31日(土)、明治神宮球場にて、東京六大学野球・早慶戦第1回戦が行われた。リーグ戦も最終週を迎え、いよいよ大詰めとなった早稲田大学(以下、早大)との初戦。義塾は、早大から本塁打含む5安打を放ち、K2-1Wで初戦を勝利で収めた。

第1回戦 : 31日(土)
 123456789R
K0000002002
W0000100001


 義塾の先発は、対法政大学戦でリーグ戦初完封を達成した、加藤拓也(法2)。持ち前の直球を武器に早大打線に立ち向かう。

SKS7義塾の初戦を任された右腕エース・加藤拓

 対する早大は、リーグトップタイの防御率を誇る早大絶対のエース・有原航平をマウンドへ送り込む。

早稲田投手防御率1.23と好成績を残している有原

 義塾先攻で始まったこの試合。序盤は、両校共に得点圏内まで走者を進めるも点には結びつかず、拮抗した状態が続く。

早稲田211回表、左前ヒットを放った早大・重信慎之介

 試合が動いたのは、5回裏・早稲田の攻撃。先発・加藤拓は打者に四球と失策を与え、1死2,3塁のピンチを迎える。打席には早大の4番・武藤風行を迎えたところで、加藤拓がまさかのワイルドピッチ。その間に3塁走者が生還し、早大に1点の先制を許す。その後、武藤は左中間へ打球を大きく運び、またもピンチが続くかという場面で、中翼手・藤本知輝(環4)が打球をダイビングキャッチ。早大に傾きかけた流れを断ち切るファインプレーで、この回義塾は最少失点でイニングを終える。

ファインプレーを迎える1藤本知のファインプレーにより、さらなる失点を防いだ

 打線で加藤拓を援護したい義塾は、7回に有原を捉える。5番・藤本知がライト前ヒットで出塁すると、続く6番・竹内惇(商4)がライトスタンドへの2点本塁打で一気に逆転。6回まで沈黙していた義塾打線がようやくここで快音を響かせた。義塾側スタンドからも、大きな拍手とともに、『勝利に進む我が力』を確信したかのような喜悦の声が神宮球場を渦巻いた。続く8番・須藤隆成(環2)がセンターへ大きな打球を放つも、早大の中翼手・中澤彰太のファインプレーで安打とはならなかった。

ホームラン生還2点本塁打を放ち、ガッツポーズを見せる竹内惇

 勢いにのる義塾は、早大エース・有原をマウンドから引きずりおろし、8回から後続・内田聖人を迎える。さらなる追加点で早大を突き放したい場面で、9回、今季好調を保っている3番・谷田成吾(商3)から打順を迎えるも、内田を相手にあと一歩がでない。続く4番・横尾俊建(環3)、5番・藤本知も懸命に粘るも三者凡退に倒れ、試合は義塾の1点リードで早大最後の攻撃を迎える。

SKS63番・谷田は内田を相手に外野フライに倒れる

 9回裏、加藤拓は先頭打者の6番・小野田俊介を一邪飛に抑え、続く7番・河原右京を刻みの良い投球で遊ゴロに打ち取った。そして、8番・石井一成にファールで粘られるも、勢いのある投球で空振り三振を奪い取り、最終回を見事な三者凡退に抑えた。義塾先発の加藤拓は、振り返ってみると早大打線を被安打4に抑え140球完投勝利。圧巻のピッチングでチームを勝利へ導いた。

SKS1試合終了後、義塾ナインと共に喜びをわかちあうスタンド

 早慶両校、高い勝率を維持し臨んだ早慶戦第1回戦。序盤はなかなか得点を上げられず、歯痒い試合展開であったが、粘り強い義塾野球の甲斐あって白星を挙げた。  7回にファインプレーをみせた藤本知や竹内惇の安定感のあるバッティングが今日の勝利に貢献できたことは大きな糧になったに違いない。一方、今季好調の横尾をはじめとする、義塾のクリーンアップをうまく機能させることができなかった点が明日への課題と言えよう。

勝利の喜び3見事勝利し、観客の声援に応える佐藤旭主将と藤井健友副将

 明日も13時から明治神宮球場にて早慶戦第2回戦が行われる。SFC CLIP編集部はTwitterにて試合実況を配信予定だ。選手の笑顔と優勝の瞬間を目に焼きつけるべく、球場へ足を運んでみよう。  優勝の2文字は、もう手の届くところにある。