前回、CDPオフィスが学生の相談に応じるサービスを紹介した。そこに寄せられるSFC生の進路への悩みとは?また具体的にどういったアドバイスをしてくれるのだろう。


 今回、CDPオフィスで学生の相談に応じている原隆一郎さんに話を聞いた。
–SFC生から多く寄せられる相談内容を教えてください。
 時期によって異なりますが、今頃(1、2月)はエントリーシートに関する相談が最も多く、次いで、どのようにして志望業界や志望企業を選べばよいかといった漠然とした相談内容が多いです。エントリーシートに関しては、細かな添削はできませんが、内容の構成や全体的な講評を中心に相談に応じています。
 今後、3,4,5月にかけては相談件数が増え、その内容も変化していきます。特になかなか採用試験を突破することのできない学生から、面接試験について多く相談を持ちかけられます。これが最も難しい問題です。特に、小手先のノウハウではなく、一朝一夕では変えることのできない本人の性質に原因がある場合、私たち(CDPオフィス)がお手伝いできる部分は非常に限られてしまいますから。
 ちなみに、1日あたり2件程度の相談がある現在にくらべて、夏と秋は相対的に相談件数が少ない時期ですね。
–CDPオフィスから見えるSFC生の強みを教えてください。
 目的が明確で、それをすぐに行動にうつす、アクティブな学生が多いですよね。このような特性は企業でも求められるものなので、就職活動では特にアピールできるポイントだと思います。
–では、逆にSFC生の弱みは何だと思われますか?
 目的が明確であるがゆえに、関心のないこと、自分達のグループの外の人や物事に対して排他的になりがちです。就職活動では「広告しかできない」とか「大企業じゃなきゃ駄目だ」などと決めつける傾向があるので、もっとやわらかい気持ちで挑むことをおすすめしています。世界は皆さんが思っている以上に広いですから、インターネットで調べるだけでなく、いろいろな企業の人に実際に会ってみてほしいと思います。
 ですから、今年はおそらく初めての試みであるベンチャー企業セミナー『ベンチャーを語る』を企画しました。熱い思いを持った現役のSFC生がSFCの卒業生でもある起業家と積極的に議論している様子を見て、狭くなりがちな視野を広げられたという手ごたえがあり、嬉しかったです。このような機会を通して、企業というと大企業ばかりに目を奪われるのではなく、ベンチャーなどさまざまな働き方を知ってほしいと思います。
–CDPオフィスで学生の相談に応じるのは、どういった経験を持つ方なのですか?
 私を含めて2名います。1人はキャリア・カウンセラーの資格を持ち、SFCのCDPオフィスにつとめて4年になるベテランです。私は2004年にあるメーカー企業の営業職から慶應義塾に転職してきた者です。企業で働いた経験を生かして、学生さんをサポートできればと考えて働いています。
–学生の相談に応じるうえで、原さんが具体的に心掛けていることがありましたら教えてください。
 閉鎖的になりがちな大学のなかで、常に企業動向や社会状勢に通じていることを心掛けています。情報源としては、ビジネス誌や新聞、また、前職の友人や大学時代の友人ですね。いまでも、前職の飲み会には顔を出しているんですよ(笑)。
–最後に、進路について考えているSFCの学生へエールをお願いします。
 SFC生であることに自信を持ってください。就職活動ばかりに取り組む必要はありません。皆さんが積極的に取り組まれている活動をがんばっていれば、企業は皆さんのような人材を必要としていますから、必ず結果はついてきます。