参議院選挙が4日(木)に公示され、21日(日)の投票日に向けて各地で選挙戦が激しさを増している。安倍首相率いる与党は憲法改正などを進めるかどうか問う姿勢で、改憲に前向きな党で3分の2以上の議席を確保できるかが焦点のひとつだ。この記事ではそんな様々な争点を中心に参院選をまとめた。明後日に迫る投票の参考にしてみてはいかがだろうか?

様々な争点

消費税

今年10月の消費税増税の是非が問われている。与党は、社会保障の充実のために増税は必須であり、景気への影響を抑えるための対策は最大限取っていると主張。また、公明党が主張する「軽減税率(※)」も導入される見込みだ。野党は、増税が可能な経済状況ではないとして、増税の延期や中止を求めている。

※ 軽減税率:生活に必須な食品などに課す消費税を低く抑える仕組み

憲法

憲法についてどう考えているかも焦点のひとつだ。なかでも、自衛隊に関連する憲法9条が、最大の論点になっている。自衛隊の存在が違憲ではないかと指摘されるなか、自衛隊の存在を明記することは大きな意味を持つと、自民党は主張する。公明党は改憲には慎重な姿勢であり、自民党とは距離がある。

立憲民主党は自衛隊明記には反対の姿勢を示している。しかし憲法を一切改定しないという立場ではなく、むしろ首相が持つ解散権の制限など国民の権利拡大につながる議論をしていきたい考えだ。

社会保障

少子高齢化が進むなか、年金問題をはじめとした社会保障に対する姿勢も注目されている。与党は、現役世代の減少に合わせて年金給付水準を下げる「マクロ経済スライド」を組み込むことで、現在の公的年金制度は維持可能であると主張。さらには、低年金者を支援する制度の開始や、在職の高齢者への厚生年金を減らす制度の見直しもアピールした。

野党は、与党の対策は不十分であると主張。立憲民主党や国民民主党は、所得に応じて介護や医療の自己負担額に上限を設ける制度を提案している。

外交・安全保障

日米安全保障条約や普天間飛行場(普天間基地)の移設計画なども関心は高い。自民公明両党は、長期政権の強みを全面的に押し出し、日米同盟をより一層強固にすると主張。野党の多くは、普天間基地を名護市辺野古へ移設する計画の中止を主張している。

経済

与党は企業の賃上げの動きや有効求人倍率の上昇といった、アベノミクスの実績を国民に訴えている。さらには、働き手が約400万人増えたことも強調している。しかし野党は、正規の働き手が約6割という過去最低水準であることを問題視している。

選挙に行くと…

今回の選挙には「選挙区選挙」「比例代表選挙」と2種類の投票がある。「選挙区選挙」とは、各地域ごと(原則都道府県)で参議院議員を選出するものである。投票用紙には選挙区から出馬している候補者の名前を書くことになる。「比例代表選挙」とは、全国から参議院議員を選出するものだ。投票用紙には政党名もしくは候補者名を書く。

そのため、投票所では2枚の紙が渡されるが選挙に行ったことのない人も慌てずに投票してほしい。クリーム色の投票用紙が「選挙区選挙」用、白色の投票用紙が「比例代表選挙」用だ。

神奈川県選挙区から出馬している候補者等はこちらを参照してほしい。

若者の投票率の低下がささやかれる現代、政治が解決できていない問題は多くある。社会を切りひらくSFC生にとっては、改善すべきことが散見されるだろう。この機会に政治について普段考えている人はより深く、考えていない人は一度考えてみるのはどうだろうか?

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