「慶應のなかでどの学部が一番えぐいのか?」―この記事を読む前のあなたは「理工」や「経済」をその答えとして挙げるだろう。しかし、そこで看護医療学部を忘れてはいけない。今回からは看護学のトッププロフェッショナルを育てるための看護医療学部の学則、履修方法を紹介する。

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なお、看護医療学部の授業は2015年現在【09学則】(旧学則)と【12学則】(新学則)の2つの学則にもとづいて行われている。2012年度から2014年度まで段階的に新学則に移行し、2015年度から全科目が12学則にもとづいて開講されている。ということで、今後の記事は原則として12学則を扱うので十分注意してほしい。
 

1年生の時間割 1学期17コマの例も

まず、今回は1年生の時間割を見てみよう。下記の時間割は2015年4月に入学した看護医療学部1年生の春学期時間割の一例である。

看護医療学部1年生春学期時間割

時間割表を見ればわかるように、授業がしっかりつまっている。1学期に17コマ。しかも、看護医療学部生のなかには他学部(主に総合政策学部・環境情報学部)の授業も含めてこれより多くのコマ数を取っている人もいるという。また、総環と同じく出席を取る授業やグループワークが多く、簡単には休めない。これを見ると総合政策学部の筆者は、気後れして自分のコマ数を言えなくなってしまう…。
 

必修科目と選択科目 常につきまとう留年の危機

なお、2012年度以降入学者は1, 2年次の間に必修科目を60単位取得する必要がある。1コマ1単位の授業もあるので、看護医療学部生が3年生への進級のために取らなければいけないコマ数は多い。必修の授業はそれぞれの学年ごとに割り当てられており、1年生で割り当てられた授業で単位が取得できなければ、2年生の間に再履修しなければならない。しかし、時間割の関係上、2年生で再履修できるとは限らないので、1年生で必修科目を落とすとすでに3年生への進級があやうくなる。(ちなみに2年生は必修を1単位でも落としたら即留年である) また、保健師や助産師を目指す人は、それぞれの国家試験の受験資格を得るために、1年次から計画的に必要な科目を取る必要がある。
 さらに必修科目のほか、1年生から4年生の間に選択科目を20単位以上取得する必要がある。選択科目については看護医療学部設置科目のほか、総環の授業を履修している学生も多い。マレー・インドネシア語やアラビヤ語など、普通の看護系大学・学部に設置されていない自然言語科目のほか、プログラミングやマーケティングなど様々な分野の科目を学ぶことができる。
 

看護医療学部校舎イメージ

休日も授業 ハードなスケジュール

看護医療学部もSFCらしくグループワークが多い。補講も多く、休日がつぶれることも多々ある。また、1年生は実習科目の「基礎看護ケア実践Ⅰ」が必修であり、この授業は休日を数日使って、1日丸々行われる。ちなみに、4年生までの累計で3分の2以上の日数の実習科目の出席がなければ、いかなる理由があっても4年生で留年する。特にインフルエンザ等の病気になったり、指定された予防接種を忘れると実習科目には出席できないが、どんな理由であろうと欠席としてカウントされるので要注意だ。

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