12月13日(木)、17:00より食堂 (South Wing)でAssociation for International Students (以下AIS) 主催の研究会オリエンテーションが開催される。GIGA生、帰国子女、留学生といった国際的な背景をもった学生はもちろん、全てのSFC生が研究会を探す機会となっている。今回は総合政策学部3年の溝田伊吹さん(代表)と総合政策学部3年の窪田百萌さん(副代表)に企画を立ち上げた背景、そして、開催に込められた想いについて聞いた。

言語バリアをなくす難しさ

—— 早速ですが、研究会オリエンテーションを企画した背景また、開催しよう思ったきっかけを教えてください。

そもそもAISはGIGA生を主体に活動している団体なんですけども、活動の中でよくアンケートをとっていて、GIGA生と留学生を含んだ学生全体に対して「どういう問題意識や課題を持っていますか?」と聞いたりしています。

その時に言語的なバリアを感じていると答える人がすごく多くて、その時に感じたのが研究会自体がGIGA開講というふうに書かれているものがまず少ないということです。日本語で開講されているけど、実は教授は英語を喋れるといった情報が知れ渡っていないことがあり、何か知るきっかけがないかなというのと、以前数年前に研究会オリエンテーションが開催されたことがあったらしいのですが、開催運営をしていた団体がなくなったと聞き、公式で知る場というのが、ORFであったり、シラバスで自分で調べたり、とすごく限られていると感じ、研究会オリエンテーションの開催を考えました。そして、私たちAISがやるならば言語のことも改善しようということでこの開催に至りました。

AIS代表の溝田伊吹さん AIS代表の溝田伊吹さん

—— ということは今回のこの研究会オリエンテーションはAISにとって初めての試みとなるのですね!

はい! ただ、今までサークルオリエンテーションのような様々なオリエンテーションをしてきて、GIGA生に代表される国際的な背景を持った学生をサポートをするオリエンテーションを企画はしてきたので、いままでの経験を生かしていきたいと思っています。

AIS副代表の窪田百萌さん AIS副代表の窪田百萌さん

—— ちなみに私もGIGA生なのですが、サークルオリエンテーションはGIGA生の中でも好評であったので、研究会オリエンテーションもあればいいなという話はよくしていました。このような話は実際周りからよく聞きますか?

そうですね。毎年いくつか声は聞いていて、自分もサークルオリエンテーションをやってもらったからこそサークルに参加できた経験があります。自分自身がAISに入って企画してからも「GIGA生が入ってくれたよ」と教えてもらったり、やはり開催した甲斐があるんだなと感じました。

—— 私も研究会オリエンテーション楽しみにしています!

—— 研究会オリエンテーションの他に開催したいと考えているイベントなどはありますか?

毎年行なっているのは、GIGAの新入生オリエンテーション、サークルオリエンテーションの2つで、これがAISにとっての年間行事なのですが、今回の研究会オリエンテーションが新しい試みになっているという感じですね。

他には、日本人学生とGIGA生と留学生といった様々な学生が交流できる〇〇フードナイトといった、楽しいイベントを企画しているので、説明会だけをメインに企画しているわけではないですね。

実は多い?! 日本語が出来なくても入れる研究会

—— 今回の研究会オリエンテーションを開催するにあたって、気をつけたいことや意識していることはありますか?

そうですね、まずは英語オンリーというふうには考えていなくて、やはり研究会によっては英語じゃない言語、中国語やスペイン語であったり、英語以外の言語で開講されているところはあると思うので、そういう研究会の方々にご協力をいただいたりしています。

あとはシラバスとかに「日本語で開講しているよ」と書いているけど、教授が英語を喋れる場合は、課題や発表の時は英語でもいいよ、としている研究会もあったりするので、そのような研究会にも声をかけていて、シラバスだけでは得られないような情報を提供できるようにしたいと思っています。

—— 1年のGIGA生としてはすごくありがたいですね! 個人的には、私のように日本語でも大丈夫といったGIGA生ももちろんいると思うのですが、そのようなGIGA生のためにも言語バリアの問題だけではなく、様々な分野を揃えていただけると嬉しいですし、ありがたいですね。

やはりそのようなGIGA生のためにも、今回は分野問わず、とにかく沢山の研究会を揃えたいと考えています!

英語だけで開講されている研究会が少ないと考えている方が多く、GIGA生は「研究会全然ないじゃん!」と思われるかもしれないのですが、英語のサポートはあるというところが意外と多くて、教授が少しだけ英語を話せるといった場合であったり、「他のGIGA生がいるから大丈夫だよ」というふうに声をかけてくださるところもあります。このような研究会も含めるとGIGA生、留学生、外国人生徒が入れる研究会は考えているより沢山あるというふうに考えられますね。そして、このような研究会があるということを伝えたいですね。

—— 現状では、研究会の数としてはどれぐらいになっていますか?

文理問わず、だいたい20ぐらいですかね。まだ調整中なので増える可能性はまだまだあります。できるだけ来ていただきたいので最後の最後まで頑張りたいですね (笑) 。

—— 様々な想いが込められたイベントになっていますね。開催への準備の中で問題に遭遇することはあると思いますが、今回はそのようなことはありましたか? これ難しかったな、こうすればよかったなと思った瞬間をぜひ聞かせてください。

声をかけるにあたって、やはり研究会というのは学生ではなく教授が開講しているものであるため、まずは教授にメールを出したのですが、やりとりには限界がありました。教授が読んでくださっているのかどうかもわからないので、GIGA生である私たちが他の研究会に入っているGIGA生に声をかけ、協力をしていただきました。ただこのようなことがあったからこそ、やりたいと主体性をもった研究会が揃ったなと思いました。

最初は教授にメールを出すということだけをしていたのですが、ほとんど返事がなく、最初は研究会オリエンテーションの開催は難しいのではないかとも考えました (笑) でも、学生からアタックすることによって、学生側から教授にやりたいという気持ちが伝わり、協力をしていただくことになり、すごくよかったなと思いました。あと、賛同してくれる教授が多く、教授方のコミュニティーで広げてくださったり、すごくありがたかったと思いました。

—— 教授が来ていただける研究会もあるということですか?

そうですね、ご都合の合う先生方はいてくださるそうです。もちろん中には、途中で抜ける先生方や「もう学生にゆだねる!」という先生もいますという感じですね。

GIGA生とNon-GIGA生の壁

—— これまで話したAISの活動の中で 一番力を入れている活動は何ですか?

学生同士の交流の場を作るのはもちろん、もう一つの軸としてGIGAプログラムの向上というのを掲げていて、学事と学期に1~2回程度ミーティングをしているのですが、その時にアンケートでとったものをフィードバックとして学事に持っていったり、学事の人と相談をして「このようことができますね」や逆に「このようなことはできませんね」といったコミュニケーションの透明性をだすということを心がけています。あと、学事側からの提案もAISに伝えられるので、年に3~4回しかないミーティングではありますが重要視しています。

—— 日本語が話せるGIGA生は日本の授業で行われているクラスで、なかなか4月入学の学生と溶け込めないといった意見をよく聞きます。学事や教授にGIGA生のこのような現状を理解してもらう、知っていただくために何か行なったりはしていますか?

この問題は実際に私たちも感じていて、私たちもGIGA生なので、本当に日本人だし日本語が喋れるし、けど9月生かつGIGAという名前が付いているので壁を感じられちゃうということはやはりあるので、学事に自分自身の経験・体験を話したりしますね (笑) 。学事側の意見としては「そのようになってほしい訳ではなく、いつの間にそのようになってしまった」とおっしゃっていたので、それこそAISが開催している〇〇フードナイトなどに来てもらって、GIGA生だけじゃなくて、4月に入学した子達や一般入試で入った人たちに参加してもらって、言語は関係なく「仲良くなれるんだよ」ということを感じてもらいたいです。

GIGA生もGIGA生で固まってしまいがちで、GIGA生は日本人学生と溶け込めないと感じているかもしれませんが、同じように、日本人学生もGIGA生のコミュニティーに入っていけないと感じているので…(笑)。壁を崩すということは大変だと思いますが、イベントを通して仲良くなってもらえればいいなと思っています。

AISのメンバーから学生へのメッセージ

ORFというのは意外と、自分が出展する側じゃないと行かない人が多く、研究会を探そうと思って行くけれど、実際ブースに立っている人が必ずしも英語喋れる人がその時間いる訳ではありません。日本語以外の言語を話せる人というのは実際には多くいるので、話を聞くためにも是非、研究会オリエンテーションに足を運んでほしいと思っています。

今回は、様々な国際的な背景をもった学生を含めた日本語を母語としない生徒、もしくは日本語をあまり得意としない学生向きという形でやらせていただいているのですが、GIGA生でなくても、まだ研究会を探せていなくて、ORFでもなかなか話を聞けなかったという日本人の学生にも来ていただきたいと思っています。雰囲気もこじんまりとしていて、人がすごく多く、外部生が沢山いるという訳ではないので、様々な人にとって話しやすい環境なのではないかと思っています。研究会を探したいと思っている人全員に、ぜひこの機会を使っていただきたいなと考えています。

—— ありがとうございました。

「研究会についてもっと知りたい」、「自分に合った研究会がなかなかみつけれない」といった方々は、研究会オリエンテーションに足を運んでみてはいかがだろうか。

関連サイト