湘南藤沢キャンパス(SFC)には総合政策学部と環境情報学部のほかにもう一つ学部がある―それが看護医療学部だ。総環キャンパスから徒歩10分で行けるにも関わらず、総環の学生でさえあまり知らない。しかし、義塾の看護医療学部はほかの看護系大学とは一味違う。そんな看護医療学部の内側をSFC CLIP編集部が連載「看護医療学部特集」でお届けしていく。

ほかとは一味違う幅広い環境

看護医療学部は、看護学を学び、看護師を養成する学部だ。規定のコースを終えれば保健師、助産師にもなることができる。看護師の国家資格を取得するために4年間かけて1学年約100人ほどの学生が学ぶ。1、2年生は湘南藤沢キャンパスで学び、3年生は慶應義塾大学病院(新宿区信濃町)での実習のために信濃町キャンパスで、4年生は選択したコースによって湘南藤沢キャンパスか信濃町キャンパスで学ぶ。

看護医療学部公式ホームページ 看護医療学部公式ホームページ

多くの大学の看護系学部は、単科大学でなければ医学部と同じキャンパスにあるなか、義塾の看護医療学部は総合政策学部と環境情報学部と同じ場所にキャンパスがある。そのため、看護医療学部の学生は看護に関する内容に限らず様々な学問を学ぶことができる。例えば、アラビヤ語やマレー・インドネシア語も選択でき、これは看護系学部としてはきわめて珍しい。
 サークルも総環と合同のものが多く、なかには日吉キャンパスなど他キャンパスのサークルや体育会に参加する学生もいる。文理問わず幅広い視点からの理解が必要とされる看護学において、多様な経験をするチャンスが用意されているというわけだ。
 海外研修にも力を入れていて、看護医療学部独自のプログラムが用意されている。ラオス、アメリカ、パレスチナなどへの派遣実績があり、各自の興味に沿った研究ができる。また、義塾は医学部や薬学部もあるため、医薬看の3学部合同の授業やプログラムに参加することもできる。
 このように、義塾の看護医療学部は他の看護系大学・学部とは一味違うカリキュラムとなっている。
 

2018年に100周年 信濃町からSFCへ

看護医療学部が開設されたのは2001年だが、その前身は1918年設置の慶應義塾大学医学科付属看護婦養成所までさかのぼり、100年近くの歴史がある。義塾の看護教育は、初代医学部長であり、看護の役割を重要視した北里柴三郎(1853-1931年)が看護婦養成所を設置したことをきっかけにはじまった。その後、看護婦産婆養成所(1944年設置)、厚生女子学院(1950年設置)、看護短期大学(1988年設置)を経て、現在の看護医療学部に至る。
 短大時代には医学部とともに信濃町キャンパスを拠点としていたが、看護医療学部の設置と同時に湘南藤沢キャンパスへと移転した。その後、湘南藤沢キャンパスには、大学院として2005年に健康マネジメント研究科の修士課程が設置され、2007年には同博士課程が設置された。そして、義塾の看護教育は2018年に100周年を迎える。
 
 今回は看護医療学部の基礎知識を紹介した。今後、「看護医療学部特集」では、看護医療学部の時間割からサークルまで様々な情報をお届けする。「こんなことを取り上げてほしい」ということがあれば、ぜひコメントを!