土屋大洋総合政策学部長、脇田玲環境情報学部長、加藤文俊政策・メディア研究科委員長らは21日、新型コロナウイルス感染症へのSFCの対応状況や今後の見通しについて、それぞれの立場からコメントを発表した。

3役からメッセージ 今後の対応は明言避ける

「『3役』が、それぞれちがったことばでメッセージを綴ることに意味がある」と加藤委員長はコメントのなかで述べている。今後のSFCの対応については明言を避けたが、先行きが見えない学生生活で不安の中にあるSFC生たちに今伝えたいことを述べている。コメントの全文はこちらから確認できる。

「未来に備えて」 土屋総合政策学部長

土屋学部長は冒頭で「大学への影響は、当初の予想よりも長く、深刻になっていることは否めません」と現状に触れた。

また、現在のコロナ禍だけでない非常時に向け「これからの皆さんの人生においても、どうしようもない状況に置かれることがあるでしょう。その状況においてできることを見つけ、未来に備えることが、少しでも前向きに過ごすために必要ではないでしょうか」と学生に呼びかけた。

「学生の皆さんへ」 脇田環境情報学部長

新型コロナウイルスの感染対策のため、キャンパスの入構や施設利用を含む、キャンパスでの活動が思い通りにできない学生が多いのではないか。このような学生に向けて、脇田学部長は「独立自尊の精神に基づいて、キャンパスに来る必要があるのならば、胸を張って入構してください」と伝えた。

全身全霊で研究等の活動に励む学生にエールを送ったほか、「持病のある方や不安を感じている方も多くいますので、そのような方への配慮も忘れないでください」という呼びかけも行った。

また、今後も週に1回程度のペースでメッセージを発信していくという。

「いまこそ、コミュニケーション。」 加藤政策・メディア研究科委員長

加藤委員長は現状を「他キャンパス・他大学の状況とくらべたり、あるいはまちを歩いたりすると、複雑な気持ちになります。制限されることがたくさんありながら、余所とくらべると、不公平だと感じることもあるでしょう」と学生の不満に寄り添った。

一方で、キャンパス入構などの判断は「なにより、いま直面しているのは人の命にかかわることだという理解のもと」、「慶應義塾の判断をふまえながら、SFCの特質を考慮して」の決断だと伝え、「何かが起きてからでは、もう遅い。とにかく、ぼくたちの『キャンパスライフ』を守りたい」と現状の決定を再度伝えた。

またコミュニケーションを専門にする加藤委員長は現状を「効率性や利便性を享受する」一方で、「メールに書いてあります」「ウェブを見ておいてください」などの事務的な連絡に「さまざまな『余白』がそぎ落とされている」ことが気がかりだとしていた。

「他者への想像力は、忘れずにいたい。たとえ離れていても、画面越しであっても、自分を成り立たせている誰かが、かならず向こう側にいます。いつも以上に、つまり、いまこそ、コミュニケーションに自覚的に暮らすことが求められているのです。声をかけあうこと、名前を呼び合うことの大切さは、つねに意識していたい」と改めて学生に呼びかけた。

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