った。
オープニングではx-Music Labがパフォーマンス
TEDxKeioU Salon 2024「逃走線」は圧巻のパフォーマンスとともに開幕した。
会場中の参加者を「逃走線」の世界観へ一気に引き込んだのは、x-Music Labの藤井進也准教授と環境情報学部4年(当時)の吉田慧悟さんだ。
「逃走線」をイメージしたビジュアルと音楽による大迫力のオープニングアクトは、イベントの幕開けを華やかに彩った。
今回のテーマは「逃走線」
TEDxKeioUが開催する第4回目のイベントとなる今回のテーマは「逃走線」。
“ 枠組みからの脱却、未知の発見、可能性の拡張。
終わりなき逃走の軌跡は、やがて君のキャンバスに逃走線を描き出す。”
というコンセプトをもとに、才気あふれる人物による講演をはじめ、さまざまなプログラムが用意されていた。
「逸脱を伴う好奇心の追求=逃走」と捉え、既存の枠組みや「あたりまえ」から脱却し、純粋な好奇心に身を任せて自分の人生を突き進もう。こうした思いが「逃走線」というテーマには込められている。
今回のイベントは、取材した私も思わず「逃走線」を描き始めずにはいられないような、大変刺激的な構成となっていた。
幅広い分野のTalk Session
今回は三人のSpeakerが各々の思い描く逃走線を語った。
それぞれ全く異なる観点から展開される「逃走線」の軌跡は、私たちの可能性を大きく拡張してくれた。
「逃走が自分らしい生き方を追求する出発点」 木口佳南さん
1人目のSpeakerは、大阪国際工科専門職大学(IPUT大阪)工科学部情報工学科AI戦略コース4年(当時)の木口佳南さん。高校時代に出会い、進路選択を大きく左右するまでに魅了されたAIや、それに伴う「逃走」の可能性について、自身の経験も交えて語った。
AIによる新たな可能性を提示する木口さん 提供:TEDxKeioU
彼女によれば、「逃走」こそが自分らしい人生を切り拓くための第一歩だという。
AIの発達によって「好きなことを仕事にできる社会」が現実味を帯びつつある──そんな未来へのビジョンを、彼女は情熱を込めて語った。
既存の社会規範を軽やかに飛び越え、AIとともに自身の可能性を広げていく彼女の軌跡は、まさに「逃走線」と呼ぶにふさわしい。
変化を恐れず常に挑戦と進化を続ける木口さんの姿勢に、私も大きな刺激を受けた。
「大きな困りごとは仲間を集めるきっかけ」 信岡良亮さん
2人目のSpeakerはさとのば大学発起人、株式会社アスノオト代表取締役の信岡良亮さん。彼は都市での資本主義に縛られた生き方に疑問を抱き、偶然出会った離島での生活に「逃走」した。
壇上では、その生活を通して確立した「皆のために困ることは優しいことである」という感覚と、持続可能なコモンズ(共)のあり方について語った。
「コモンズ(共)は実践と研究の場所」と語る信岡さん 提供:TEDxKeioU
都会から離島へ、そして離島から日本全国へ。彼の目線は暮らしの中で得た気づきとともに着々と変化してきている。
離島での生活を通して得た「大きな困りごとは仲間を集めるきっかけになる」という気づきを原点に、コモンズ(共)の感覚を認識し、その構築のためになされた活動は大学の設立にまで及ぶ。
彼の尽きることのない行動力と分析力、そして日本の未来を思う真摯な姿勢に、私は強く胸を打たれた。
「ワクワクすることは全部やる」 永原陵司さん
3人目は慶應義塾大学理工学部機械工学科3年(当時)の永原陵司さん。「未知への探査を続ける~Exploring unknown places~」というテーマで、これまでの挑戦の軌跡と原動力となった考え方やモットーを熱く語った。
「まずやってみることを大事に」という永原さん 提供:TEDxKeioU
彼が大事にしているマインドは「まずやってみる、ワクワクすることは全部やる」だという。
このマインドが彼自身を動かし、更なる未知の世界への「逃走線」を描いているのではないだろうか。
好きかどうか、やりたいかどうかは行動してみないとわからないという言葉に、私自身も大きく心を動かされた。
トークを踏まえて自分の「逃走線」を考える
Talk Session後、参加者を主体とするWorkshopが行われた。
入場時に配られたワークシートをもとに、参加者各々がこれまでの人生を振り返り、出来事における当時の自分が能動的か受動的かを縦軸に、時間を横軸としてそれぞれの「逃走線」を描いた。
その後、自分が逃走した経験を一つ取り上げ過去を見つめ直し、それを他者と共有し合った。
参加者は各々が大切にしているマインドに気づくことができ、これからの「逃走」を後押しするきっかけとなっただろう。
Partnerによるワークショップも充実
θ館でのTalk SessionとWorkshopの後、参加者は2つのチームに分かれ、交代でPartnerの株式会社デンソーと株式会社ドームによるPartner Workshopに参加した。
株式会社デンソーによるワークショップ
先進的な自動車技術、システム・製品を提供するグローバルな自動車部品メーカーの株式会社デンソーは、最先端のロボット技術を参加者自ら体験できる場を設けた。
特に、ロボット技術と生成AIを組み合わせ、参加者との対話を通して好みを分析しおすすめのガチャガチャを紹介してくれる「ガチャガチャコンシェルジュ」は参加者の注目の的となった。
注目を集める「ガチャガチャコンシェルジュ」 提供:TEDxKeioU
株式会社ドームによるワークショップ
アスリートを直接サポートし、アスリートを進化させる「スポーツプロダクト事業」を展開する株式会社ドームによるワークショップでは、「価値」とは何かを考えるヒントとなる事例の紹介したのち、参加者がグループに分かれてディスカッションを行った。
参加者は自らの考える価値について、具体例を用いて初対面の人と話すことで、価値という概念がより具体化されたのではないだろうか。
Afterpartyでは交流が生まれた
Talk SessionとWorkshop、Partner Workshop終了後はAfterpartyが開催された。
Partnerにより提供されたピザやドリンク、endoresにより提供されたパンなどを片手に、参加者が交流を楽しむ様子が見受けられた。
次回は2025年6月8日(日)に開催予定!
今年度は、6月8日(日)にTEDxKeioU 2025 "Boom!!"が日本科学未来館7階の未来館ホール他にて開催予定である。
参加者は充実したセッションを通して自分自身を見つめ直し、他者との対話からこれまで各々がたどってきた逃走線を認識できただろう。そして、これからの逃走に向けての一歩を踏み出せる機会となったのではないだろうか。
みなさんもぜひ参加して、様々な分野で活躍する人々に刺激を受けてみてほしい。
なお、会場やSpeakerに関する情報は、TEDxKeioUの公式Instagramおよび公式ウェブサイトにて既に公開されている。ぜひ確認しよう!