藤沢駅周辺のバーは、ほとんど南口に集中していて、北口側で適当な飲む場所を探そうとしても、なかなか見つかりません。しかし、だからといって最初から南口に歩を進めることもありません。北口にはケインズがあります。本日も、平野雄大さん(総3)が、ケインズこと「Bar Cane’s」を紹介します。


 Bar Cane’sは藤沢駅北口から、西側に歩いて無印良品を通り過ぎてちょっと歩いたところにある野口ビルの2階にあります。わかりにくいところにあるので、詳細は<a hreF="http://www.barcanes.com/" target"_blank">ケインズの行き方案内をご参照あれ。
 野口ビルの急な階段を登って扉を開けて、まずあなたの目に飛び込んでくるのは圧倒的な量の酒瓶です。バックバー、カウンター、酒棚などにウイスキー、ブランデー、ラム、日本酒、焼酎などたくさんの種類のお酒が置いてあります。レコードやCDの枚数も相当なもので、お店の一角を音楽ソフトの棚が占めています。天井の網にはお酒の箱が散りばめられていて、プラネタリウム鑑賞のように、ソファに座って天井を眺めつつ、「あれってどんなお酒だっけ?」指差して話したりもできます。
 そんなわけで、このお店はお酒の種類が豊富です。日本酒や焼酎を置いているお店で、申し訳程度に「ウイスキーもありますよ」といった感じで別のお酒を置いているお店も多いのですが、ケインズにはどのお酒を飲むにしても「一通り揃えました」というレベルをはるかに超える本数・ブランドが揃っています。ですから、ある人はスコットランドのシングルモルトウイスキーを飲みつつ、その横で別の人が焼酎を立て続けに味わっているという、ほかのお店ではなかなか考えられない光景も見られます。
 表に出ているお酒だけでもこんな様子ですから、ビールやカクテルなどにも手を抜いていることはありません。フルーツカクテルの果物は全て生のものを使っていて、季節ごとに旬の果物を使ったカクテルを味わえますし、ビールも常に珍しい銘柄が用意されています。
 また、お酒以外でも,藤沢近辺の自家焙煎のお店のコーヒーも飲めるようになっていますし、このお店は藤沢では数少ない葉巻を常備しているバーでもあるんですよ。行くたびに新たな発見のあるお店です。
 そして、バーというのはお店によってお客さんの客層が偏っているところも多いのですが、ケインズには本当にさまざまなお客さんがいらっしゃいます。酒の席とはいえ誰彼構わず話しかけるのはマナーがないですね。けれど時に、思わぬつながりを発見したりして意気投合するのもバーの楽しみ。私も今までいろんなお客さんと知り合って、楽しい時間をご一緒させていただきました。
 落ち込んでいたときに声をかけられた電機メーカーの課長さんと数時間後にはビールの大ジョッキで乾杯していたり、コーヒー豆を買うついでにちょこっと寄って飲んで買えるつもりが、思わぬパーティーに遭遇しておすそ分けのお酒もいただくことになったり、偶然隣に座ったドイツ人のコンサルタントの方と日本のウイスキーの話題で盛り上がって、片言の英語で会話していたら、実はお連れの方が慶應のビジネススクール出身の人で…という調子で初対面の方といろいろとお話をさせていただいたエピソードは、数え始めるとキリがありません。
 そんなわけで北口にはこのようなハード、ソフト共に充実した名店も目立たないところに隠れています。いきなりあの怪しい階段を登るのも気が引けるかもしれませんが、マスターもお客さんも皆さんいい方ですよ。それにマスターのゲンさん、大学は違えど実は「総合政策学部卒」なんです。勇気を出して、階段を登ってみてはいかが?
[Bar Cane’s]
TEL:0466-28-5584
住所:神奈川県藤沢市藤沢991 野口ビル2階
営業時間:19:00-27:00
     16:00-27:00(土日祝)
予算:1,000-3,000円(一人当たり)

–平野雄大 略歴–
総合政策学部3年
学内での活動:学生ガイド、クラブ「D」メンバー、KEIO SFC REVIEW編集委員。
・1984年
 長崎県諌早市生まれ 現在20歳。
・2003年
 福岡県 筑紫台高校を卒業。
 卒業記念に友人にコーヒーミルをもらう。コーヒーに凝り始める。
 SFCに進学のため藤沢市に転居。辻堂在住。酒類量販店までチャリで5分。
 藤沢駅周辺のレストランやカフェなどを巡り始める。
・2004年
 ウイスキーに開眼。藤沢駅周辺のバーに通いつめる。
 夏に銀座の某社にてアルバイト。帰り道に東京-横浜周辺ホテルのバーを探索。
 友人にレストランやバーのアドバイスを求められるようになる。
現在、「ウイスキーエキスパート」取得に向け勉強中。