慶應義塾大学は1日(火)より、義塾全体で節電対策の一環としてクールビスを実施すると公式WEBサイト上で発表した。節電対策の一環としてのクールビズだ。今年も義塾全体で様々な節電対策が取られる予定だが、SFC全体のクールビズの状況や、節電対策はどうなっているのだろうか?


 今回話を伺ったのは、湘南藤沢事務室総務担当の矢ノ目優さん。

元々クールビズなキャンパスだったSFC

今回のクールビズは、節電対策の一環です。そもそもの話として慶應義塾では服装規定が厳しく指定されているわけではないです。制服指定がされている職員以外は、普段からネクタイをしていなかったり、ポロシャツを着ていたりする職員はいます。さらに、SFCは他キャンパス以上に服装が自由なところがあります。

(無題)SFC事務室の様子

SFCはずっと節電しているキャンパスだった?

節電対策に関して、昨年までの体制と特に変える点はないですが、状況が違うので、節電の訴え方は変わると思います。
 昨年は、電力使用制限令が発令され電力消費量が多いとペナルティがつく状況だったため、声を大にして節電を訴えました。さらに、昨年は全塾での節電取り組みを行いました。病院設備があり、あまり節電ができない信濃キャンパスを他のキャンパスでカバーしようという体制だったので、20%以上の節電がSFCで求められました。そして、昨年はこの節電目標を達成することができました。
 達成できた理由としては、節電の努力もありましたが、ガスコージェネレーションシステムという、ガスを使った発電と、その際に発生する排熱を冷房や給湯につかうエネルギーシステムを利用したことがあります。ガス代の値上がりでコストが増えたために使っていなかったシステムを、節電対策の一環として使用しました。それに加え、SFCでは300kw級の発電機をレンタルしました。3月に7回もの計画停電に晒されたSFCに、安定した電力供給を行いたかったのです。
 これらの発電機を電力消費量ピーク時に利用するなどして、電力消費量の引き下げに成功しました。つまり、昨年はある程度コストを度外視して、節電していたいのです。

(無題)節電対策のひとつ、自動ドアの電源オフ

今年はそのような制限令はないですが、世の中全体で電力が足りていないことに加え、電気料金の値上げで電力消費コストも上昇しています。昨年は発電機を使ってピーク時の電力消費量を抑えるという形でしたが、今年はコスト面を考えてなるべく消費量を下げたいと考えています。

今年は不便は増えない?

今年も昨年と同様に節電をお願いしたいです。昨年より制限が緩和される予定で、学生に不便が生じるレベルも下がると思います。例えば、昨年は電力消費が多い大教室の利用を制限していましたが、今年はそのような規制は行わないつもりです。
 冷房などに関しても、特に集中管理で制限しているということはありません。教室の利用者は自主的な冷房管理をすることになっています。ただ、そのような中でも学生たちの行動に変化があるように思えました。照明や冷房がきちんと消されていたり、冷房を使わず窓を開けて涼んだり、学生側にも節電への意識が芽生えたように感じました。

(無題)エレベータも節電掲示が

昨年はある意味命令での節電でしたが、今年は努力義務です。環境と名のつく学部を有するキャンパスだからこそ、意識を持って節電に取り組んでほしいです。昨年とは違い、電力供給状況は例年並みになっています。制限も緩和されます。だからこそ、学生には自発的な節電を期待しています。

あり方を含め検討中の節電本部

昨年、SFC節電本部が設立されましたが、そのあり方を含め、現在は今後の活動について話し合っています。クールビズなどを含めた、様々な節電対策が提案される可能性があります。また、昨年のグリーンカーテンのような、教授や学生による節電プロジェクトが企画される可能性もあります。今後も節電本部の活動に注目してほしいと思います。