応募に必要なのは紙1枚の参加用紙だが、実現までの道筋が決まっている。それが、SFC Open Research Forum 2006の中で、新たに行われる「まちづくりアイディアコンテスト」だ。徐々に明らかになったその詳細を取材した。


 ORFでは例年「Digital Art Awards」と「SFC Entrepreneur Award」が行われてきた。「まちづくりアイディアコンテスト」は3つ目のコンテストとなるが、その性質は大きく異なる。このコンテストで必要なのは、 A4で1枚以上の応募用紙だけ。過去の活動実績も研究成果も関係なく、1つのアイディアだけで応募することができる。さらに、1人で多数のアイディアを応募をすることも可能。
 コンテストの課題は「新たな街での新しいサービスのアイディア」となっているが、コミュニティ、ビジネスアイディア、商品などその対象は極めて広い。必要なのはアイディアだけで、実現までのプロセスはコンテストで問われない。これらは、SFCの近隣で計画されているツインシティの開発で、実空間に落とし込まれることを前提としている。
 応募資格は「SFCに何らかの関わりをもっている、もしくはこれから持とうとしている」と抽象的に定義されており、団体での応募も可能。学生や教員の垣根を越えて「SFCの住人」の面白いアイディアを広く募りたいという狙いが込められている。
 このコンテストの最大の特徴は、企業・自治体の提供による日立製作所・野村総合研究所・神奈川県による3つの特別賞だ。日立製作所代表執行役執行役社長の古川一夫氏などそれぞれのトップが審査に参加する上に、賞ごとに商品や資金、継続的なコンサルティングなど、アイディアを形に変えるまでの受賞者へのサポートが約束されている。
 このコンテストについて運営を担当する梅嶋真樹政策・メディア研究科講師はSFC CLIPの取材に対し、熱く語った。
「僕が学生時代に理想として描いていたコンテストを実現してみたんです。誰でも参加できて、参加準備が全く要らない。つまりエントリーバリアがないコンテストです。
 学生は色々なアイデアを持ってるんですよね。こんな商品あったらかわいいなとか、こんなサービスがあったら面白いなとか。でも、アイデアを言っても、先生に直されたりして、自分のアイデアではないものになってしまうことがよくありますよね。もうそこに愛はない、みたいな(笑)。このコンテストへの応募には教員の許可はいらないから、自分のアイデアを直接出すことが出来ます。ORFでアイデアを発表できる場を作ったので、実現したいことを気軽に出してみてほしい」
また、来年以降の開催についても前向きで、今年の成果が来年に繋がることに期待を込める。
 評価基準は、新規性・独自性・実現可能性、そして各特別賞ごとの基準だ。応募期限は11/9(木)。まずは、気軽にアイディアを1枚書いてみてはどうだろうか。

梅嶋真樹講師