23日(水)、今年で4回目を迎えるSFCホームカミングデイが開催された。昨年は秋祭と同時にSFCで開催されたが、今年はSFC Open Research Forumにぶつけてきた。六本木ヒルズというアクセスの良さが功を奏したのか、700人近い卒業生(内548人)、在学生、教職員(内138人)が来場し、昨年を上回る大盛況となった。


 今年は熊坂賢次教授の「はい、じゃあ、はじめてください」という簡単な挨拶で開幕。前回の衆議院議員選挙で当選を果たしたばかりの橋本岳SFC三田会代 表幹事(98年政・メ卒)の挨拶があり、SIV Business Idea Contest 2005 2nd Halfの最優秀賞、メンター三田会賞の表彰式が行なわれた。

表彰式では熊坂教授が「メンター三田会はSFC生の起業を助けてくれる大人の集団」と株式会社資生堂常勤顧問でメンター三田会副会長(会長代理)の森靖孝氏を紹介。メンター三田会賞を受賞した「マンホールによる無線LANインフラの構築」を企画した長島俊輔さん(環4)と「トレーサビリティー性のある募金箱」を企画したクマールラトネッシュさん(総2)に賞状を授与した森氏は「非常に面白い案件だったので、早期実現に向けてメンター三田会が全面的に支援することをお約束する」と宣言した。つづいて発表された最優秀賞もクマールさんが受賞し、本人も驚きのダブル受賞となった。「昨年このアイデアコンテストを知って、いつか絶対に僕もとってやるぞと思って一年間がんばってきました。今は『やったぜ!』という気持ちです。たくさんの人が支援してくださるということなので、アイデア実現に向けてこれからがんばろうと思います。ありがとうございました」とクマールさんがコメントすると、すでにワインが配られてほろ酔い気分の会場から、あたたかい拍手と声援が浴びせられた。
 つづいて、「懐かしい先生」を代表して高橋潤二郎元慶應義塾大学常任理事・環境情報学部教授が挨拶を述べはじめたが、すでにヒートアップした会場はざわついていた。堪りかねた熊坂教授が「うるさい!君たち大人なんだから、考えなきゃ。誰がしゃべってると思う?僕がしゃべっているんじゃないよ。SFCをつくっただけじゃなくて、SFCにとっても、僕とっても神様みたいな人だよ。大人なんだから。わかった?」と学生時代にすっかり戻ってしまっていた卒業生たちを叱咤。会場が聞き入る中、グラスを片手に高橋氏が「福澤先生の言葉に『戯去戯来』というのがある。SFCをつくるときに、こんな学部がつくれたらいいな、ということの基本が『戯れ』だったんです。『遊び』だったんです。十数年経ってやっとこの『遊び』が徹底的に諸君のプロダクツの中に浸透したと感じました。大変うれしい」とコメントし、にこやかに乾杯の音頭を取った。

【動画】乾杯(WMV形式、2.0MB)
 人でごったがえす会場のなかを、卒業生同士、卒業生と教員、卒業生と学生が「久しぶり!」と呼び合うなか、SFC CLIPは来場者へのインタビューを試みた。

まず、目についたのは友人からメッセンジャーでHCDのことを知らされて来たという2004年卒業の男性。「SFCの知り合いとはネットでつながってるから、懐かしいっていう感じがあんまりしないけど、このリアル感も大事なんじゃないかな」とコメントし、さっそく久しぶりに実際に会った友人たちとの会話を楽しんでいた。
 今年の3月に看護医療学部から最初の卒業生を送り出したばかりの吉野肇一健康マネジメント研究科委員長は「(六本木ヒルズでの開催は)うちの学部にとってはありがたい。慶應病院で働いている卒業生が多いから、彼らにとっては来やすい。SFCに来るのは大変だからね。来年度からは、これだけ人が集まるということがわかったのだから、もう少し会場を広くするとか、『看護医療学部はここらへんにいる』ということがわかるような案内図があるといいね」とコメント。
 念願の初参加となった1994年卒業の男性は「一番下の子供を連れてきました。卒業してから一度も参加できていなかったのですが、六本木ヒルズでの開催ということで、やっと参加できました。SFCでの開催にくらべてずっと参加しやすいです。1期生の参加が少ないみたいで、あまり多くの友人には出会えていませんが、これから会えるといいなと思っています」とうれしそうに語ってくれた。
 挨拶に忙しく、乾杯をしてから一歩も動けていない橋本岳氏は、「手応えがあります。みんなに集まってもらって、懐かしい人たちでしゃべっていただくことが目的でしたから、大成功です。六本木で開催したことで、参加しやすくなった人もいるんじゃないでしょうか。子供を連れて藤沢まで来るのは大変ですからね。また、主催者としては、今、ここで久しぶりに出会ってもらって、2次会、3次会と、また別の日にちにでも、さらにみなさんで楽しんでもらえればと思うんです。そういうきっかけの会になればいいと思っています。だから、六本木ヒルズでのパーティタイムはたった1時間しかありませんが、かえってそれが良いんだと思います。残りはみなさんで楽しんでもらいたいので」と熱っぽく語った。
 最後に、これから二次会にくり出すという冨田勝環境情報学部長にマイクを向けた。「なかなか盛り上がりましたね。六本木ヒルズでの開催もいいよね。たまには藤沢でやってもいいし。僕はこれから二次会にくり出すんですよ。懐かしい人たちと。本当によく来てくれたと思いますよ」