6月は、環境月間です。1972年の6月5日からストックホルムで開催された、「国連人間環境会議」を記念して、日本の提案で、国連が6月5日を「世界環境デー」と定めた事がきっかけ。日本では環境庁の呼びかけで、6月が「環境月間」となりました。


 それにあわせて、SFC CLIPのご協力の下、環境サークルSAEIとGreen*Greenのメンバーが、4回にわたって環境問題についての連載を行います。スケジュールは以下の通り。
第一回:間伐材の割りばし(担当:奥田紘子)
 間伐を知っていますか?? 樹を育て、森を育てる過程のひとつです。
 その時に出てくる「間伐材」の身近な有効利用について解説します。
第二回:炭素税について (担当:櫛引遥)
 環境先進国スウェーデンで導入されている炭素税。
 これを通して、日本とスウェーデンの違いを考えました。
第三回:SFCの環境事情 (担当:須田佑介)
 SFCで一日にどれほどの電力が消費されているか知っていますか?? 実は
 SFCは日本の文系大学でもワースト3に入る資源の消費量、実に第一種工場
 レベルなのです。身近なSFCの環境事情についてお伝えします。
第四回:企業の環境責任  (担当:三本祐子)
 環境にもっとも強く影響を与えているのが、商業活動。企業の環境責任
について検証します。
(担当、内容の変更もあります)
さて、第一回目の今日は間伐材について。日本の森を育てるのに重要な“間伐”について、身近な「割りばし」から考えます。
豊かな森は、自然本来の力だけで成り立っているわけではありません。崩壊した斜面を復旧したり樹の生長を促進したり、人がこころをこめて手入れをしています。その過程のひとつが間伐。いわゆる間引きです。植林して数年後に、成長度の低い樹を間引くことで、他の樹の生長を促すのです。
<参考>
コクヨ間伐のページ
しかし間伐された樹(間伐材)は、まだ若いので建築資材などに使えません。今、間伐財の需要が少なく、処理やコスト回収できないために間伐自体がおろそかにされ、日本の森は危機に瀕しています。なんとか需要を伸ばせないか、そこで考えられたのが間伐材の割りばしです。
お弁当やカップラーメン、私達の生活の中で、割り箸は“無いととっても困るもの”です。使って捨てる典型的“使い捨て商品”の割り箸は、環境に悪い?? 実はそんなこともないのです。割り箸はもともと、製材した樹の切れ端から作っているもの、つまり、資源の有効活用なのです。さらに間伐材の割り箸なら、日本の森林の育成に役立っており、むしろ“環境に優しい商品”
なのです!
しかし割り箸にも問題点はあります。現在日本国内で使用されている割り箸250億膳の内、95%が中国産の割りばし。その中で、OPPと呼ばれる防カビ剤の過剰使用が懸念されています。基準値を超えた量の発がん性物質が、割り箸を通し、食品に溶け出して体内に入ってくる可能性があるのです。
6月16日から20日までの間、生協で配布している割り箸を、間伐材使用のものに切り替えます。この割り箸は徳島県三好郡の森から間伐ざれた木材を使用し、知的障害者の福祉施設で製造作業の一部を行っています。また、防カビ材に関しても国内での厳しい自主基準をクリアしているので、安心して使えるものです。ぜひ利用してください!
森にも優しく、自分にも安心
そんな割り箸から、一歩エコな生活について、考えてみませんか?