24日(月)、「1年遅れのテイクオフラリー」と銘打たれたSFCホームカミングデイ2011が開催された。会場はSFCθ館及び生協食堂。

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まずθ館にて第1部、トークイベント「3.11プロジェクト」が行われた。最初に全体での塾歌斉唱が行われ、その後村井純環境情報学部長、國領二郎総合政策学部長による挨拶で開会となった。

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開会後、まず池田靖史政策・メディア研究科教授によるトークイベント説明が行われた。池田教授は、昨年の東日本大震災発生時、SFCで撮られた写真を紹介し、3.11が色々なこと考えさせられるひとつの節目となっていると述べた。それを受けて行われたSFC 3.11プロジェクトのWEBサイト活動や、現地での活動を一通り紹介した。そして、そういった教員の取り組みではなく、学生が学校を通じて始めたプロジェクトや、卒業生がSFCというコミュニティを通じて始めたプロジェクトを本日紹介したいと述べた。

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現役生や卒業生による3.11に関連したプロジェクトは、各々の代表者がプレゼンテーション形式で紹介していった。清水健佑さん(環3)は、研究室の垣根を越えた活動に広がった気仙沼復興プロジェクトについて、自身の経験と心情を述べ、活動の周知と協力を呼びかけた。
 澁谷年子さん(政・メ1)の気仙沼おさかなプロジェクトは、気仙沼小学校で行われた魚のピースによるアーチ作りワークショップのプロジェクトだ。このプロジェクトではWEBサイト「READYFOR」にて活動資金を募り、協力してくれた人に感謝すると共に、魚のアーチで使われたものと同様の形をしたキーホルダーなどをプレゼントしたという。
 野口明子さん(政・メ1)の南三陸町コミュニティハウスプロジェクトでは、地域を繋ぐ為の仮設コミュニティハウスに、日本人特有のお風呂を通したコミュニケーションを取り込んだ新しいコミュニティハウスを提案し活動を行っている。
 座間聖季さん(総4)は絵本プロジェクトの紹介を行った。被災地の子供たちへの教育支援として、自身のボランティアでの経験を踏まえ、遊びを取り入れた勉強を提供している。
 特定非営利活動法人NPO カタリバ代表理事の今村久美さん(02年環卒)は、自身のカタリバでの活動を通して得た経験を元に活動をしている。被災地の子供たちに勉強ができる場所の提供と人材支援を行っているという。無償で行われているこの活動は、多くのメディアで紹介された。
 現役生、卒業生による復興プロジェクトを紹介し終えた後、ゴスペラーズの北山陽一さん(98環卒)が登壇し、「喋ることはない」と言った後、メッセージ代わりとしてビリージョエルの『ララバイ』の英語歌詞と、サイモン&ガーファンクルの『明日に架ける橋』が歌われた。
 最後に、W+I&SによるダンスパフォーマンスとUNICORNSによるチアリーディングが行われ、第1部は終了となった。

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その後、会場を生協食堂に移して、第2部の懇親会が開催された。会場では立食パーティーのような形で様々な食事や、卒業年度別のテーブルが用意されていた。その他会場には、卒業年度別に自分の名刺を貼ることができるスペースが設けられた。名刺を見ることで、SFCの卒業生がいまどこで活躍をしているのかを知ることができた。

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会場が和気靄々としてきた頃に、國領学部長の呼びかけで、会場に来場している退職された先生方の挨拶が企画された。初代環境情報学部長の相磯 秀夫氏、1995年-2001年に環境情報学部長を務めた斎藤 信男氏、初代看護医療学部長の吉野 肇一氏2005年に退職された苗村 憲司氏と、次々に挨拶が行われた。そして、村井学部長と北山さんによる音頭での乾杯が行われた。その後は、終了時刻まで来場者同士の交流が行われていた。先生を取り囲んで行われる談笑や、昔懐かしい卒業生同士の交流が見られた。

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そして、終了時刻が近づくと北山さんによる挨拶と、会場にいる全員での若き血が歌われ、ホームカミングデイは終了となった。ただ、終了後もSFC各教室では、研究会毎やサークル毎で卒業生や現役生による交流が行われた。
 最後に、村井学部長、國領学部長は以下のようにコメントした。

村井学部長… 2011年のテイクオフラリーが開催できなかったことが切っ掛けとなり、卒業生が集まろうという気持ちになった、そういう気持ちを共有できたことがよかった。また、θ館で開催されたシンポジウムで、現役生や卒業生がどういうことをやって自信をもって生きているのかを共有できたので、その他色々な機会で現役生と卒業生を結びつけることができてよかった。そして、卒業生と現役生を結びつけるような、今回のホームカミングデイのような企画がより活発に開かれるようになればいいと思っていたので、良い切っ掛けになったと思う。次の年度でみんなで企画を計画して実行してくれると思う。そうやって、卒業生とキャンパスとの連結がうまくいってほしいと期待している。
國領学部長… いい雰囲気で開催できたのがとても良かった。ただ、周知が難しくてどれくらい皆様に伝わったのか、反省点もあるし課題もある。ホームページを立ち上げ、Twitterやfacebookを使ったり、招待状を送ったりしたが……他に周知の方法があればやっていきたい。そして、卒業生とのコミュニケーションを守るということはとても大切なので、定期的にやることで自然と良い形ができていくのではないか。昔の先生方をお呼びしたことで、大勢の方に喜んでもらえた。また、今回のシンポジウムでは震災後に活躍している卒業生が紹介されたが、色々な場所でSFCの卒業生が大きな役割を果たし、活躍していることを知ることができて良かった。立場上、ホームカミングデイ以外でも卒業生に会うことがあるが、SFCの卒業生は問題意識を持って自分で考え活躍している。これはとてもすごいことだ。

また、國領学部長は次回開催についてもコメントをした。
「来年も何らかの形で開催する。ただ、今回みたいな形式やタイミングが良いのか、話し合う余地はある。今回は去年開催できない悔しさから、色々議論していく内にテイクオフラリーがないことが嫌だねって話になって企画された。ただ、テイクオフラリーは学生が自発的にやるもの。企画をする立場の学生は既に卒業しているのでホームカミングデイに組み込んでやろうと言う話になった。結果として今回はこのような開催になった。」