5月24日(水)、SBCセンターにて「パクパク会議~SFCの食の未来を考えよう~」が開催された。SFC生を中心にSFC内外で食の活動に携わる11名が登壇し、SFCが抱える食の問題や食を通じた地域との交流について話し合った。

食堂の営業短縮が追い討ち 悪化するSFCの食事情

現在SFC内で食べ物を購入できるのは、生協食堂、生協購買部、教職員食堂「タブリエ」、カフェテリア「レディバード」、サブウェイの5か所。キャンパス周辺まで範囲を広げると、スリーエフや「味処 まるたか」のほかに、2月末にオープンしたセブンイレブンが加わって8か所になる。しかし、キャンパス内にあり、かつ店内で食事ができる場所となると、生協食堂、タブリエ、サブウェイの3か所しかない。

営業時間に注目すると、悪状況がさらに露呈する。各施設の営業時間は以下の通りだ。

平日 土曜 日曜・祝日
生協食堂 11:00-15:00 閉店 閉店
生協購買部 10:00-18:30 11:00-14:00 閉店
タブリエ 11:00-15:00 11:00-15:00 閉店
レディバード 10:30-20:00 閉店 閉店
サブウェイ 9:00-22:00 9:00-17:00 閉店

授業がある平日に関しては、生協食堂は営業時間を短縮してこの春学期より15:00閉店になり、タブリエも生協食堂と同じく15:00、レディーバードは20:00閉店だ。キャンパス内で一番遅くまでオープンしているサブウェイも22:00には閉店してしまう。これ以降の時間帯は自販機を除いてキャンパス内で食べ物を買うことができなくなってしまうため、セブンイレブンまたはスリーエフまで行く必要がある。「24時間キャンパス」はSFCの開設当初のキャッチフレーズでもあったが、それを継続するための十分な環境が整っているとはいえない状況だ。

SFC内外で食に関する活動に取り組む11名が登壇

会議の内容を説明する主催者の秋山さん(環3) 会議の内容を説明する主催者の秋山さん(環3)

パクパク会議はまず、SFCの内外で食に関する活動をしている学生や卒業生などが登壇し、それぞれの活動について紹介した。登壇者は以下の通りだ。

登壇者(敬称略) 所属
緒方駿 農業サークル「八百藤
加藤文俊 環境情報学部教授
長内あや愛 料理サークル「食の会
高木昭 yajin」代表
木許宏美 水野大二郎研究室
菅田悠介 イベント「モッタイNight」主催者
金子智紀 遠藤自治区プロジェクト」副代表
照屋李苗 長谷部葉子研究会
伊作太一 株式会社「コークッキング」取締役
山田真輝 NPO法人「Farmer’s Market Association
柴田雅史 キッチンカー「キッチンたまり場」店長

登壇者の活動内容は、食を通じた地域の人との交流、キッチンカーのプロジェクト、遠藤地区での野菜栽培などさまざまだった。また、キッチンでの人との交流に注目してキッチン自体を人との交流の場として作り変えるなど、キッチンのデザインに通じている登壇者もいた。

グループディスカッションで見えてきた食問題の解決法

グループディスカッションではSFCの食の問題の解決法が議論された グループディスカッションではSFCの食の問題の解決法が議論された

登壇者の活動紹介の後は登壇者が参加者と一緒に「SFCの食」に関して議論し、地域との繋がりも重視した様々な案や問題点が共有された。

挙げられた問題点としては2つ。残留する人に対しての対応がしきれていないことと、SFC内で食事できる場所が少ないことだ。それに対し、SFC周辺で作られている食べ物を使ったランチ会や地元の野菜を使った炊き出しなどが考案された。

ランチ会の提案をする山田さん ランチ会の提案をする山田さん

SFC周辺にはたくさんの農家があり、多品種少量生産で様々な野菜を栽培している。また、SFCの卒業生がプロデュースする「みやじ豚」に代表される養豚産業もある。それをふまえ、大学付近で栽培されている野菜の流通路を確保し、地産地消を重視しながら大学内で食に関するイベントを実施するなど、SFCの内外の環境を改善する案が検討された形だ。

ほかには、SBCの「滞在棟2」で交流を前提としたキッチンができることからオープンキッチンの検討がされ、使うマナーの呼びかけなどが問題点として挙げられた。

現時点では、決して食事情が良好だとはいえないSFC。この問題は、外部業者の誘致など大学側の取り組みがあれば解決も困難ではないと考えられる。しかし、今回のこの「パクパク会議」やその登壇者の活動のように、キッチンにおける人の交流や地産地消の導入を考えたSFC生や関係者による食の活動も解決策のひとつになるかもしれない。

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