最近、キャンパス内で愛くるしい顔をしたロボットが走っているのを見かけることはないだろうか? 11月上旬にSFC学生生活担当から一斉送信メールで案内された、「宅配ロボットの実証実験」である。今回、SFC CLIP編集部は、ロボットの実証実験を行なっている株式会社ZMPにお邪魔し、取締役の今西暢子さん、マーケティング部の田中両太さん、新規事業担当の星野晶さんにお話を伺った。

自動宅配ロボットの実証実験をSFCで

宅配ロボットの名前は「CarriRo Deli(キャリロ デリ)」。現在実施中のこの実験は、日本が直面している人手不足や高齢化と、それに伴う物難を支援する目的で行われている。国の機構であるNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)によって「AIシステム共同開発支援事業」に採択されている。

しかし、「現在SFC内で行われている実験は本実験ではなく、あくまでも前準備のようなもの」という星野さん。それでは今後、実験はどう展開されるのか。気になるその内容を伺った。

SFCの食環境の向上にも? 自動宅配ロボットを使ったサービス内容とは

画像提供: 株式会社ZMP 画像提供: 株式会社ZMP

今回の宅配ロボットサービス実証実験は、株式会社ZMP、株式会社ローソン、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスの三者で行われる。来年1月21日(月)-31日(木)、株式会社ZMPが実用化を目指している自動宅配サービスの実験が、SFCの学生・教職員を対象に実施される予定だ。

利用者はスマホアプリをインストールし、そこから商品を注文する。決済はクレジットカードで、配送料は無料。利用者の購入を確認した宅配ロボット「CarriRo Deli」は、SFC内に設置された仮店舗からデリバリーを開始する。商品のお届け先ステーションはSFC内に数ヶ所設置され、どのステーションに届けるかは日時とともに利用者が指定する。商品の受け取り時には、スマホアプリに表示されるQRコードをかざすとロボットが認識し、注文した商品が入っているボックスの鍵を開ける。注文してから配送までのルートを、全てロボットが担うのである。

画像提供: 株式会社ZMP 画像提供: 株式会社ZMP

このロボット「CarriRo Deli」の特徴的な部分は、表情がある点である。停止中に寝てしまったり、右に曲がるときには視線を右に向けたり、可愛い声で喋ったりと、馴染みやすく工夫されている。実験での稼働台数は5台を予定されており、異なる色のロボットがSFC内を走り回ることになるだろう。

実際に店に行かなくても商品を購入できる宅配ロボットが利用できれば、周辺に商店の少ないSFCでは新たな選択肢として食環境の向上に繋がるだろう。また、生協購買部がオープンしていない朝や夜間には、学生にとって嬉しい選択肢になるのではないだろうか。

自動化技術を商業化 株式会社ZMPとは?

2010年にロボットベンチャーとして創業した株式会社ZMPは、「Robot of Everything 人が運転するあらゆる機械を自動化し、安全で、楽しく便利なライフスタイルを創造する」を会社のミッションとして、ロボット技術、自動運転、自動移動技術などを利用しサービス提供を行なっている。

具体的には、自動運転技術開発用プラットフォーム「RoboCar」や物流支援ロボット「CarriRo」などを開発、サービス化した。また、2020年のサービス実現を目指している自動タクシーの実証実験も手がけている。

刻々と迫る本実験 応募参加フォームはこちら

冒頭でのお話の通り、今ロボットがSFCを動き回っているのは、来年1月21日(月)-31日(木)に行われる実証実験のための前準備のようなもの。実際に学生・教職員が来年1月の実証サービスを利用するには、以下のページから参加応募をする必要がある。

SFC CLIP編集部では今後もこの日本初のサービス、「CarriRo Deli」実証実験の取材を続ける予定だ。

関連ページ

関連記事