奥田敦研究会は、11月1日(日)-15日(日)、アラブ諸国の日本語学習者を招聘し、学術交流を行う「アラブ人学生歓迎プログラム」(ASP)を開催する。今年は神奈川県の大学発・政策提案制度の一環としても実施。2カ国から3名が来日し、アラブ人と日本人の相互理解を模索していく。一部のプログラムでは一般のSFC生も参加可能だ。

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ASPに向けて準備を進める奥田研の皆さん(奥田研より提供) ASPに向けて準備を進める奥田研の皆さん(奥田研より提供)

アラブ人学生を日本に招いて学術交流―ASPとは?

2002年から始まったASPは今年で14回目を迎える。アラブ諸国の日本語学習者をSFCに招聘し、アラビア語を学ぶ学生たちのサポートのもと、日本語レポートの作成やスキット撮影をはじめ、家庭訪問や旅行などの幅広い学術交流、日本文化体験を行う。

今回は、神奈川県の大学発・政策提案制度の平成26年度最優秀提案として実施される「ムスリム接遇人材育成プログラムの開発と実施~共生的モデルの構築とともに~」の一環としても実施される。学術交流を通じて、日本人とアラブ人の相互理解を促進し、共生モデルの構築を模索することがねらいだ。

今年のASPパーカー 今年のASPパーカー

シリアとモロッコから3名が来日

今年のASPにはアラブ3カ国から16名の応募があり、3名が選出された。招聘された学生は、2週間にわたり、アラブ人の目線でSFCを紹介するスキットビデオの撮影を行うとともに、研究テーマに関するレポートを日本語で完成させる。

来日するアラブ人学生

名前 性別 年齢 出身 専攻 レポートテーマ(予定)
アフマド・ラーミー・カッサール 男性 22 シリア 医学 日本人と信仰の関係
サルマー・タービー 女性 23 モロッコ 建築 自殺問題
アミーナ・ナイト・アブドゥッラー・ウアリ― 女性 21 モロッコ コンピュータサイエンス/数学 協調性とチームワーク

授業でアラブ人学生が発表 SFC生と交流

「イスラームとイスラーム圏/現代文化探究」(金4・Ω11・奥田敦教授)のうち、11月6日(金)と11月13日(金)の授業回はASP開催期間の特別授業となる。

11月6日(金)、アラブ人学生が各自の母国について日本語でプレゼンテーションを行う。報道以外では馴染みの薄いアラブ諸国について、同年代の現地学生の声を聞ける貴重な機会となるだろう。さらに、今回は神奈川県職員で国際課国際交流員のネーマ・オスマンさん(エジプト出身)によるエジプト・アレクサンドリアについての発表も予定されている。

11月13日(金)の前半は、ASP期間中に日本人チューターらとともに取り組んだ日本語レポートの最終発表を行う。それぞれの関心をもとに文献調査や専門家へのインタビュー調査などを経た結果が盛り込まれる。アラブ人学生の目線という、独特な視点に触れることができるかもしれない。後半は、モロッコで日本語や日本文化を教えるJICAモロッコ日本語教師会の講師陣が登壇。アラブ人への日本語教育の現状について意見が交わされる。

「アラブとの共生を考えるきっかけに」実行委員 井川英利奈さん(総3)

開催を目前に控え、APSに携わるSFCの学生はどのような思いを抱いているのか。ASP実行委員会の井川英利奈さん(総3)に話を聞いた。

ASPについて熱く語る井川さん ASPについて熱く語る井川さん

—— なぜASP実行委員になろうと思ったのですか?

ASPがアラブ人学生に与える影響の大きさを実感したからです。過去のASP参加者のなかには、自国に戻ったあとに日本語学校を建てた方もおり、今度はその学校で学んだ方がASP参加者としてSFCを訪れた年もあったんです。

私は大学2年生のときに現地研修でモロッコへ赴き、そうした日本語学校を訪問しました。実際に自分の目でAPS参加者が建てた日本語学校や、そこで学ぶ学生の生き生きとした姿を見て、ASPでの経験が彼らの将来の大きな糧となっていることを実感しました。そして、私自身もこのプログラムに積極的に関わり、貢献したいと感じたことがきっかけです。

—— 今年のテーマとともにSFCの学生へアピールをお願いします。

今年のASPは「そして、共に歩もう」という統一テーマを掲げています。アラブと日本、それぞれが困難な問題を抱えながらもその現状を受け入れ、「共生」に向けてともに歩き出そうという前向きな姿勢を表しています。

みなさんのなかには、近年のアラブ情勢を見て、今まで以上にアラブやイスラームに対して負の印象を強く持つようになっている方が多いのではないでしょうか。ASPでは、奥田先生の授業でアラブ人学生が発表を行います。どなたでもご参加いただけますので、ぜひアラブと日本の共生のあり方を考えるきっかけとしていただければ幸いです。

多様な視点に触れるチャンス 積極的な参加を

ASP実行委員会はメールマガジンを配信している。ASP期間中は活動の様子やアラブ人学生へのインタビューなどの情報を発信するという。興味のある人は以下のページから登録するとよい。SFCでの学びに欠かせない、国境や文化の枠を越えた多様な視点を得る機会になるだろう。

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